なぜなら、いつも芊芊から上班の前に連絡があって、一緒に夜8時頃から10時頃まで食事をしたりすることがとても多く、また、彼女が上班しない日は彼女自身が暇なのでよく私を呼び出していましたから、時間があれば、彼女と会っていました。彼女はとても魅力的であり、その自由奔放な性格は一緒にいて本当に楽しかったからです。
夕方、7時頃に国賓大飯店の向いにあるMr.Brownでは經紀人のVickyともよく会いましたが、ここに時々、芊芊も現れるようになりました。私を含めて3人には共通することがあって、それはCoffeeが好きなこと、喫煙すること、そして、おしゃべりをすることが好きなことでした。
画像は中山北路の国賓大飯店の対面にある伯朗珈琲館(Mr.Brown)です。本当によく行きました。長春路と民生東路のちょうど真ん中あたりにあって、場所もよく快適な空間でしたね。
このカウンターでよく注文しました。画像のようなリモコン式プレートをくれて、できると光が点滅し、バイブの振動があって教えてくれるので、下へ降りて注文のコーヒーなどを取りに行く方式でした。
2階席の様子。ガラス戸の外側に中山北路に面したアウトサイドテラスがあり、喫煙席に当時はなっていて、いつもここが待ち合わせの場所でした。昼はきっと暑いのでしょうが、夕方から夜にかけては風が気持ちよくて、中山北路の街路樹やタクシー・バイクの灯りやビルの灯りがきれいでしたね。
私は中国語の日常会話をすることにもとても意味があって、彼女たちの使う独特の単語をいつも筆談を交えて理解することが楽しみのひとつでした。芊芊にはいつも「你撥音、不好的」(あなた、発音が悪いよ)といつも笑われていて、よく直してくれました。「説」(シュオ)という発音が特に苦手でなかなか彼女たちの発音には近づけないのですが、自分ではどこが違っていて、どう悪いのかがわからず、彼女たちに日本語で「音痴」と言われていました。つまり4声がうまく発音できないことがあって、KTVで働く彼女たちは日本語の「音痴」という言葉を知っていました。イントネーションのカンが悪いということを彼女たちは言っていたのだと思います。
また、Vickyは芊芊の經紀人ではなく、それも芊芊が気軽に来られた理由のひとつでした。いわゆる主従関係というか、契約における上下関係がないというか、そんなところもあり、また、とても人なつこい芊芊は誰とでもうまく合わせられるという才能もありました。 そのため、Vickyも芊芊を可愛がっていました。いつも屈託のない笑いがあり、そして、楽しい一時でした。私だけがいつも仕事を終えての参加でしたから、2人にいつも気楽でいいと言われていて、10時少し前になると上班に向かう芊芊と回遊魚のように酒店で自分の子飼いの公關のチェックをするVickyは仕事に向かうので、帰宅して休むだけの私は、ちょっと申し訳なく感じることが多かったです。
芊芊と出逢うきっかけになったのは、ここでVIckyが新しく暑假に上班を始めるPT妹の大学生と面試をしたことがきっかけでしたが、芊芊も自分自身の契約や酒店への紹介の在り方が気になるらしく、この手の酒店經紀の話はとてもよくしました。私は当時のVickyがくれたいろいろなメモや印刷物をたくさん持っていて、読み直してみるといろいろな極意がそこには書かれていました。經紀公司にもピンキリが当然あって、悪い騙しが多い公司や小姐の面倒をまったくみない評判の悪い經紀人もたくさんいます。Vickyは確かに夜の世界の住人でしたが、もともとは名門大学を卒業している聡明で機転のきく女性でしたから、彼女の經紀人としての実力は秀でていました。
これは、当時の彼女がもっていた資料の文章ですが、經紀公司の方針がしっかりと書かれています。
<關於來上班的美眉們注意囉~!本公司提供的福利如下>
1.勞健保,這是許多八大行業所沒有的
VIckyと彼女が属する經紀公司は小姐の社会保障や福利厚生にもすごく力を入れていて、これは台湾の八大行業と言われる娯楽産業にはほとんど見られない仕組みでした。夜の仕事はやはり日陰の仕事というイメージが強く、白天的工作(昼間の仕事)に比べ、当然、そのシステムは脆弱であり、いいかげんな体質がありました。しかし、Vickyはこの払拭を目指していて、いつも「放心確實」「保證と保障」を旗印にしていました。だからこそ多くの可愛い大学生や高中生が彼女の下で契約し、また、前金(バンス)についてもその返済契約はきちんとされていました。
酒店で働き始める決心をする小姐の90%以上は前金を欲しがっているというのがVIckyの経験的な予想で、特に大学生や高中生の場合は9月からの始まる新学期の学費を8月中に納めなければ滞納扱いになることもあって、この学費5万元前後の一括前金を上班の条件として要求することが多いです。この返却と利率が重要な話し合いの要素になるのですが、Vickyの場合は低い利率で薪資(給料のこと)からの源泉徴収という形をとっていましたから、トラブルも少なかったように思います。芊芊も經紀人をVickyに換えたがっていましたが、今の經紀人との契約が残っており、住む家も面倒を見てもらっていた特別待遇の事情がありましたから、結局はできませんでした。
彼女たちとの不思議な関係。私はいったい何という関係なのか、よくわかりませんでした。
芊芊は恋人でもなく、愛人でもない。Vickyはビジネスパートナーでもなく、スポンサーやクライアントでもない。
でも台北の夜という舞台で演じる經紀人・公關・客人というそれぞれの役割があって、互いに信頼と信用がある関係。
そんな言葉にはしにくい、信頼というつながりだけの関係も結構心地よく、悪くはありませんでした。
画像は更衣室でのある酒店の新妹。Vickyはたくさんの新妹をもっていましたが、アバズレやヤンキーみたいな子もいて、苦労がありました。結局は信頼に応えることができる子がどんな仕事でもがんばれるというのがVickyの持論で、裏切りや虚言などを繰り返す子に対しては厳しく接していました。
なお、ブログの記事に関係ある画像を貼っていきますが、絶対に撮影は禁止ですので、ご注意ください。これらの写真は酒店のスタッフや幹部が撮影し、私に提供してくれている特別なものばかりです。また、画像の無断使用や流用については絶対に禁止です。ご理解をよろしくお願いします。
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