< 經紀人Vicky : 我徬徨台北的夜世界 ~My Twinkle Story with Taiwanese girls~

我徬徨台北的夜世界 ~My Twinkle Story with Taiwanese girls~

私は台北で駐在生活を4年間送りました。昼間は世界の平和と日本の経済発展を目指して全力でお仕事。夜になると地表にちょこんと顔出して、五木の街あたりを彷徨っています。そこで私は数多くの天使達と悪魔に出逢いました。そんな私の夜の彷徨いを台湾社会の複雑な仕組みなども紹介しながら書き綴っていきます。ほとんどの日本人が深くかかわることが難しいと思われる台北の夜世界の様子とエピソードの紹介が中心です。これは心優しい台妹たちを愛し、そこで出逢った人達とのかかわりや心のつながりをとても大切にしながら、これからも彷徨い続けていく私の軌跡です。

經紀人Vicky

不思議な関係

芊芊と酒店で出逢ってから、ほとんど酒店に足を運ばなくなりました。

なぜなら、いつも芊芊から上班の前に連絡があって、一緒に夜8時頃から10時頃まで食事をしたりすることがとても多く、また、彼女が上班しない日は彼女自身が暇なのでよく私を呼び出していましたから、時間があれば、彼女と会っていました。彼女はとても魅力的であり、その自由奔放な性格は一緒にいて本当に楽しかったからです。

夕方、7時頃に国賓大飯店の向いにあるMr.Brownでは經紀人のVickyともよく会いましたが、ここに時々、芊芊も現れるようになりました。私を含めて3人には共通することがあって、それはCoffeeが好きなこと、喫煙すること、そして、おしゃべりをすることが好きなことでした。

 画像は中山北路の国賓大飯店の対面にある伯朗珈琲館(Mr.Brown)です。本当によく行きました。長春路と民生東路のちょうど真ん中あたりにあって、場所もよく快適な空間でしたね。

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 このカウンターでよく注文しました。画像のようなリモコン式プレートをくれて、できると光が点滅し、バイブの振動があって教えてくれるので、下へ降りて注文のコーヒーなどを取りに行く方式でした。

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 2階席の様子。ガラス戸の外側に中山北路に面したアウトサイドテラスがあり、喫煙席に当時はなっていて、いつもここが待ち合わせの場所でした。昼はきっと暑いのでしょうが、夕方から夜にかけては風が気持ちよくて、中山北路の街路樹やタクシー・バイクの灯りやビルの灯りがきれいでしたね。

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私は中国語の日常会話をすることにもとても意味があって、彼女たちの使う独特の単語をいつも筆談を交えて理解することが楽しみのひとつでした。芊芊にはいつも「你撥音、不好的」(あなた、発音が悪いよ)といつも笑われていて、よく直してくれました。「説」(シュオ)という発音が特に苦手でなかなか彼女たちの発音には近づけないのですが、自分ではどこが違っていて、どう悪いのかがわからず、彼女たちに日本語で「音痴」と言われていました。つまり4声がうまく発音できないことがあって、KTVで働く彼女たちは日本語の「音痴」という言葉を知っていました。イントネーションのカンが悪いということを彼女たちは言っていたのだと思います。

また、Vickyは芊芊の經紀人ではなく、それも芊芊が気軽に来られた理由のひとつでした。いわゆる主従関係というか、契約における上下関係がないというか、そんなところもあり、また、とても人なつこい芊芊は誰とでもうまく合わせられるという才能もありました。 そのため、Vickyも芊芊を可愛がっていました。いつも屈託のない笑いがあり、そして、楽しい一時でした。私だけがいつも仕事を終えての参加でしたから、2人にいつも気楽でいいと言われていて、10時少し前になると上班に向かう芊芊と回遊魚のように酒店で自分の子飼いの公關のチェックをするVickyは仕事に向かうので、帰宅して休むだけの私は、ちょっと申し訳なく感じることが多かったです。

芊芊と出逢うきっかけになったのは、ここでVIckyが新しく暑假に上班を始めるPT妹の大学生と面試をしたことがきっかけでしたが、芊芊も自分自身の契約や酒店への紹介の在り方が気になるらしく、この手の酒店經紀の話はとてもよくしました。私は当時のVickyがくれたいろいろなメモや印刷物をたくさん持っていて、読み直してみるといろいろな極意がそこには書かれていました。經紀公司にもピンキリが当然あって、悪い騙しが多い公司や小姐の面倒をまったくみない評判の悪い經紀人もたくさんいます。Vickyは確かに夜の世界の住人でしたが、もともとは名門大学を卒業している聡明で機転のきく女性でしたから、彼女の經紀人としての実力は秀でていました。

これは、当時の彼女がもっていた資料の文章ですが、經紀公司の方針がしっかりと書かれています。

各位姐妹們: 公關小姐求職的時候每個環節都要注意、不要因為一時生活上的金錢上的急需失去了原本應有的理智!! 
酒店求職管道&注意事項:

1.朋友介紹。 透過道上班的工作內容,店家的模式,前提是要能信任的朋友,最好是有在要介紹的那一間酒店上過班的朋友,如果是轉介紹,資訊的可信度就會比較低,朋友不會騙妳。 

2.報章雜誌八大的求職廣告。 這是我覺得最多陷阱的管道,平時到報章雜誌上寫的某某酒店徵伴唱小姐(工作性質單純、免脫、免秀舞、免出場)並可以日領兩萬。女性朋友來酒店上班第一個想到應徵的方法就是報紙,看著報紙看到斗大的標題、輕鬆、免喝酒、可借錢就拿起手中的電話趕快打電話過去說要應徵,報紙裡有百分之90% 是應召站!!! 

3.經紀公司應徵 從經紀人那得知店家的模式,去尋求一個覺得OK的店家,但是這個行業總是有一些老鼠屎,所以應徵時還是要多加注意小心,以下為面試注意事項:

(1).跟酒店經紀面試最好約在公開場合,或辦公室,切勿約在私人密閉空間。
(2).酒店經紀面試不需簽任何合約。 
(3).酒店經紀面試證件不離身。 
(4).酒店經紀面試有朋友陪同。 
(5).酒店經紀面試不繳交任何費用。 

4.我們可以給您的3大保證 
(1). 工作保障
(2). 安全保障
(3). 生活保障 

公司保證: 

1.新進求職者不需簽下任何合約。不簽約、也不押證件。 

2.本店家均有合法的營利事業登記證 

3.開銷不是問題 公司有提供宿舍 

4.本公司採用禮服 治裝費沒有便服店來的高,因為不需像便服店一樣需注重行頭 

5.禮服店公關小姐的素質要求大約在跟便服酒店差別不大,小姐素質處於中上公關,客人年齡層比較廣20~50歲都有。不脫不秀舞單純唱歌喝酒聊天的交際應酬上檯模式。 

6.公關由帶檯帶進包廂讓客人挑選(看檯),只要客人選定後,公關就是服務該客,直到客人離場。 

7.禮服店目前已經有下午的店家,午場時段下午6點就開始營業到凌晨六點所以不必擔心節數問題 消費金額比較便宜所以生意量比較好、也不用擔心騷擾問題。 

看完以上10點 還在比較外面酒店賺不到錢 還有任何的的疑問嗎? 歡迎與我連絡或私訊

歡迎與我聯繫 我叫Vicky,XX娛樂傳撥經紀公司目前致力於台北各大合法營業酒店娛樂工作

<酒店上班到底都在做什麼? 怎麼上班法?>

酒店工作內容:
桌面服務,般人通常會想偏 其實桌面服務是很簡單 也很單純的一件事
桌面服務有以下幾個要點:

1.桌面上有幾件物品要注意
A.容器杯類有5種(威士忌杯 也就是洋酒杯 ;啤酒杯: 水杯 也就是開水杯;熱茶杯 ;公杯)
B.熱毛巾(當服務生送熱毛巾給消費者使用後 摺整齊後放在旁)
C.水果盤(把面積較大的水果 細分小塊後送至消費者面前)
D.煙灰缸(煙灰缸內別超過3根煙)

2.接下來要注意的事項有以下:
A.當消費者要點歌時 要主動起身(不等消費者開口) 拿麥克風歌本(或遙控器)
B.千萬別讓消費者自己倒酒(或水) 甚至要主動按服務鈴請服務生入內(如倒熱茶 熱毛巾)
C.若消費者有拿煙的動作 記得協助點煙
D.保持桌面清潔(如有水漬要立即擦拭)

3.桌面服務的最大意義為何??!
A.讓消費者感到妳貼心和細心(一般女生是不會幫男生有上述情況)
B.藉此增加和消費者良好的互動更多

<關於來上班的美眉們注意囉~!本公司提供的福利如下>

1.勞健保,這是許多八大行業所沒有的
2.公司宿舍,住外地的美眉們如果需要專車接送也可接洽唷~!
3.三節獎金
4.所有配合店家皆是有政府核發“營利事業登記證”的合法公司.
5.絕不會強迫簽訂任何合約,個人資料絕對完全保密,離職銷毀
6.不強押薪水且薪資一律透明化可彈性領薪,如:日領
7.提供專業完善的職前訓練,及24h專屬秘書保姆團隊
8.資金實力雄厚提供美眉們急難救助,免利息免手續費
9.業界多年經驗,給美眉們正確存錢的管道 
如果美眉們有生活上其他需求,我們都有配合的地方,幫助美眉們不論生活上、工作上、心靈上,有任何疑難雜症都會有專業正確的人給予指導噢!! 

VIckyと彼女が属する經紀公司は小姐の社会保障や福利厚生にもすごく力を入れていて、これは台湾の八大行業と言われる娯楽産業にはほとんど見られない仕組みでした。夜の仕事はやはり日陰の仕事というイメージが強く、白天的工作(昼間の仕事)に比べ、当然、そのシステムは脆弱であり、いいかげんな体質がありました。しかし、Vickyはこの払拭を目指していて、いつも「放心確實」「保證と保障」を旗印にしていました。だからこそ多くの可愛い大学生や高中生が彼女の下で契約し、また、前金(バンス)についてもその返済契約はきちんとされていました。

酒店で働き始める決心をする小姐の90%以上は前金を欲しがっているというのがVIckyの経験的な予想で、特に大学生や高中生の場合は9月からの始まる新学期の学費を8月中に納めなければ滞納扱いになることもあって、この学費5万元前後の一括前金を上班の条件として要求することが多いです。この返却と利率が重要な話し合いの要素になるのですが、Vickyの場合は低い利率で薪資(給料のこと)からの源泉徴収という形をとっていましたから、トラブルも少なかったように思います。芊芊も經紀人をVickyに換えたがっていましたが、今の經紀人との契約が残っており、住む家も面倒を見てもらっていた特別待遇の事情がありましたから、結局はできませんでした。

新富豪名刺

君悦名刺

彼女たちとの不思議な関係。私はいったい何という関係なのか、よくわかりませんでした。
芊芊は恋人でもなく、愛人でもない。Vickyはビジネスパートナーでもなく、スポンサーやクライアントでもない。

でも台北の夜という舞台で演じる經紀人・公關・客人というそれぞれの役割があって、互いに信頼と信用がある関係。
そんな言葉にはしにくい、信頼というつながりだけの関係も結構心地よく、悪くはありませんでした。

 画像は更衣室でのある酒店の新妹。Vickyはたくさんの新妹をもっていましたが、アバズレやヤンキーみたいな子もいて、苦労がありました。結局は信頼に応えることができる子がどんな仕事でもがんばれるというのがVickyの持論で、裏切りや虚言などを繰り返す子に対しては厳しく接していました。

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 なお、ブログの記事に関係ある画像を貼っていきますが、絶対に撮影は禁止ですので、ご注意ください。これらの写真は酒店のスタッフや幹部が撮影し、私に提供してくれている特別なものばかりです。また、画像の無断使用や流用については絶対に禁止です。ご理解をよろしくお願いします。    
 
 このブログは元々、台妹と良い心の交流をもちたいと思っている、あるBBSでご賛同いただいた方々に情報提供する目的で始めましたので、画像等も一定期間をすぎたらほとんどをプライベートモードにしております。プライベートモードは私が友達認証した方が入れますが、コメントなどをお書きいただいたり、メールなどを通じて交流などを深め、ご信頼した方を対象にさせていただいております。酒店と同じような形で一見の方はすぐに認証はできませんので、何度かやりとりをさせていただいてからになります。ご理解のほど、お願いいたします。 

休憩室での出逢い

7月の台北は少し蒸し暑いものの、夜になると心地よい気分になれます。

ただ、歩いていると大樓の上からエアコンの水滴が落ちてくることがあり、油のようなやや汚い水滴もあって服を汚してしまうことがあるのが好きではないことぐらいで、多くの人が行き交い、屋台が出たりしていて活気にあふれている街を歩くのは嫌いではありません。

Vickyと新しく酒店に勤め始める子たち2人と長春路を歩き始めました。何気ない会話をしながら10分ぐらい歩くといつもの制服店に到着しました。幹部を伴っていなくても經紀人が一緒ならば問題なく入ることができます。2人の子たちは特に緊張する様子でもなく、ニコニコしていました。この酒店は大廳が小さく、扉を開けるとすぐに円形のソファが真ん中にあり、右手に控枱を行う櫃台(カウンター)があります。他の制服店に比べると全体的につくりが狭く、中も迷路のようになっており、今でもよく構造がわかりません。

さて、私の立場は極めて微妙でした。客人として来ているのではなく、Vickyを伴って新しい子と来ているわけですから、酒店の行政たちもとまどっていました。私もどうすればよいかわからず、とりあえず大廳のソファに座っていました。Vickyは酒店の行政たちとなにやら話をしていたのですが、しばらくすると私の所にやってきて「一起去吧」(一緒に行きましょう)と声をかけられ、女の子たちとともにVickyについていくことになりました。包廂の間のような所に通路があって、その扉を開けるとなんとそこは休憩室のような事務室のような部屋があり、その奥には30cm四方ぐらいのロッカーがたくさんあるのが見えました。どうやら、ここは女の子たちの更衣室兼休憩室のようです。ちょっとしたパイプ椅子とテーブルがあって私たちはそこに座りました。

Vickyが2人の子たちにいろいろと説明をし始め、そして、行政がそこに制服をもってやってきました。中国語が早口で聞き取ることがなかなか難しかったのですが、基本的なことを説明していたように思います。上班したらここにまずやってきて、割り当てられたロッカーに私物や着てきた服を入れ、制服に着替えること。携帯電話やサイフなどは絶対に持って行ってはいけないこと、準備ができたら櫃台に行ってサインをし、タイムカードを打つことなどの話をしていました。酒店での服務については教育行政が来て説明するらしく、Vickyは何も説明していなかったように思います。私は特にすることもなく、彼女たちの様子を見て、ボーッとしていました。日本人の駐在員でこんな場所に入ったことがある人は果たしているのだろうかと思うと、なぜ、自分がここにいるのか、とても不思議な気分でした。

休憩室に入って30分ぐらいは経ったでしょうか。時間は9時30分をまわったあたりでした。その時、肩にトートバックをかけた一人の茶髪の女の子があわただしく入ってきました。彼女は私を見るととても驚いた様子でした。

この何気ない一瞬が運命の出逢いでした。

とても愛嬌があって、笑顔が可愛いらしい細身のその子は、「你好!」と話しかけてきました。

「你是新的行政嗎?」
(あなたは新しいスタッフの人なの?)

「不是。我是經紀人的朋友。今天她説過一起進來可以。所以我在這個邊的」
(ちがうよ。僕は經紀人の友達なんだ。今日は彼女が一緒に入っていいと言ってくれたから、ここにいるんだ)

「了解。我的名字、芊芊。我是女生、2年級的。你記得嗎?」
(わかったわ。私の名前はチェンチェン。大学の2年生よ、憶えた?)

とても明るく、人見知りしない彼女となにかずっと前から知り合いだったようなそんな気がするような子でした。そして、彼女はテーブルに座るとトートバックの中に入っていたペットボトルの可口可樂(コカコーラ)を出し、三明治(中国語でサンドイッチのこと)を屈託なく食べ始めました。

「今天要上班從十點的。我没有時間。扣錢不好吧」
(今日は10時から上班なのよ。時間がないよ。お金を引かれるのは厭でしょう!)

「芊芊。我是日本人。或許你可以的話、我想點你、可以嗎?」
(チェンチェン、僕は日本人だけど、よかったら君を指名していい?)

芊芊はきょとんとした顔を一瞬しました、サンドイッチをほおばりながら・・・・・・。

「當然可以!我穿制服的恰好、很可愛的!!」
(当然OKだよ、私の制服姿は超可愛いからね!)

ブログを書き始めてこれが99話目。書き始めた頃から100話目はこの「芊芊」との出逢いを書こうと決めていました。
それは芊芊が私の台北生活で出逢った数多くの酒店の子たちの中で最も想い出に残る子だったからです。


 女の子たちはよく休憩室や更衣室で写真を撮ります。包廂の中や大廳では撮影禁止ですから、写真好きな彼女たちは撮影がなかなかできません。幹部がプロモ用に撮影したり、ちょっとした記念程度にこっそり撮ってもらうしか方法はないので、好んで休憩室などで写真を仲間同士でよく撮っています。きっと制服や禮服姿を自分たちももっていたいのでしょう。気楽な写真やおふざけ写真も多くて、彼女たちの屈託のない表情がそこにはあります。

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暑假

7月初旬。私は中山北路を見下ろしながら國賓大飯店の前のMr.Brownに一人いました。その日は仕事も早く終わったのですが、夕方頃に經紀人のVickyから簡訊があって、一緒にコーヒーでも飲もうという誘いがあったため、彼女を待っていました。遅刻は台湾人のお約束ごとなので、あんまり気にはしてはいませんが、7時に約束したVickyが30分近く経ってもなかなか姿を現しません。彼女はどちらかというと真面目な台湾人なので、比較的時間には正確なので、こんなことは珍しいことでした。きっと加菲のことで進展でもあったのかなと思いながら、煙草をくゆらせていると、室内と室外を区切る透明なガラスドアがあいて彼女が姿を現しました。

しかし、彼女は1人ではありませんでした。18歳ぐらいの若い女の子2人を連れています。キャミソールにショートパンツをはいた茶髪の2人の子で、2人も可愛い子でした。

「對不起、一點晩到了。其實今天我等等新妹。她們是都女生、大學一年級、同窓的。目前已經暑假開始、所以她們希望上班在酒店。我覺得你是好人、而且你知道酒店的工作。今天要面試跟她們、一起吧!」

(ごねんね、ちょっと遅れちゃった。実は今日は彼女たちを待っていたんだ。彼女たちは学生で大学1年生の同級生なんだよ。現在、もう夏休みが始まっていて、彼女たちは酒店で働きたいと言うんだ。私はXXさんはいい人だと思っているし、その上、酒店の仕事内容のこともわかっている。今日は一緒に面接しましょう!)

私は突然の状況に驚く時間さえなく、いきなりの展開になってしまいました。Vickyは私のいろいろな酒店の仕組みや上班するときの女の子たちの心の状態などを教えてくれたのですが、また、新たな場面を設定してくれました。開會の様子を見せてくれたり、特別に女の子を紹介してくれたりもしたのですが、その度に私は「へーえ」という感じで感嘆することも多く、彼女はそんな私を見て、どんどんいろいろなことを積極的に教えてくれることが多かったです。

彼女たちは桃園に行く途中にある泰山という所にあるXX技術学院の子たちでした。初めて聞くちょっとマイナーな学校でしたが、台湾にはとても多くの私立の科技大学と技術学院があって、入試レベルもそんなに難しくない学校も多く、酒店で知り合った子たちの学生妹は多くはこのような類の学校に在学していました。彼女たちはVickyから私が何者かを紹介されていましたが、知らない間に詳しく私のことをすでに話していたようで、彼女たちは人見知りすることもまったくなく、すぐに「你好!」と言って自己紹介してくれました。

基本的にVickyが酒店の仕事の紹介をしていくのですが、彼女たちの希望は禮服店だったにもかかわらず、Vickyは制服店の仕事を勧めていました。確かに制服店はよく訳がわからないうちに勤めているような子が多く、とにかく数を揃えることが必要なことがありますから、まずは制服店に入れるのが經紀人の常套手段です。

制服店は秀舞のあと不回穿ですから、女の子も抵抗感があるのですが、禮服店は大框されてSがないと客がつかないことや酒が飲めて会話もうまく客扱いが慣れていないとまったく選ばれないことなどを話すとだいたいの子が制服店に勤めることに気持ちが傾くと言われています。

事実、禮服店は日式のクラブとやや似ていて、客人も一夜の相手を捜しに来る傾向が強いので、それよりは包廂で面白おかしくすごす制服店の方がある意味、気楽なことも事実です。制服店の場合は女の子も客人を拒否することができますが、禮服店の場合は包廂ではまず、拒否するような要素が発生しないため、大框されて出場してから、女の子と客人の世界になるため、かけひきにたけていないと厳しいとも言えます。

また、Vickyは必ず、制服店の服務内容を詳しく語ることはなく、最初は「こんなに儲るんだ」という1節120元~130元もらえるという話を繰り返し、一月でうまくいけば5~10萬元ぐらいの収入になることを繰り返し話していきますから、やはり女の子たちもすぐにその気になっちゃいますね。その時も「恩、恩」(うん、うん)と頷きながら、だんだんと2人の子が前向きになっていく様子がとてもよくわかりました。

Vickyがいつも使っている説明のカードのようなものがあって、それを少し紹介します。基本的に服務のことは詳しく書かれておらず、給料と態度のことを多く書いているのが特徴です。いわゆるもうかる話とビジネスに向き合う態度がほとんどであり、女の子の意欲をそがないようにして話を勧めていくつくりになっています。このあたりの話の展開は、うまく人間の心理を応用しながらの形になっています。

1 これは台中にある誰でも知っている酒店「金錢豹」の小姐が多くの金を稼ぎ、金持ちになったという話。
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2 經紀人が女の子の立場にたった紹介や労働条件で契約しているという誠意ある仕事をしていることの紹介。
職務方針

3 酒店における基本的な身なりや態度などをまとめたもの。
容姿端麗

4 酒店における客人の接遇のコツについてまとめたもの。
話術
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5 酒店における心がけと業績があがらない、不人気小姐は淘汰されることなどをまとめたもの。
説話

7 最後に紹介できる酒店の名前 制服店→禮服店→便服店という順にちゃんとなっています。
店名

面接の内容は極めて興味深く、だいたい1時間ぐらいだったと思いますが、すっかり彼女たちはやる気満々になっていました。私は相槌を打つ程度でしたが、彼女たちに安心感を少しは持たせられかもしれません。

彼女たちはVickyの話の後、すぐに契約書にサイン、捺印をしました。そして、彼女たちを今から制服店に連れていくということになり、私も一緒に行くことになりました。これから、どのような展開になるか、まったくわかりませんでしたが、乗りかかった船ですから、ここはとことん状況を見るかという気持ちになり、私とVicky,そして2人の女子大生は長春路を気持ちの良い夜風の中、歩き始めました。

八大行業

7月初旬の夕方、私はいつもの中山北路にある國賓大飯店の前のMr.BrownにVickyといました。彼女はカフェと煙草が大好きで、コーヒーを1日に何杯も飲むのが、南米に駐在していた頃から習慣になった私ともそんなところで波長があいました。

いつもながらにジーンスにタンクトップ。痩身でおしゃれな彼女はいつも淡妝(薄化粧のこと)ですが、聡明な美人という感じで、彼女と一緒にいる時間は私にとって悪くはありませんでした。午場の女性幹部Kittyも元制服店の公關だっただけに可愛らしい女性で、一緒にバイクに乗って行動するのが楽しかったのですが、行動的な彼女とはちがい、Vickyには落ち着いた大人の女性の魅力がありました。

この日、Vickyとは6月末に酒店をあっという間に必要最低額だけを稼いで、酒店を去った蔓蔓のこと、そして4月15日、5月15日、6月15日と3度のすっぽかしをし続けている加菲のことが話題でした。加菲はVickyが予定通り、外事警察に相談したのですが、事件ではない、相談事の指導ですから、その動きは遅く、6月初旬になって加菲に連絡したようです。加菲は約束の日が近づくと私とVickyに必ず、行くからと返信の簡訊をいつもよこすのですが、実際に姿を現すことはなく、いつも直前か、直後に急用で行けなくなったというのが常套手段でした。こちらが連絡をとっても電話に出ることはなく、簡訊を送っても都合の良いことしか返信がきませんでした。

「XX先生我真的很抱歉。
因為我離開了酒店的工作、所以我放棄大學入學的機會。
現在都在找工作、可是我有我的困難。再次聲明我會努力的」

(XXさん本当にごめんなさい。私は酒店の仕事をやめたから、大学に入学することもやめたんだ。今、私は仕事を探しているんだけど、私にとっては困難なこと。次こそは、しっかりと返事できるようにがんばることができるから)

といった簡訊が多く、彼女が姿を現して、実際に私たちは話して欲しかったのですが、彼女は逃げてばかりでした。住所も知っているのですが、Vickyもあわれな加菲をそこまで追い込むつもりは毛頭無く、それよりも加菲の不誠実な態度の方が気に入らない様子でした。しかし、結論はとにかく、加菲を待ち続けようというものでした。Vickyの考えはいつもながらに立派でした。

「捉住她的簡單。可是,她沒相信人。因為自己即使不被信也不在乎。所以必須,告訴我們相信她是重要。因為讓她明白想貫徹始終,相信她的」

(加菲をつかまえることは簡単だよ。だけど、彼女は人を信じていない。なぜならば自分が信用されなくても平気だからね。だから、私たちが彼女に信用することの大切さを教えなければならない。徹底して私たちが彼女を信じていることをわからせたいんだ)

Vickyはいつも自分がかかわった子たちの人生の成功を導くように指導しているというのが信条でした。なぜならば酒店小姐のような仕事は若くて可愛い時だけの4~5年ぐらいが華で、あとは老いていくだけの自分と向き合っていかないといけないし、人生は圧倒的にそちらの方が長いことをよく理解していたからです。酒店小姐は所詮、若いうちだけできる仕事であり、その間に彼女は長い将来の人生設計を考えるクセをつけさせたいといつも言っていました。酒店小姐の仕事に応募してくるような子はこのあたりの考えが非常に弱く、手っ取り早く、お金を手に入れたいという短絡的な考えをもっている子が多いこともよく知っていました。そして、酒店での仕事が厭になってやめた後、その教訓を自分の人生に生かすようにしたいというのがVickyの願いでした。そのこともあって、面倒見がいいという評判のVickyのところには女の子たちがたくさん集まり、それが、Vickyの酒店での立場も強くしていました。

酒店の行政たちも立場の強い經紀人から預かった女の子たちに金になると思っても無理な接客をさせることは絶対にしないので、それがまた、女の子たちが集まる原因になっていました。力のない經紀人はトラブルになっても行政や幹部たちはすぐに関係を絶っても大きなリスクがないため、預かった女の子たちに客があこぎな要求をしたり、K桌に入れたりしても知らぬふりをしていて、金を瞬間瞬間でいかに稼ぐかという考えに立っています。

従ってあわれなのは女の子たちで、強姦されたり、毒品を吸わされて輪姦されたりすることがあり、經紀人が抗議をしても気づかなかった、知らなかったで押し通してしまいます。怒った經紀人がその酒店から女の子をひきあげても、そんなに人気のない子をひとりふたり引き上げられたところで、200人近い公關がいる酒店のビジネスの大勢には影響がないのが実際のところなので、かまいもしません。信用をなくした經紀人は契約していた女の子たちにも力がない經紀人と見切りを付けられるため、さんざんな末路となっていきます。従って、酒店の中で力をもつことは經紀人にとっては極めて大切なことです。Vickyはそんな海千山千の世界の中で彼女の聡明な戦術を駆使しながら、有力な幹部たちとの関係を強め、酒店でのポジションを高めることに成功していました。

彼女は機会があるたびにこのような酒店の裏側にあるさまざまな仕掛けやからくりを教えてくれました。一番、私が驚いたのは、私が2010年に当時、使っていた幹部と会計の際に節数が合わなくて抗議したところ、彼女が酒店の控台をするいろいろなスタッフルームに連れて行ってくれて、モニターを見せてくれたことです。

酒店には多くのカメラがあって、警察の臨検を防ぐための入口はもちろんのこと、大廳や包廂に続く各ブロックの廊下にもカメラがついていることに私は驚きを隠せませんでした。モニターが30画面はあって、すべてHDで録画しています。従って、小姐が包廂に入る時間と出る時間が映像を見ればわかるようになっていて、その時も一緒に確認をしてくれました。実際には2分、公司の行政と幹部の時間測定が異なっていて、私の方が正しかったのですが、そのことよりもその仕組みの方が印象に残っています。

Vickyはこの時に、コーヒーを飲みながら台湾の風俗営業法にあたる八大行業法について詳しく教えてくれました。法律的な問題は極めて重要であるというのがVickyの持論で、彼女は夜の世界でも、法的根拠に基づいて問題を対処するように心がけていました。女の子たちがFacebookなどで「我做八大」などと自分の仕事を紹介することがよくありますが、「八大」は台湾の夜の世界では極めて重要なキーワードと言えます。


.一般俗稱之「八大行業」,
指依「臺北市舞廳舞場酒家酒吧及特種咖啡茶室管理自治條例」
管理之舞廳業、舞場業、酒家業、酒吧業、特種咖啡茶室業、視聽歌唱業、理容業及三溫暖業

(1)舞廳業:指提供場所,備有舞伴供不特定人跳舞之商業。
(2)舞場業:指提供場所,不備舞伴供不特定人跳舞之商業。
(3)酒家業:指提供場所,供應酒、菜、或其他飲食物,並備有陪侍服務之商業。
(4)酒吧業:指提供場所,備有服務生陪侍,供應酒類、飲料之商業。
(5)特種咖啡茶室業:指提供場所,備有服務生陪侍,供應飲料之商業。
(6)視聽歌唱業:指設置包廂或提供投幣、刷卡等伴唱視聽設備,供人歌唱之商業。
(7)理容業:指將營業場所加以區隔或包廂式經營為人理容之觀光理髮或視聽理容之商業。
(8)三溫暖業:指提供冷、熱水池、蒸烤設備,供人沐浴之商業。

法令規定

1 未滿18歲者無家長陪同不得涉足八大行業場所
2 未滿18歲更不得從事八大行業、若滿18歲未滿20歲者需家長同意、才可從事相關工作


従って、これらの業種をまとめて「八大」と言っています。日式の店がこの八大行業法に基づいて届けをきちんと出してやっているかというと、そうではないとこころも結構多いはずです。手続きは簡単ではなく、また、審査や税金の取り扱いなども異なりますから、一般の飲食業で開店しているところも多いとママさんたちから風の噂で聞いています。

大酒店は、公司組織ですから、きちんとこの届けを出して営業許可をとり、店を出しています。従って、一定の社会的法的立場はきちんとしているというのが、実際のところです。ただし、店自体は許可をされていても包廂の中で違法なことをしていないかどうかというポイントがもうひとつあって、基本的に性的な服務は法律上禁止されていますから、そこに警察が臨検や摘発をする要素が潜んでいます。また、Kなどの毒品の使用や18歳未満の少女の雇用や客の出入りも厳しく処罰されますから、酒店にかかわる人の年齢確認も重要で、時折、18歳未満の少女の打工や就業が見つかって事件になることがあります。ただし、日本とちがって、高中生であっても年齢が18歳以上ならば問題はないし、高中は落第もあり、休学や退学してからの再入学などもありますから、19歳で高中2年級などという子も結構いたりしますので、驚きます。

Vickyは最後に私に言いました。

「目前已經開始暑假。我有很多年輕的小姐。大学和高中的女生很多。你期待的。我介紹你好的新鮮人」

(現在、夏休みがもう始まってるね。私はたくさんの若い子を担当しているよ。大学生や高中生がたくさんいる。期待してね、いい新鮮な子を紹介するから)

彼女の言葉の通り、私は7月下旬に私の大きな決心が必要となる運命の子とついに出逢うことになるのです。

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加菲、Vicky、そして麥當勞

3月29日、加菲から突然、私の小機に簡訊が届きました。彼女が嘘をつき、經紀人のVickyに一喝された最後の10分以来、彼女とは会っていませんでした。しかし、酒店に新たな副店長が来て、35節以下の公關一覧には加菲の名前が掲載されていて、もうここでは続けられないだろうとは思っていました。基本的にほとんど社会性がなく、人とうまくかかわれないところがある加菲の性格ではこのようなサービス業自体続けていくことが無理でした。 きっとクビを言い渡されたのでしょう。

「XX先生、這是我求你幫助最後一次、好不好。
拜託 拜託 !但是請不要和幹部、經紀人!好嗎? 拜託! 」

XXさん、私は最後にもう一度だけ私を助けて欲しいことがあるの、いい?
お願いお願い!但し、幹部と經紀人には話さないで!大丈夫?お願い!

私はすぐに加菲に電話をしました。酒店をクビになり、4月15日に返す最初の返金を待って欲しいとの頼みかと思っていました。しかし、内容は違っていました。彼女は酒店に入る際も經紀人に前金(バンス)をもらっており、その額は6万元。しかし、まだ、全部返すことができておらず、1万5千元の借りが残っていたのです。それを返さない限りは、今の酒店がクビになっても新たな酒店で働かなければならず、經紀人との契約が未履行となり、多額の違約金を支払うことになるという事情でした。従って、その1万5千元を立て替えて欲しいという話でした。

私は、しかし、嘘を最後に言ってまで酒店の勤めを逃れようとした加菲を信用することはできませんでした。彼女にはその事を伝え、加菲が誠意を見せない限り、再び信用することはできないし、助けることができないと話しました。彼女は「没關係」と言って最後に電話を切ってしまいました。4月15日の返金の約束を彼女はどうするのだろう?と思っていました。返金されるされないということよりも彼女の今後の人生への向き合い方や人との関わり方の方が気になりました。それは加菲があまりにも社会的に未熟だったからです。

その後、しばらく経った4月8日、加菲からのE-mailが突然、届きました。最初にお金を返すと彼女が約束した4月15日まであと一週間でした。

「XX先生你好!
我是XX。今天我是要向你說明。
我已離開了○○○。
我現在正在找白天的工作。
關於醫藥費的欠款、我想等白天的工作找到我在環錢可以嗎?
其實我知道你已經不像最初那像的喜歡。
我現在寶貝已回到○○○。我想她才是你最喜歡的。
現在我只希望你能好好的照顧你的身體。
你跟我說過的話我會永遠記在心理。
我也會好好的保持我的信用。
再來。謝謝你幫助過我。XX」

XXさん、こんにちは。 
私はXX(加菲の本名)だよ。今日、私はあなたに話しておかなければならないことがあるんだ。
私はすでに○○○(酒店の名前)をやめました。
私は今、昼間の仕事を探しているところです。
医療費に関係する借金、私が昼間の仕事を見つけるまで返金を持ってもらいたいんだ。
実は私はあなたがすでに最初私を好きだったときとちがうように思っていることを知っているよ。
現在、 寶貝も○○○に戻ってきた。私が思うに彼女こそ、あなたが一番好きな子だ。
現在、私はただ、あなたが自分の体を大切にしてくれることだけを望んでいる。
あなたと私が話したことは私の心の中に永遠に記憶されているよ。
私もとても私の信用を維持していくことができるから。
さようなら。私を助けてくれてありがとう。XX(彼女の本名)

E-mailを受け取った私は加菲はもう、私と一切、逢わないようにするつもりだと思いました。それと2月に酒店を去っていた寶貝が、また戻ってきていたことも知りませんでした。震洲に訊ねたところ、実際には寶貝は戻ってきておらず、私が加菲と逢うきっかけとなった寶貝の名前を彼女は覚えていて、そちらに気をそらそうとする嘘でした。

私は經紀人のVickyにもすぐに連絡をとりましたが、やはり彼女はバンスの未返還金分を支払っておらず、Vickyも加菲を追っていました。予想通り、酒店の業績が加菲は1日平均30節にも満たず、2週間続けて業績を落とした彼女は「やる気がない」公關としてクビを酒店公司から言い渡されていました。

実際には新たに来た副店長は極めて人心掌握にたけており、聡明でしたから、35節を2週続けて切っている公關も前週よりも1節でも業績を上げていればクビにはしていませんでした。すなわち、前週が25節でピンチであることを女の子たちが認識して、少なくとも上班する日数や時間を延ばせば、少しは業績が伸びる可能性が高く、次の週に30節であったとしてもその努力を認め、酒店に留まらせていたのです。当然、クビと思っていた女の子たちはそこで感謝の気持ちをもち、「がんばれば店においてもらえるんだ」という気持ちをもたせ、やる気を引き出していたのです。しかし、加菲はそれにさえ気づかず、自分の立場が職を失うピンチであるという土俵際であることにもわからず、ずるずると業績を落としていったのです。

身分證のコピーを私は持っていて加菲の住所もわかっていましたが、Vickyと錦州路の麥當勞で逢い、これからの加菲の処遇を相談することにしました。Vickyは人格者であり、バンスの返金よりも私と同じで彼女のその場しのぎの嘘やごまかし、すぐに逃避しようとする彼女の姿勢に大きな課題を見いだしていました。努力して困難に打ち勝とうとする姿勢が極端になく、その資質を培わない限り、彼女はどこへ行っても信用されず、失敗していくだろうという考え方は私とまったく同じでした。 

とりあえず、返金の約束をした4月15日の夜11時に錦州路の麥當勞で待っているという簡訊を送ったものの、まったく返信もなく、電話にもでません。經紀人のVickyと4月15日の夜10時30分に麥當勞で待ち合わせ、加菲を待ちましたが、結局、Vickyと予想した通り、彼女は約束の時間になっても現れず、連絡もありませんでした。12時頃までVickyと麥當勞でゆっくりと話をしたのですが、そこで彼女は驚くべき提案を私にしました。それは夜の世界の少し非合法なやり方をとるであろうと思っていた私には衝撃でした。

「你協商跟外事警察比較好」(外事警察に相談するのがいいよ)

私は特に返金にはこだわっていなかったので、Vickyにそこまではというような話をしました。しかし、彼女は冷静でした。すなわち、この程度ならば、普通の警察や裁判所は真剣に取り組まないから、外国人でよくわけがわからなかったからということで相談すれば良いと言うのです。それは事件ではなく、相談だから彼女が逮捕されるようなことには絶対にならないし、外事警察は加菲を指導して約束を守るように促すだけだからと言いました。Vickyは仮にも娯楽公司というれっきとしたいわゆる娯楽関係のマネージメントを取り扱う企業の社員でしたから、私が連絡してあなたの名前を出さずに私の顧客の外国人が困っているという形の相談にすれば問題ないと話しました。さらに外事警察は彼女にその相談が嘘か本当かの確かめの連絡を加菲にするはずだから、効果覿面と言いました。彼女は社会的なことや手続きがよくわからないから、確かめの電話があっただけできっとびっくりして指導に従うよと笑っていました。特に彼女の家は信用破産を家族全員がしているから、そのような連絡にはとても弱いはずとも踏んでいたのです。多分、私が思うにこのようなことは山ほどあってVickyはそのあたりの見通しが持てたのでしょう。 

Vickyが繰り返し強調したのは、「加菲を預かった者の責任として、しっかりと社会でやっていけるようにする」という信念でした。だから、彼女は私に対して「お金がもどらない可能性も高いから、その時はあきらめて」と繰り返し強調しました。しかし、お金がどうせ戻らないなら加菲を放置してもいいかというと私たちはそれではいけない、あなたはしっかりとした人間だから一緒に手伝って欲しいとも言いました。お金を戻すことよりも加菲を真人間にして過ちを繰り返さないようにすることこそが彼女にかかわった私たちの役割と私に説明をしました。

そして、4月15日夜のこのVickyの提案を私は受け入れることにしました。それは加菲のためでもあったのですが、もうひとつ大きな理由は私がVickyの姿勢に感銘を受けたからです。いろいろな女の子を相手にしている彼女のポリシーはいつもまっすぐで揺らぐことがありませんでした。私より遙かに年下なのですが、彼女の言葉にはいつも意味があり、重みがありました。それは表現しにくいのですが、「折れない気持ち」というか「揺るぎない信念」というか、そんな透き通った、澄み切った強い気持ちに裏打ちされていたからだと思っています。

麥當勞をVickyとともに出るとそこにはいつものような喧噪がありました。
放っておいてもいい加菲のことを真剣に心配している人がいる。それは加菲にとっても幸せなことだと私は思いました。
Vickyの言葉は時として魔法のような力があります。彼女は夜の世界のまぎれもない住人。
しかし、きっとそこには「迷人的危險」があり、それが私を魅了していたのでしょう。



 前章で貼った画像と同じ酒店の大廳です。実は酒店にはそれぞれ系列があって、酒店公司が制服店、禮服店などを同時に経営していて、系列の中でアメーバーのように店の様態を変化させ、女の子たちの移動もしています。この酒店は以前は京天地という制服店、その後、晶華という禮服店でした。京天地の公關の子たちは禮服店に変わった時に系列の幻想的な包廂のある制服店に移っていて、その時期はすごい数の公關がその店にはいて、女の子を選ぶ選択肢が極めて豊富でした。スタッフと親しくしているとそのような店の改変の情報を事前に得ることができて、良い時期を逃さずに行くことができます。

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 なお、ブログの記事に関係ある画像を貼っていきますが、絶対に撮影は禁止ですので、ご注意ください。これらの写真は酒店のスタッフや幹部が撮影し、私に提供してくれている特別なものばかりです。また、画像の無断使用や流用については絶対に禁止です。ご理解をよろしくお願いします。 

錦洲領檯側拍圖  8

錦洲領檯側拍圖  5

錦洲領檯側拍圖  6

錦洲領檯側拍圖  7

我們的決心

次の日の朝、加菲からE-mailが届いていました。

昨日の10分を最後に私は加菲とE-mailでやりとりしながら、月に1~2回、麥當勞で週末に逢い、話をするという展開になっていきました。なぜならば、彼女は酒店をやめることを決心し、そして4月初旬に実際に酒店から離れたからです。

XX先生
請你大框真的對不起、因為誤會所以我的心情不開心。
因為我想經紀人不相信我、所以我想請你停止援助我。
你的好意我很感謝,但是我想這是我自己該努力。
Vicky的事我不想要再去辯解了、誤會就誤會了。相不相信我,已經不重要了。
我也不想再解釋了。
如果你不想相信我沒關係、因為我是酒店小姐本來就不應該相信的。
3月31號前、我會把欠款全部還清。
信賴是重要的我知道、很多事情我不知道該怎麼解釋。
昨天很高興你再次相信我。
但是我知道經紀人不相信我。所以我只信你、因為我把你當成爸爸。
我知道你一直在教導我社會上的信用。
這些我都了解、從今後我會努力做到XX先生的期望。
再次謝謝XX先生的幫忙。
我想明天、我可以自己努力上檯!

昨天你是否跟Vicky說我和你說的事?
我和你說的事是我們的秘密、怎麼你說出去了呢?
昨天我遇到Vicky跟我說你有和她說。
我希望我和你說的話都是我們的秘密。
我不想讓經紀人知道因為她不信任我
所以我不想讓她不知道我太多事情、這是我們的約定可以嗎?
還有我想離開酒店。
恢復白天的工作我想趕快努力上班還清、所以我想剩餘15000元可以遲些在環給你嗎?
因為我想趕快離開酒店、可以嗎?

XXさんへ。大框をお願いしたことは本当にごめんなさい。
なぜならば誤解があるし、だから私の心はアンハッピーなんだよ。
私の經紀人は私を信じていない。だから私もあなたが私を援助することをやめて欲しいと思っている。
あなたの好意に対して私はとっても感謝している。但し、私は自分で努力していきたいと思っている。
Vickyのことについて私は再び、弁解しに行こうとは思っていないよ。
誤解は誤解だし、私を信じようが信じまいが、すでにそんなことは重要ではなくなっているから。
私も言い訳をしたくないの。
もし、あなたが私を信じたくないなら私はかまわないよ。
だって私は酒店の小姐だし、本来、たぶん、信じるべきではない人間だ。
信頼が最も重要であることを私はわかっているよ。
でもとても信頼という言葉には多くの意味が含まれていて、私にはどのように解釈していいかわからない。
昨日、あなたがもう一度、私を信じてくれたことはうれしかった。
但し、私の經紀人は私を信じていないことはわかった。
だから私はあなただけを信じるから。なぜならあなたは私のお父さんのような存在だからね。
私はあなたがずっと私に社会的信用のことを教えてくれていたことはよくわかっている。
このようなことはすべて理解しているし、これからは私もXXさんの期待に応えられるように努力できるから。
もう一度、言うね。ありがとうXXさん、私を助けてくれて。
私は明日、自分の努力で包廂でがんばって仕事することができるからね!
 
それと昨日私とあなたが話した内容はVickyに全部話していない?
私とあなたが話したことはすべて秘密にしたかったのに、どうして彼女に話したの?
昨日、Vickyに逢った時、私とあなたが話した内容を彼女に話していたことがわかったよ。
私は私とあなたが話した内容については全部、秘密にして欲しいの。
私は彼女に知られたくないの。 なぜなら、 彼女は私を信じていないからね。
私の多くの事情を彼女には知られたくないんだ。これは私たちの約束だよ、できる?
それと私は酒店をもうやめたいと思っている。
昼間の仕事に戻るから、私はがんばって酒店の仕事に出て借りているお金を全部返したいの。
だから經紀公司に借りているバンスが15000元あって、これを先に返したい。
だからあなたにお金を返すのが少し遅れるけど、いいかな?
なぜなら、私は一刻も早く、酒店をやめたいんだ、待ってくれる?

加菲からのE-mailを読んで、私も決心しました。

この社会的に未熟な少女を突き放したVickyも立派でしたが、加菲はその深意がわかっていないばかりか、また、逃げ出すことを考えていました。Vickyのあの凛とした姿勢を見た私は、私自身が彼女に教えていこうと思いました。手はかかるだろうけど、貸したお母さんの治療費を少しずつでも返すことを通じて、信用を守ること、好意をもって接してくれた人を裏切らない気持ちを彼女につくっていきたいなと思いました。

人を信じない者は結局、人に信じられません。

私は酒店小姐だから、私なんかを信じても信じなくてもいいという彼女の考え方がとても厭でした。私は、彼女をとことん、信じていこうと決めたのです。それが何年後に25000元完済することになったとしても、彼女がそれを果たすまで向き合っていこうと決めていました。人に信じてもらえることのありがたさ、そして見守ってくれるありがたさを加菲には教えたかったのです。

私も長い返信をしました。

你好、XX。
你沒信賴經紀人的事很明白。
我今後跟你的話全部秘密。你也請對Vicky不說跟我的事。不談我對Vicky與你也說了的事。
你早點離開○○○,我也贊成。
我想希望不是○○○的加菲,對社會地有信用的XX變得早。
能等還欠債變得慢我。但、像稍微也能還錢如果1000元2000元就還一樣地請努力。
我想希望學習不是錢的問題、好好地期限那樣還錢的事重要。
我信賴你。我對經紀人不說跟你的事。因此,你也請對我平時說真的心情。
並且請別背叛。這是跟我和你約定。
你4月離開○○○嗎?
從此後開始,真的我和你的信賴被試驗。
我想提供的機會知道對你各種各樣的經驗和社會的事。
說到原因,像我女兒一樣地牽掛你。
你如果信賴我,我也就信賴你。

こんにちは、XX(彼女の本名)。
僕は加菲が經紀人を信頼していないことはよくわかった。
今後、加菲と話した内容はすべて秘密にするよ。加菲もVickyに僕と話をしていることをいわないようにね。
僕も加菲と話をしていることはVickyには話さないから。
 加菲が○○○(酒店の名前)を早くやめるのは僕もとても賛成するよ。
僕は○○○の加菲ではなくて、社会的に信用のあるXX(彼女の本名)に早く変われることを望んでいるから。
僕はお金を返すのをゆっくり待つことはできる。 
ただし、1000元でも2000元でもとにかく少しでも返せるときに返していく努力をすること。 
これはお金を返してもらうということよりも加菲に社会的信用をつくることを学んでほしいからだよ。
このように期限をできる限り守りながら、少しでもお金を返していくことはとても重要だということを学んで欲しいんだ。
僕も加菲を信頼する。
僕が經紀人に加菲と話した内容を話さないのは、僕も加菲が本当に落ち着いた気持ちでいつもいて欲しいからと思っているからだよ。 
それと裏切ったりしないこと。これは僕と加菲の約束だ。
加菲は4月に○○○をやめるんだろ?
その後、本当に僕と加菲が信頼し合えるかどうかが試されていくんだ。
僕も加菲に対して僕のいろいろな経験や実社会の仕組みをわかっていけるような機会を提供したいと思っている。
なぜならば、加菲を僕の実の娘のように気にかけていきたいとも思っているからね。
もし加菲が僕を信頼してくれるならば、僕も加菲を信頼するよ。


実社会でまともに働いたことがほとんどない加菲をきちんとした社会人にしていくこと。それが自らを犠牲にして加菲に恨まれながらもきちんと言うべきことを言ってくれたVickyの本当の愛情や思いを大切にしていくことと私は考えていました。

日本人である私が台湾人である加菲に対して台湾社会で将来にわたってしっかりとやっていける基礎をつくっていくことは簡単ではないことは理解していました。しかし、世界中どんな国においても誠実に真摯に向き合っていくことが必ずや人間社会の中で成果を上げていく確実な方法であることを加菲を信じながら伝えていこうと私自身も強い決心をしたのです。

 画像はある制服店で包廂の外で並ぶ空枱の様子です。彼女たちは当然、いろいろな理由があって酒店に勤めていますが、選ばれた時にとても喜んで座る子と不機嫌そうな顔をして座る子がいます。後者の場合は、自分ができれば避けたいなと思っているようなタイプの客に選ばれてしまった場合です。このような場合では、わざと女の子も態度を悪くして、客が換小姐するようにもっていく子が多いです。加菲は可愛いので、いつもすぐに選ばれていましたが、実際にはどの客にも心を開くことができず、結局1~2ヶ月いただけで下檔していきました。

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酒店就像社會小縮影

加菲に大框を頼まれたものの、それを断った私に対してEーmailはパタッと来なくなりました。加菲は本当に社会的に未熟でした。私が助けてあげなかったこと、甘えを許さなかったことに対して、きっと自分でもこれからどう私と向き合って行けばよいかわからなかったのでしょう。私も彼女からの連絡を待つことにしました。こちらからは決して連絡することなく、彼女がどう考え、どう私との約束を果たしていくのかを見守ることにしました。

私は、絶対に彼女は連絡してくるはずだと踏んでいました。非常に可愛い子なのですが、心を開かず、服務の態度もよくない加菲を助けるような客は現れないと踏んでいたからです。制服店に来る台湾人の多くは、酒をしこたま飲んで騒ぎまくることが多く、それにあわせられる小姐を好みます。 くどくような場合や1對1を好む客はどちらかというと禮服店や便服店に行く傾向が強く、制服店には余り来ない場合が多いからです。明るくパッと大勢ではしゃげるような子が制服店では人気がありますが、加菲はまったく、そのような要素がなかったため、最初は選ばれても換小姐(卡枱)されることも多かったからです。

案の定、一週間ぐらい経った頃、加菲から簡訊が来ました。

「我媽媽已經變成精神的。目前我不要照顧。真的抱歉困擾到了。但我有個小要求、今天你可以找我嗎?我等等你過來」

(私のママはすでに元気になったよ。今は世話をする必要がなくなった。本当に困らせてごめんなさい。 但し、私はちょっとお願いがあるの。今日は私を捜してくれることができる?私はあなたが来るのを待っているからね)

私は行くことを約束しました。加菲と逢って、彼女に嘘をつくことや苦しいことから安易に逃げようとすることをすればますます自分の首をしめることを話しておかないと、将来、彼女も家族と同じように信用を社会から失うと思ったからです。しかし、加菲がどう、反応するのか、一抹の不安もありました。そこで、私は經紀人のVickyに連絡をとり、現在の状況の一部始終について、簡訊を書いて送りました。多くの小姐の面倒を見てきた彼女の助けがいると思いましたし、聡明な彼女ならば、加菲にわからせることができると思ったからです。Vickyは以前の蔓蔓の下檔(酒店をやめること)の時以来、極めて真摯な態度で物事に対処することを私は知っていましたから、彼女がどう対処するかも見たかったこともありました。
Vickyは「了承的」と返信をくれ、夜の10時に加菲を預點することを確認しました。

夜10時少し前に私は、震洲とともに酒店に入り、包廂で一人待っていると、Vickyが現れました。そして2人で上班する加菲を待っていましたが、10時10分頃に加菲が行政に手をひかれ姿を現しました。加菲は、まず、なぜ、自分の經紀人がいるのか、すごくとまどいと驚きが入り混じった表情を見せました。

「為什麼?」(どうして?) それが彼女が発した第一声でした。

「因為你説謊、你騙他。加菲、你不好人的!我們的生意才信用是最重要的。如果你有辛苦在上枱的時候的話、當然你自己努力解決比較好。我知道你家人没有工作、所以你在那個店。不過我不要騙子、我不教導説謊。酒店的人都是形形色色、酒店就像社會小縮影。能相信的自己、牽渉到金錢與情感的事情都是各説各話、我是不偸不搶、自己賺錢。以後別騙客人!加菲、了承嗎?」

(なぜならば、お前は嘘を言って、彼を騙したからだよ。加菲、お前は良くない人間だ!私たちのビジネスは信用こそ最も重要なんだよ。もし仕事をするのが大変だったら、当然、自分で努力して解決しなさいよ。私はお前の家族が仕事がないのを知っているし、だから、お前がここで働いているのもわかっている。しかし、私は嘘つきはいらない、嘘をつくことも教えていない。酒店の客は本当に様々で、酒店は社会の縮図だ。だから、ここでは自分しか信じることができないんだよ。お金をもってくるのと感情はすべて別々の話だ。 私はお金を盗んだり、奪い取ったりはしたくないと思っている。必ず、自分でお金は稼ぐ。これからは客人を騙すな!加菲、わかった?)   

Vickyはまったく遠慮などしませんでした。それが經紀人の誇り、いろいろな女の子を扱い、そして信用を築くことが客人の信用を生むことを何よりも知っている彼女の信念でした。

私は、また、Vickyに強く感銘させられました。

騙し騙されが当たり前の夜世界においては、自分を信じ、自分で自分の道を切り開いていくしかないことを彼女は加菲に言い放ったのです。Vickyの聡明さは自分の目先の利益にこだわらず、契約した女の子たちの長い人生を見ていることです。可愛い加菲を諭し、また、うまくごまかしながら気をつかってうまく働かすのかなと思っていた私は蔓蔓の時と同じように自分を恥じ入るしかありませんでした。私は、もし、Vickyが強く言わなかったら、オブラートにくるむようにうまく言葉を選びながら、加菲を説得するつもりでした。しかし、本当に強い愛情をもっているのはVickyでした。強い愛情や社会的に未熟な加菲の将来を考えているからこそ、厳しく、そして力強く心のこもった叱責ができるにちがいありません。彼女はやはり、聡明でした。

加菲は少し、悔しそうな顔をしながら、無言で立っていました。何も言葉を返しませんでした。

私は加菲に「我相信你再一次」(僕はもう一度、加菲を信じるから)とたった一言だけ言いました。
しかし、加菲は「不開心的!」と一言言い、テーブルの上にあった控機(リモコン)の服務鈴を押して行政を呼び、黙って自ら出て行ったのです。

その間、約10分。 Vickyはニッコリと笑い、「没關係」と私に言いました。

私がその日、震洲に支払った額は1節の280元と包廂の小費500元の合計780元。
現在に至るまでの支払い金額の最低がこの時です。

そして、私が加菲と酒店の包廂で会ったのは、この10分が最後となったのです。

 画像はある酒店の大廳の入口です。多くの酒店は入口に頑丈な鋼鉄製の扉があって、中はまったく見えません。また、入口には行政がいて、きちんと幹部の名前と客人の確認がとれないと絶対に入れません。しかし、その重い扉が開いた瞬間、中には深淵な世界が確かに存在し、多くの小さな物語が日々、生まれています。

 なお、ブログの記事に関係ある画像を貼っていきますが、絶対に撮影は禁止ですので、ご注意ください。これらの写真は酒店のスタッフや幹部が撮影し、私に提供してくれている特別なものばかりです。また、画像の無断使用や流用については絶対に禁止です。ご理解をよろしくお願いします。  

酒宮閣2

驚くべき光景、「開會」

蔓蔓との別れの後、あの時一緒に上枱した美少女・漩漩にもう一度、逢いたくなりました。陽気な彼女はいたずら娘の寶貝やおしゃまな可人と一緒にすぐ、楽しくできるだろうと思っていました。いつ彼女が上班するかとても気になって、幹部の震洲に簡訊を打ってもあの日以降、彼女が上班するという連絡はまったくありません。

2月下旬の木曜日の夕方、突然、Vickyから簡訊が来ました。

「今天晩上七點左右、你有空嗎?如果可以的話、你過去比較好。你會看看開會」
(今日夜の7時頃、あいてる? もしできるなら、ちょっとおいでよ。ミーティングを見せてあげる)

私はよく、意味がわかりませんでした。「開會」というのは「会を開く」という意味で、一般のビジネスでもよく使われます。しかし、何の会議なのかよくわかりませんでした。酒店の公司の經紀人たちとの経営戦略でも立てる会議なのか、幹部を集めて注意など徹底する会議なのか、詳しい説明もないのでまったく予想がつきません。しかし、ビジネスマンとして台湾ビジネスがどのように進められ、特にこのようなルールが極めてあいまいに見える夜の世界の裏側にはどのような世界があるのか、俄然、興味が湧いてきました。

仕事を急いで片付け、7時ちょっと前に首尾良く酒店の入口に到着しました。幹部の震洲にも連絡したのですが、彼は基本的に8時から仕事を始めるため、ちょっと遅れるという連絡が来ていました。まだ、酒店の入口にはカウンターも黒服のジャンパーの男もいません。エレベータのボタンがちゃんと動作するか、心配になって、下からVickyに簡訊を送ると「你到了嗎?你可以按電梯開關、過來」(ついた?エレベータのスイッチは入れてあって押せるから大丈夫。おいでよ)という返信がすぐ来ました。

3階に到着すると、いつもは酒店の入口の前に2~3人の行政がいて門番をしているのですが、その姿もありません。するとその殺風景な狭いエレベータホールの右側からひとりの男が現れました。いつもすぐに震洲と入ってしまうので気がつきませんでしたが、右側に従業員用の小さなドアがありました。

「你、XX先生嗎?」(あなたはXXさんですか?)

私は彼にそうだと答えると彼は「等一些」(ちょっと待って)と言って、その従業員用と思われるドアを開けて戻っていきました。いったい何なんだろう? Vickyの意図がわからないまま、5分ほど待っていると、そのドアからVickyが顔を出して、手招きしています。私は彼女に中に入れられ、そして、すぐに驚くべき光景を見ました。

なんと大廳には100名を超すぐらいの制服姿の公關たちがぎっしりと座っていました。中学校や高校であった全体ガイダンスのように前の方の子たちは床に座り、その他の子たちは夜市でよく座るような安っぽいプラッシックの椅子に座っています。まさに壮観でした。

「開會」とは酒店にかかわる行政や經紀人、幹部の集まりではなく、酒店の「教育經裡」と呼ばれる担当者が、彼女たちに指導、連絡などをする会合でした。Vickyの解説を聞きながら見たのですが、まず、正職の領枱、公關とも必ず、開會は全員必ず出席しなけらばならず、欠席したり、遅刻したりすると扣錢(給料から罰金としてお金を引かれること)になります。多くの酒店では第二と第四木曜日の夜7時、晩場の営業が始まる8時までの1時間を使って行われます。

そこでは公司の規定の確認から始まり、小姐の間で生じている問題(盗難やいじめ、女の子の派閥抗争など)の注意や規定違反をした小姐の名前を具体的に出して厳しく叱責し、ひどい規定違反をして解雇した小姐(例えば、Kなどの毒品の持ち込みや小姐用のトイレでの吸引、客のサイフからの金や物品の抜き取り、包廂に入らずに客を自分勝手にえり好みするなど)のやったことを話し、その小姐の名前とクビにした理由などを発表しています。

また、客への対処の仕方を事細かく指導しており、近々におきた客とのトラブル事例や危険に巻き込まれそうになった事例を紹介して、小姐のリスクマネージメントや接遇態度の向上につなげています。そして、新しい正職小姐を立たせて紹介したりもしています。

開會の時間が7時40分近くなってくると聞いている小姐もダレてきますから、だいたい最後に優秀な成績をあげた小姐の名前をあげて、ボーナスや給与の引き上げ、賞品の授与などをもってくるのが常套手段です。その瞬間、小姐からは羨望の歓声があがり、小姐のやる客や射幸心を引き上げて7時50分頃に終了というパターンです。8時から営業開始なので、彼女たちのモチベーションを上げて客のいる包廂に行かせています。

開會の内容は非公開のため、 普通は絶対に客には見せません。また、内容も秘密です。なぜならば、開會の内容で話されていることは、酒店の接遇の根幹であり、手品のタネをばらしているようなものだからです。しかし、私は細かな中国語がわからない日本人であったことが幸いし、さらに秘密を守れる信頼ある客ということでVickyと酒店の助理(秘書みたいな職)が特別に大廳の後ろの従業員用ドアの隙間から見せてくれたのです。私はとても興味深く、その進め方や内容などが日本のテレビでやっているマルチ商法やネズミ講のミーティングに手法が似ていて、うまく小姐の心理操作をしながら進めるような形はどこの国も同じなんだなと思いました。

さて、開會が終わり、私はやってきた震洲と合流して、包廂に向いました。しかし、また、ひとつ驚くことを発見しました。包廂の入口にはホワイトボートや付箋ばさみにはさまれた紙が普通は貼ってあって、そこに包廂を担当している幹部の名前、客の人数、中にいる小姐の名前が書かれています。廊下を歩いて行くとその左右にある包廂がほぼいっぱいで、開店と同時に満員に近くなっていました。

すなわち、開會のある日は、客にとっては絶好の日というわけです。8時には正職の子が全員そろい、上班が100人以上になりますから、正職の女の子をたくさん見ることが一番できる日なのです。そのため、客足が極めて早い日ということになります。

一般に酒店の楽しみのひとつに「たくさんいる女の子から好みのタイプを捜して選ぶ」要素が大きいと言われています。また、より多くの子を並べて比較して見ることで顔やスタイルなどの相対評価をすることができ、選択肢がこの開會のある日は一番広がることもあって、とても混雑しています。行くのに良い日かどうかは諸説あって、客が多くて結局、意味がないという通の人もいますが、確率的には確かにいろいろなタイプの女の子と出会える可能性があるので悪くはないと思っています。

小姐を選ぶことを「挑選」と独特の言葉で言いますが、この「挑」という言葉にはたくさん泳いでいる魚から1匹を釣り上げるといったような意味があります。魚釣りと同じように釣った魚よりも釣ること自体を楽しむ傾向の客もたくさんいて、そのような客はこの開會の日に多く、次から次へと換枱(卡枱)して女の子を入れ替えていきます。開會の日はとにかく数いますから、そのような趣向の客にはこたえられない日というわけです。

ちなみに台湾のスラングでは援助交際などをする素人女性たちを一般に「魚」と言っていて、その情報を「魚訊」などと言っており、プロの女性は「茶」というスラングを用いることが多いです。一般の社会人にとってはまったく関係がない隠語であるため、風俗産業の規制が厳しい台湾においてはこのような形で情報交換されていることが多いです。

私はこのようなことには、まったく関係したことはありませんが、經紀人のVickyや幹部の震洲はとてもこのあたりの事情や裏世界の情報に詳しく、いつも、私に先回りして教えてくれていました。いつも興味本位で危ない橋を絶対に渡らないように言われていて、外国人だからトラブルになったら一筋縄では切り抜けられないとアドバイスしてくれていました。本当に外国人である私にとっては強い強い味方でした。

包廂に入った私は震洲にあの絶世の美少女、漩漩はどうなっているのか、聞きました。
そこで震洲はやっと重い口を開きました。実は彼女には大きな秘密があったのです。

 画像はある制服店の開會の様子です。 すべての正職の小姐が一同に揃うのは月に2回しかありません。絶対に一般に人は見ることができず、もしかしたら日本人で見たのは私ぐらいかななんて思っています。

 なお、ブログの記事に関係ある画像を貼っていきますが、絶対に撮影は禁止ですので、ご注意ください。これらの写真は酒店のスタッフや幹部が撮影し、私に提供してくれている特別なものばかりです。また、画像の無断使用や流用については絶対に禁止です。ご理解をよろしくお願いします。    

開會2

 開會1

2人だけのスタンディングオベーション

今日、私が家に帰った後の出来事を聞いた私は、Vickyに訊ねました。

「為什麼你打電話給我?我是只日本人客人。今天我見到蔓蔓第一次。為什麼你選擇我?」
(どうしてVickyは僕に電話したの? 僕はただの日本人客だ。それに今日、蔓蔓に初めて逢ったばかりの僕をどうして選んだの?)

それはVickyの經紀人としての誇り、聡明さ、そして本当のやさしさが詰まった言葉でした。

「我已經馬上決定蔓蔓下檔了。她很可愛而且她有好的心。如果她繼續那工作的話、 應該很多客人找她、她獲得人氣。好的小姐是我們的寶石。可是就她們的人生比較重要。今天她遇到壊壊人。所以她好傷心好絶望。 她有上班只兩天。 不過都客人都不好是錯了的、也有好的客人、還有幾位客人有誠心。最後的時候才我想我給她美好的回憶、你是她的對的人、所以我不迷惑選擇你・・・・」

( 私はもうすでにすぐ蔓蔓をやめさせることを決めたよ。彼女はとても可愛いし、その上、性格もいい。もしこの仕事を続けるならば、たぶん多くの客は彼女を捜し、彼女は大きな人気を得るでしょう。とても良い子は私たちの宝石だ。しかし、彼女たちの人生の方がより重要なんだよ。今日、彼女はとても悪い奴らに遭遇してしまった。だから彼女の心は大きく傷つき、絶望でいっぱいだと思う。彼女はたった2日間だけしか働いていない。しかし、すべての客がすべて良くないというのは間違っている。良い客もいるし、誠実な心をもった客だって何人かはいるんだ。最後に私は彼女に良い思い出をあげて終わりにしたかったんだ。あなたは正しい人だよ。だから、私は迷うことなくあなたを選んだんだ・・・・)

私は彼女がゆっくりとポツリポツリと話す言葉に胸が震えました。なぜなら、このような夜の世界の住人たちは女の子がビジネスの道具であり、彼女たちの人生よりも金儲けを優先する人間が多いと思っていたからです。だから当然、Vickyは私を呼んで、彼女をなだめさせてこの仕事に留まらせる手伝いをさせるとばかり思っていました。

しかし、それはとても彼女に失礼な考え方でした。彼女は仕事で可愛い彼女を利用して金を儲けるより、彼女の人生を考え、そして、最後に厭な想い出ではなく、良い想い出でこの仕事を終わらせるために、辛いことがあっても、そればかりではなく、いいことや助ける人が現れることを教えて、彼女をこの仕事から去らせたかったのです。

私は胸が熱くなりました。そして、蔓蔓の泣き顔を見ていたら、私も不覚にも少し、涙がこぼれました。

私はVickyに今日、聞いた彼女の歌声が素晴らしかったこと、その歌声に心から魅せられたことを話しました。そして、特に最初に聞いた「對的人」は今まで聞いた歌の中で一番美しく、心に届いたとも話しました。

Vickyが蔓蔓に話しかけました。

「 蔓蔓、我還没聽你的美麗歌聲。請唱歌再一次。他是你的”對的人”。我説過跟你他必須來出現・・・」
( 蔓蔓、私はまだあなたの美しい声を聴いたことがないよ。もう一回唱って。彼はあなたの ”對的人” だから。私はあなたに話したでしょう、必ず、彼は来てくれるって・・・・)

蔓蔓は何も言わず、テーブルの上にあったKTVの控機をとり、画面を見つめ、ボタンを押しました。
そして、彼女が再び歌い出しました。

今日、2回目の 「 對的人 」 でした。

その歌声は1回目の時よりもはるかに輝きが増しているように聞えました。私は先ほどのVickyの言葉が胸に残っていたこともあって、涙がどんどん溢れてきました。なぜならば、その歌声はあまりにも透明で美しく、心の底から私を感動させてくれたからです。本当に夜明け近くの街を車をとばして逢いに来てくれるかもどうかわからない、今日逢ったばかりのただの日本人客を彼女たちは待ってくれていました。



人を信じること。人の気持ちを裏切らないこと。そんな簡単なことが本当はとても難しいことを私たちは知っています。しかし、やはり、難しくてもあきらめてはいけないし、こんな夜の遊びの世界でも信じてくれていた人たちがいました。そして、私こそ、彼女たちについつい忘れがちなその人として忘れてはならない気持ちをもう一度、気づかせてもらったのです。

彼女が唱い終わった瞬間、Vichyが立ち上がって大きな拍手をしました。私も思わず立ち上がって同じく大きな拍手をしました。たった、2人のスタンディングオベーションでしたが、その時の蔓蔓のちょっと恥ずかしそうな「謝謝」の声が今も耳に残っています。

歌い終わって、私は包廂を借りて、彼女も上枱する形になったので、Vickyに代金を払おうとしました。しかし、即座にVickyは「不要!」と答えました。そして、そのかわり、蔓蔓を下班させるので、一緒に帰って欲しいと頼まれました。私は当然、了承しました。

時間はもう朝の6時。彼女と外に出た私は、彼女がすっかり明るさを取り戻して笑顔が戻ったことに安心しました。そして、すぐに別れようと思っていたのですが、彼女が「お腹、減ったよね」というので、彼女と歩いて長春路にある24時間やっている涮涮鍋(シャブシャブのような鍋)に行くことになりました。 当然、早朝に鍋など食べる客は誰もいません。たった2人で彼女が一生懸命、作ってくれた鍋を一緒に食べ、あっという間に7時半過ぎになってしまいました。空は彼女と同様、もうすっかり明るくなって、仕事に向かう人たちが長春路を行き交い始めていました。

彼女と店を出た途端、彼女が「請告訴你的號嗎!」(電話番号教えて!)と言ってきました。私は酒店の小姐から電話番号を聞いてもいけないし、また、自分のも教えてはいけないと思っていましたので、そのことを彼女に話すと彼女はこう言いました。

「不要擔心、没關係的。我已經下檔。現在我不是酒店小姐。而已你是我的最初愛好人!」
(心配しないで、大丈夫。私はもうやめたし、今は酒店小姐じゃないよ。それにあなたは私の最初のファンなんだから!)

私は「了承的」(わかったよ)と言って彼女の差し出した小機(携帯電話)のキーを押して私の番号を入力しました。小機を彼女に返した途端、私の小機が鳴って、彼女が「我的號嗎呀」(私の電話番号だよ)と言って、私に抱きついていました。そして朝の涮涮鍋店の前だったにもかかわらず、私たちは少し長いキスをしました。彼女はちょっと恥ずかしそうにしながら、「拜拜XX先生。我們一定再見面的!」(バイバイ XXさん、私たちは必ずまた逢えるよ!)と言ったと思うともう元気に私の方を見ながら後ずさりして、歩き出しました。

夜の世界から白天の世界に戻った蔓蔓。
ちょっと寒かったけど穏やかな日差しが彼女を照らし出していました。
その温かな日差しに照らされた彼女の顔は18才の普通の少女の笑顔でした。

この時、彼女からもらった電話番号が私の初めて知った酒店小姐の電話番号でした。
そして、この蔓蔓との出逢いは強く私の心に残り、私は多くの子たちと酒店以外のところでも彼女たちとかかわりをもつようになっていきます。

時間はもう8時近くになっていました。ほとんど眠っていなくてとても疲れているはずなのに、心や気持ちはなぜかとても穏やかで、仕事に向かうその足取りも軽く、いつもの見慣れている朝の台北の風景も妙に美しく見えていました。

 中国語がたくさん出てきます。発音をカタカナでふっても良いのですが、中国語は四声という発音アクセントで意味がまったく変わるため次のHPを利用して、実際の発音をピンインで確かめ、実際に聞かれてみてください。
中国語(北京語)ピンイン変換 

 画像は民権西路にある豪華な禮服と制服の混在店の大廳です。一見、華やかで煌びやかな世界がそこにはありますが、多くの悪魔たちが巣くっているのも事実です。小姐は自分の器量と知恵で危険が伴うかもしれない包廂に入っていかねばいけません。包廂に入った子たちとどんなかかわり方をするかは、客にゆだねられており、小姐にも生き抜く力が求めらます。そこは甘美な香りもありますが、その裏側には様々な小さな物語がたくさんあるにちがいありません。

 なお、ブログの記事に関係ある画像を貼っていきますが、絶対に撮影は禁止ですので、ご注意ください。これらの写真は酒店のスタッフや幹部が撮影し、私に提供してくれている特別なものばかりです。また、画像の無断使用や流用については絶対に禁止です。ご理解をよろしくお願いします。   

首都の大廳

悪魔たちの手口

台北のタクシーはその実力を出せば、極めて速いです。自宅前の道路から約10分、とばしにとばしたタクシーは新生北路の長春路出口を降り、酒店の前に来ました。入口には、いつもの黒ジャンパーの体格のいい男がいます。実は幹部を伴わずに酒店に来たのはこの時が初めてでした。入れるかどうかなどということは脳裏になく、とにかく来てしまったのです。

しかし、意外でした。私が話しかけるより速く、彼は私の顔を見るなりトランシバーで連絡を取り、「OK」と一言だけ言ってニコリと微笑みを返してきました。私は「上樓、可以嗎?」(上の階大丈夫?)と軽く聞きました。「當然、可以」(もちろん、大丈夫さ)と言ってくれました。私は小走りに廊下の奥に進み、エレベーターのボタンを押しました。

エレベーターが到着し、入口で門番をする行政が扉を開いた瞬間、大廳にはVickyに手をつながれた蔓蔓が立っていました。涙で顔はクシャクシャでした。彼女は私を見るといきなり抱きついてきました。大廳には何人かの客や公關、領枱たちがいましたが、そんなことはおかましなしでした。私もたった数時間前まで、彼女のことなどまったく知らなかったはずなのに、なぜか、すごく前から知り合いだったような今まで体験したことがないような感覚に襲われました。普通だったらとても恥ずかしいし、人目も気になるのですが、この時はまったく、そんな気持ちなど微塵もありませんでした。

Vickyは私に話しかけました。
「你真的來了。我和蔓蔓相信你。所以我們一直等等你在大廳。謝謝你對你過來」 
(本当に来てくれたね。私と蔓蔓はきっと来てくれると信じていたよ。だから大廳でずっとあなたを待っていたんだ。来てくれて本当にありがとう)

私はあの時、本当に不思議な感覚になっていて、今でも大廳の扉を開けた瞬間に立っていた2人の姿を鮮明に思い出すことができます。そして、Vickyは蔓蔓の手を引きながら、大廳近くの包廂に私を招き入れました。そして、彼女は、なぜ、蔓蔓に悲劇が訪れたかを話し始めました。このときの会話は新しく聞く中国語やスラングが多く、極めてわかりにくいものでした。しかし、Vickyは英語を交えながら詳しく説明してくれたのです。

私が帰った後、 蔓蔓は震洲以外の幹部にすぐ、見つけられ3人の年輕客人(若い客)のいる包廂に2人の公關とともに案内されました。しかし、その包廂は「K桌」だったのです。

K桌とは、「K他命(ケタミン)」というドラッグをやる客たちのいる包廂です。本来は医薬品であるため、麻薬より入手しやすく、日本でも2007年以前は合法ドラッグ的な扱いをされ、大きな社会問題となりました。2007年以降は日本でも麻薬指定され、現在台湾でも毒品として厳しく対処されています。しかし、台湾においては若者を中心に蔓延しているドラッグで、主にKTV個室や酒店の包廂などの密室で吸引する客が後を絶ちません。インターネットで「K他命」で検索をかければ事件が山ほどヒットします。 

 若い女の子向きにブランドの名前が入れられた袋に入れられたK。こんなまやかしに騙される子もいます。
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K桌は毒品ですから、当然、女の子たちも拒否できます。K桌や搖桌(こちらはあまり使われないが、広く毒品をやっている客がいる包廂をいうスラング)には特徴があって、包廂の外まで聞える大音響で延々2~6時間ぐらいダンスミュージックをかけ続けていたら、まずK桌です。

私は当然、実際の様子は見たこともないのですが、危険にあった女の子は数多く、だいたいは女の子にも一緒に吸引させようとするのが常套手段です。当然、意識が薄くなり、覚醒してきますから、そこで女の子たちにやりたい放題やるのが手口です。大音響でずっと包廂の灯りを落としており、なかなか行政たちもK桌であることは、ほぼわかっているのですが、手が出せません。

なぜなら女の子たちも意識が完全にとんでおり、普通のアイスボックスを小爺とやりとりするような服務がなくなり、完全に外と遮断されてしまうからです。女の子をラリらせて、自分の膝上にまたいで向かい合わせに座らせて抱っこするような感じで判断能力のなくなった子たちに次々に挿入していくという手口です。

だいたい3~6人組が多く、女の子を次々とまわしていき、小費(チップ)も払わず、呼んだ女の子たち全員を順番にセックスしまくるという極めて悪質な悪魔たちです。ただ、どの酒店にもK桌を好むようなアバズレ娘たちが一定、酒店にはいて、彼女たち自身も中毒ですし、免費(ただ)で高価な毒品を客からもらえることもあり、ダンスミュージックをかけて踊りまくりながら、集団でセックスしているというのがK桌の正体です。

一般にK桌は制服店よりも外からの監視が少なく、制服店からのグレードアップ組の小姐が多い禮服店が多いと言われています。制服店でKを興味本位で覚え、酒店の仕事がやめられなくなり、2店目として禮服店を選ぶ子が多いことや包廂の中の服務がないかわりに「有S」の子が多く、客の目当ても最終的には彼女たちとのセックスであることが多いからです。

従って、酒店にはk桌につく子はだいたい決まっており、知らずに包廂に入った女の子たちもK桌と気がついた瞬間に自らK桌を出てくる子が多いです。ただし、新妹はこのような毒品の存在すら知らない場合が多く、特に可愛い若い子は悪徳幹部に目をつけられると、彼らは客と組んでいますから、K桌で意識もうろうとさせられるか、玩遊戯でしこたま酒を飲ませて泥酔させられる手口で客の性欲の生け贄となってしまうのです。 従って新妹やPT妹の場合は經紀人のつける客のコントロールが極めて重要で、震洲のようなしっかりした幹部にまかせないと女の子たちは大変、危険なのです。

蔓蔓は、まさしくこの手口でやられてしまいました。Vickyが他の酒店を巡回していて不在であり、私の包廂を出た後、彼女は悪徳幹部に2人のK桌が好きな小姐2人とともに包廂に連れて行かれてしまったのです。すべて幹部の策略でした。2人の小姐は元々、Kを吸引しながら複数の客とセックスすることを好むアバズレで、ヤミ価格で結構な値段と言われるKを客からただでもらい、自分も楽しむというK妹でした。客の目的は可愛い蔓蔓に他の公關2人も含めた5人で淫靡な雰囲気をつくり、何もわからない蔓蔓にそのような雰囲気でKを吸引させて、意識がもうろうとしたところを3人の客みんなで次々と彼女を輪姦するという目的だったわけです。 

このような場合、外から見ている行政も彼女たちが意識がもうろうとしていて、端から見て輪姦しているようには見えず、まったく客に抵抗しないように見え、合意であるならば手が出せないため、どうにもできないのです。

ただ、ひとつの方法は女の子自身がKを吸引する前に K客を拒否してただちに包廂をすぐに出てしまうことです。

蔓蔓にはこの危険から身を守る方法の知識がありませんでした。しかし、彼女はバカではありませんでした。Kを勧められたものの、かたくなに拒否し続けたのです。元々、悪徳幹部と客の狙いは極めて可愛い彼女でしたから、イライラした客は彼女の頭を押さえ、テーブルの上にあったKの粉末を無理矢理吸わせたのです。そこが彼女の精神の限界でした。彼女は混乱し、大泣きして大騒ぎしだしたのです。客もやばいと思ったのでしょう。彼女は包廂を追い出されて、ギリギリのところで何とか脱出したのでした。

酒店に行き、包廂に入るため廊下を歩いていると多くはありませんが、泣いて一人でトボトボ歩いている子や大廳で經紀人と泣きながら話している光景などを時折、見かけます。だいたいが、悪徳幹部と組んだ客に手ひどい扱いを受けたり、同じ包廂にいた意地の悪い公關や領枱にさげすまれ続けられたりした場合がほとんどです。そして、そのような状態になった時に女の子を担当している經紀人の人間性や本質が現れると言われています。

戻って来たVickyに見つけられた蔓蔓は、すぐに彼女に大泣きして抱きついてきたとのことでした。そしてVickyは、そのタイミングで私に電話し、簡訊を打ってきたのでした。

包廂でしゃくりあげて泣いている蔓蔓の横で、このような説明を英語まじりの中国語で私に詳しくした後、彼女は私に連絡した理由を話してくれました。その言葉は、聡明な彼女があらかじめ考えて準備していたものかどうかはわかりません。

しかし、その言葉は私の心をとらえ、大きな感動を与える一言でした。

 画像は絶えず、女の子たちにとって危険が潜む包廂の様子です。同じ包廂にいる女の子の組み合わせも重要で、女の子たちにとっては客以外にも多くの苦難があります。私はいつも気の合う子同士を複数呼ぶことを基本としていて、包廂も少し明るめにしています。女の子たちが一番、望むのは安全な上枱です。Kなどの毒品などを使う客は警察に一刻も早く捕まればいいと私はいつも思っていますが、それ以外にもトイレ等へ連れ込まれて強姦される可能性や泥酔させての急性アルコール中毒、同僚小姐からの悪口やつかいっ走りのような扱い、暴力(女の態度が悪かったり、自分の望むサービスを拒否されるとたたく、ひねるなどをする)など人としての風上にもおけないようなことをする壊人も多いです。心やさしい彼女たちが望むもの、それは例え遊びの世界であっても誠実に人としてきちんと接して、楽しくすごすことだと私は思っています。

 なお、ブログの記事に関係ある画像を貼っていきますが、絶対に撮影は禁止ですので、ご注意ください。これらの写真は酒店のスタッフや幹部が撮影し、私に提供してくれている特別なものばかりです。また、画像の無断使用や流用については絶対に禁止です。ご理解をよろしくお願いします。  

包廂圖~3

 K他命にかかわる事件は後を絶ちません。若い子たちも意志が弱い子は簡単に手を出してしまい、転落していきます。酒店では深く潜伏しているのですが、絶対にかかわってはいけません。
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 K他命の蔓延は現在の台湾の大きな社会問題です。撲滅運動や厳罰の法制化もさかんになっています。
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  なお、ブログの記事に関係ある画像を貼っていきますが、絶対に転載は禁止ですので、ご注意ください。これらの写真は本人やその友人や私が撮影している私下(プライベート)での特別なものばかりです。従って、私との人間関係のつながりで判断してアップしているものです。画像の無断使用や流用については絶対に禁止です。ご理解をよろしくお願いします。    
 
 このブログは元々、台妹と良い心の交流をもちたいと思っている、あるBBSでご賛同いただいた方々に情報提供する目的で始めましたので、画像等も一定期間をすぎたらほとんどをプライベートモードにしております。プライベートモードは私が友達認証した方が入れますが、コメントなどをお書きいただいたり、メールなどを通じて交流などを深め、ご信頼した方を対象にさせていただいております。酒店と同じような形で一見の方はすぐに認証はできませんので、何度かやりとりをさせていただいてからになります。ご理解のほど、お願いいたします。 

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