「你好!XX先生」 彼女はニコニコしながら私を見つけてカウンターの横に座りました。
午場専門の幹部、Kittyはどちらかというとこの世界には似つかわしくない感じの女性でした。いわゆるキビキビした感じや人を見抜くような鋭い目つきがまったくといってよいほどありませんでした。酒店の世界でかかわった人物はいずれも「きれる」といった聡明型のタイプが多く、沈着冷静かつ緻密という印象が私がかかわってきた震洲やVickyの印象でした。やさしさや穏やかさの中に厳しさがあるというか、最後のところはきっちり譲らないみたいな感じが彼らにはあるのですが、いわゆるKittyはそのような感じはありませんでした。どちらかというと一般的なこの世界のタイプでゆきあたりばったり、ちょっと適当というところも多そうなところがあって、私は特に強いインパクトは感じませんでした。
しかし、それは実は違っていました。
彼女はなかなかの事情通でした。彼女とつきあったのはおよそ2年間で、その間、いろいろなところに連れて行かれたのですが、好奇心が強くていろいろなことを知っており、女の子たちとつきあうのがうまい幹部でした。なぜならば、彼女自身が元々制服店の公關だったからです。
これは、しばらくしてから彼女自身から聞いたのですが、18才の時にある制服店に學費を稼ぐためにPTとして上檔した彼女は、そのまま正職になって進学をあきらめてしまったとのことでした。22才まで約4年間、正職としていろいろな店を転々としたらしいのですが、結局は酒を日々大量に飲むため、胃腸を壊して幹部に転じていました。ただし、最初の1~2年ぐらいは自分の公關時代のなじみ客などに連絡して仕事を獲得していたようですが、客は公關として彼女の魅力に引かれていたわけで、幹部として努力のなかった彼女はすぐに多くの客から見放されてしまったのです。情報のない幹部やうまく女の子を安排できない幹部はすぐに見捨てられていく...というのがこの世界です。どんなに若くて可愛い幹部でも、それだけでは生き抜いていけません。
Kittyはそこで、晩場では多くの力量のある幹部には到底太刀打ちできないことを悟り、層の薄い午場専門の幹部へ転じたのです。彼女とは本当によくお茶をしたり、食事をしました。夜12時頃には幹部としての業務を終えることが多くて、よく帰りに麥當勞で軽く食べたりしていました。いろいろな話をたくさんしたのですが、幹部というよりも私にとっては一緒に行動する友達のような感覚でした。震洲はとてもしっかりしていて、いつも冷静でしたから、その意見はいつも参考になることが多く、全面的に信頼して彼を使っていましたが、Kittyの場合は正直、まあ、可愛くて愛嬌があるからいいかみたいなところがあって、気楽に使うことができました。
実は幹部を包廂において一緒に過ごすようになったのもKittyの影響です。男性の幹部は、客人と幹部が一緒に包廂にいる場合はだいたい、一緒に酒を飲み、女の子を客と同じように扱うことが多いです。このような幹部はダメ幹部が多く、商品に手を出しているようなものですから、女の子の評判も当然、とても悪いです。震洲は時々、包廂にいることがあっても一緒に客と遊ぶというスタンスはまったくありませんでした。
しかし、Kittyは違いました。元々、制服店の公關でしたから、どちらかというと女の子たちと同じような雰囲気になってしまうのです。一緒に楽しむというか、女の子と友達感覚になってしまうというか、不思議な感覚のある幹部でした。女の子も幹部のことは普通警戒しているのですが、彼女に対してはまったくといっていいほど警戒心がなく、心を開いていました。午場の子たちはPT妹が多く、また、人数も20人前後しかいませんから、Kittyが公關の子たちと人間関係を結ぶのは比較的容易だったのでしょう。
だから、正直言うと私もKittyが大好きでした。ちょっとおっちょこちょいで、少しいい加減でしたが、おおらかで素直な人間でした。震洲やVickyのような「したたかさ」はまったくなく、胃腸を壊して公關ができなくなったものの、大学への進学をあきらめて正職に転じた彼女は、この世界がきっと好きだったのでしょう。だから他の仕事のあてもなく、幹部としてこの世界に留まっているのだと私は感じていました。彼女はタバコが大好きで、いつも私もタバコとられていましたが、そのゆるキャラは子どもがそのまま大人になったようなところがあって、金にあまり執着しておらず、震洲のおつりを10元単位でくれるようなきっちりさとは対照的でした。「おつりもっていないから、もらっとくね」とニコッと言われると、私も苦笑いでよくあげていましたね。
実はKittyは震洲が幹部として働きはじめた時の公關で、それで、彼女が体を壊した時に、これからの人生を生きるために幹部としてがんばって身を立てていくことを教え、いきあたりばったりで行き詰まった彼女をライバルの少ない午場の幹部に転じさせたのも震洲でした。だから、震洲は午場に行きたい客の手配を彼女にまかせていたのです。震洲は不正やごまかしが大嫌いでしたから、彼女はそういうことはまったくなく、素直を絵に描いたような性格でした。幹部としてそれはやや適正を欠くのかもしれませんが、少なくとも私は彼女が結婚してこの世界を去るまで、楽しく一緒に行動できたし、いろいろなところに身軽に連れて行ってくれたのも良い想い出です。
Kittyと初めて出逢った土曜日の夕方、私は寶貝や蔓蔓、加菲と出逢った酒店に一緒に歩いて向いました。隣が大きなお土産物屋なので、ちょっと恥ずかしいかなと思っていましたが、夕方のため、黒服の男もおらず、エレベータも普通に3階のボタンを押すこともできました。入口の厚いドアの前には、ポツンと小爺が一人いるだけで閑散としたものでした。中に入っても大廳には誰一人おらず、控櫃(業務用のカウンター)の中に行政が一人いるだけでした。公關の姿もなく、ちょっと心配になってきました。しかし、包廂に入り、ビールを頼むところまで全く、晩場と同じで、ちがいはありません。
しばらくすると行政が空枱の女の子を連れてきました。晩場に比べると人数がとても少なく、3人程度しかいませんでした。特に心引かれる子もおらず、下枱してくる子を待つことにしました。午場の酒店は静かで客人もいるのでしょうが、夜のようにひっきりなしに包廂の外を誰かが通ようなことはありません。空枱も少なく、なかなかまわってこないという感じでした。Kittyの話では午場は少人数の客が多くて1人や2人のことが多く、夜のように酒を飲んで騒いだりすることは少なく、ほとんどが女の子目当てで来ているので、一人の客が女の子につく時間が長く、5時間や6時間もザラだと言っていました。ただ、大框をして外に出るようなことは少なく、夜まで午場の子とすごしながら包廂にいて、お目当ての晩場の子が来るのを待っている場合も多い(酒店は先着順が重要なため)とのことでした。
1時間ぐらい待ったでしょうか。最初の3人からその後は女の子もまったく来なかったこともあって、包廂で幹部のKittyと話している以外は新たな展開もありません。時間も4時半をまわっていました。Kittyは夜の幹部の震洲とはちがって、女の子を捜しにいくとか、うまく他の包廂に行くはずの子を抜いてくるとか、そのようなことはまったくせず、包廂でまったりしていました。私も「こいつ、やる気あるのか?」と思ったりしていましたが、「等一些」(ちょっと待ってて)というのが口癖で、私が何か頼んでもすぐに行動を起こそうとしません。しかし、Kitty自身が可愛いので、私も彼女と話していることは、結構楽しかったこともあり、気長に待つこともできたように思います。
さて、久しぶりに包廂のドアが開いて、行政が女の子を2人つれてきました。背の小さな子が2人並んでいました。
「小小、YOYO、到了!」(小小、YOYO、到着したんだね!) Kittyが彼女たちに向かって話しました。
2人はにっこりと笑っています。とても可愛い子たちでした。一人は原住民でやや肌の色が黒く、胸が大きい小小。もう一人は色が抜けるように白く、胸が小さく痩身のYOYO。2人とも19才の大学1年生でした。
Kittyは何もしていなかったわけではなく、ちゃんと預點していました。彼女たちが何時に着くかがわからなかっただけで、上班したらすぐに私の包廂に連れてくるように行政に手配していたのです。だから、包廂でだらだら私と話していても余裕があったのです。Kittyが私の方を見て「她們很可愛、而且年輕的學生妹。你喜歡嗎?」(彼女たちはとっても可愛いでしょう。それに若くて2人とも大学生だよ。気に入った?)と言いました。性格もとても良さそうで、何よりも晩場の子たちとは雰囲気が異なりました。まったく、擦れている感じがなく、晩場のPT妹にあるような最初、警戒するような目もしていません。2人は私の両脇に座りました。そして、Kittyがいるにもかかわらず、いきなり制服の種類の意味などまったくないような姿になりました。あまりの早い展開に私もびっくりでした。とにかく屈託がないというか、明るいというか、そんな感じです。
すると、包廂の再びドアが開きました。一人の背が高い童顔の子が入ってきました。私に話しかけるのではなく、小小とYOYOに向かって、指をさして「我晩到了、應該扣錢把!」とか言っています。晩場の空枱の子たちのような無言で客の前に立っている感じとは明らかにちがいます。小小とYOYOも彼女に笑いながら大声で「你應該過睡了!」「你來不及!」などと応答しています。それにKittyも加わりますから、客の私などはどちらかというとそっちのけで、3人の公關とKittyで盛り上がっています。女子高か女子大にいるような錯覚を覚えました。
この子はもう現在は卒業していますが、進修学校ではなく、ちゃんとした台北市立XX高中の3年生に当時は在籍していた18才の滴滴。
とにかく、ワイルドでじゃじゃ馬的な性格、細かいことは気にしないという子で、私が呼ぶかどうかという返事をする前にもう自分の制服に手をかけて小小やYOYOと同じ恰好になりながら、いきなり座ってしまいました。確かにとても可愛い子で元気いっぱい、さらに胸の形はとてもきれいで大きく、スタイルは今まで逢った子たちの中でも抜群でした。私の意思など関係なく、いきなり3人の子が包廂にいる展開となり、さらにKittyもいて(Kittyは彼女たちとは同じ恰好になっていません)、一緒にはしゃいでいますから、よくわけがわからないうちに包廂が女の子だらけになっていました。
2人の大学生と1人の高中生。
土日だけ午後4時から来るとても仲の良い3人組でした。この3人とも私はそれぞれかかわりをもっていくのですが、今もつきあいがあるのは原住民の小小だけです。彼女はこの2月下旬に護理士(看護婦)の資格試験を受けることになっています。この1月まで彼女は前章で綴った紅牌の子がいる酒店と同じところにいて、 紅牌の子が若い小小(今はちがう花名です)のよく面倒を見ていました。
午場に初めてきた私は同じ酒店のPT妹でも女の子の雰囲気がこんなにちがうのかと思いました。酒やドラッグのKの心配があまりないため、きっと彼女たちも気持ちの持ち方がやや軽いのかもしれません。私も彼女たちに逢ってからは、特に忙しかった4月5月、土曜日か日曜日の午場に酒店にちょっと気軽に行くことが多くなりました。
しかし、仲の良かった3人組も同時に酒店にいたのはわずか1ヶ月半。
その後はそれぞれの運命に従い、5月の末にはそれぞれ別々の道を歩んでいくことになりました。
画像はやはり鏡を多用する制服店の子たちのいろいろな制服です。下は聖誕節の時の天使と悪魔シリーズのコスプレの悪魔の方のタイプです。上は禮服タイプの制服ですね。この制服店の午場はとても人気があって、午場専門の幹部たちが、まず客に紹介するのがこの店です。午場の幹部を見つけるのは簡単ではなく、夜のように街角で声をかけているポンのような幹部もまず昼の2時~4時にはいないため、夜の幹部からルートを探っていくのが一番良い方法だと思います。
なお、ブログの記事に関係ある画像を貼っていきますが、絶対に撮影は禁止ですので、ご注意ください。これらの写真は酒店のスタッフや幹部が撮影し、私に提供してくれている特別なものばかりです。また、画像の無断使用や流用については絶対に禁止です。ご理解をよろしくお願いします。
このブログは元々、台妹と良い心の交流をもちたいと思っている、あるBBSでご賛同いただいた方々に情報提供する目的で始めましたので、画像等も一定期間をすぎたらほとんどをプライベートモードにしております。プライベートモードは私が友達認証した方が入れますが、コメントなどをお書きいただいたり、メールなどを通じて交流などを深め、ご信頼した方を対象にさせていただいております。酒店と同じような形で一見の方はすぐに認証はできませんので、何度かやりとりをさせていただいてからになります。ご理解のほど、お願いいたします。