Epilogue of Sumie’s story 

朝5時。スーミエとすごすヤンゴンの最後の日。スーミエは僕より早く目を覚ましていました。

「ကျေးဇူးပြုပြီးနှိုးပါ (ねえ、起きて)」

「ထွက်ခွာဖို့အချိန်နီးပြီ (出発の時間が近いよ)」

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バンコクに飛ぶ便は朝の8時半離陸。隣国とはいえ、国際便ではあるのでイミグレーションの手続き等の時間を考えたら6時半頃には着いておかないといけません。昨日の夜、ホテルに着いてからスーミエがホテルのフロントでタクシーを頼んでおいてくれました。

ヤンゴンのこのホテルは基本的にバンコクのいくつかのホテルと同じでIDカードを預ければジョイナーフィーなしで泊まることができました。都合2泊3日いたこともあって、スーミエはすっかりホテルのフロントとコミュニケーションがとれるようになっていました。

このダウンタウンにある質素な古ホテルは近代的なホテルとは程遠いのですが、スタッフは若い男女ですごく気持ちが良く、いつも二人のゲストが泊っているような感覚で新しいタオルや水も二人分を言わなくても自然に準備してくれていました。出発の日も早朝にもかかわらず、ホテルボーイがチェックアウトの準備をしてくれていて、僕らが1階に降りるとすでに呼んだタクシーも待たせてくれていました。

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実はヤンゴンでタクシーに乗るのはこれが初めて。最初で最後ということになります。空港からダウンタウンに来るときも若いミャンマー人男性に教えてもらってYBSで来ていたし、ヤンゴン市内はスーミエのコスパを重視という考えからすべてYBSと徒歩でした。ヤンゴンのタクシーはメーターがほとんどなく、Grabなど以外はほぼ交渉制なので、それもあって利用を避けていました。

「တက္ကစီကအမြဲမြင့်မားတဲ့စျေးနှုန်းကပြောပါတယ် (タクシーは最初は必ず高い値段を言うんだよ)」

「ထို့ကြောင့်စျေးကွက်၏စျေးနှုန်းကိုမှတ်တမ်းတင်ရန်လိုအပ်သည်။ (だから、こちらもだいたいの相場の金額を知っておいて、それを言うことが必要なの)」

「ငါလေဆိပ်နှင့်မြို့လယ်အကြားတစ်ဝက်လောက်နှင့်ငါ့အိမ်လေဆိပ်အနီးတွင်ဖြစ်သောကြောင့်, ကိုးကားအများစု၏စျေးနှုန်းကိုငါသိ၏။ (私の大学は空港とダウンタウンの間の所ぐらいにあって、家は空港の近くだから、私はだいたいの相場の値段を知っているから)」

「သင်ဝေးလံသောနေရာသည်မြို့လယ်နှင့်ရွှေတိဂုံဘုရားမှဖြစ်ပြီးစျေးနှုန်းချိုသာသည် (ダウンタウンやシュエダゴンパゴダから離れるほど家賃が安くなるの)」

「スーミエの住んでいる家の家賃はいくらぐらいなの?」

「အခန်းကအရမ်းငယ်လွန်းသဖြင့်သင်သည်ပြတင်းပေါက်မပါဘဲအိပ်ရာဝင်နိုင်သည်။ (窓もないベッド置けるぐらいの狭い部屋だから30000チャット<およそ2400円ぐらい>なの)」

「အိမ်သာများနှင့်ရေပန်းများဝေမျှကြသည် (もちろんトイレやシャワーは共同だよ)」

「ရန်ကုန်မှာငှားရမ်းခကများပြီးလူအတော်များများအတွက်အခန်းငှားကြတယ်။ (ヤンゴンは家賃が高くて一部屋を数人で借りたりしてシェアしている人も多いから)」

 スーミエの住んでいるところは彼女の話によるとヤンゴン空港と大学の間ぐらいの所でいつも大学には歩いて、チャイナタウンにはYBSを利用して動いているとのこと。このあたりは大学が多く、ヤンゴンに来ている地方の学生は一部屋を何人もでシェアしている人が多いらしいのですが、知り合いもいないスーミエはとりあえず、環境が悪くても安い部屋を借りたと言っていました。ホテルにいるときにシャワーを何回も浴びたり、すごくくつろいでいたのは、そんな彼女の住宅事情があったからだと思います。
ヤンゴンMap

スーミエは昨日の夜、こんな話を僕としていて、ホテルのフロントで空港までのタクシーを予約するとき、電話ですでに交渉しておいてくれました。値段は8000チャット(およそ700円)。彼女が言うには普通10000~20000チャットぐらいを最初は平気で言って来るので、こちらは5000チャットから始めて落としどころを見つけるということでした。

スーミエは空港に一緒に行ってから、タクシーで自宅まで2000チャットぐらい(およそ160円)で戻ると言います。今日は日曜日で大学もなく、彼女も時間が十分にあるとのこと。私たちは荷物をホテルボーイに積んでもらい、まだ暗いダウンタウンを出発しました。

「လမ်းနည်းနည်းပြောင်းလို့ရမလား ねえ、ちょっと道を変えていい?」

「そんなに時間が変わらなかったら、全然問題ないよ」

しばらくホテルからダウンタウンを西側に走るとまだ早朝で暗い中に古い洋館のような建物が見えました。

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ဒီစာကြည့်တိုက်ကငါအမြဲတမ်းလေ့လာဖို့လာတဲ့နေရာပါ။ (ここは私がいつも勉強に来ている図書館)」

ငါ့မှာအိမ်မှာပြတင်းပေါက်တွေ၊ လျောက်ပတ်တဲ့စားပွဲခုံတွေမရှိဘူး၊ ကိုယ်ပိုင်ကွန်ပျူတာမရှိဘူး၊ ဒါနဲ့ကောလိပ်ကနေtoကရာဇ်ဆီကိုငါသွားနေတယ်။ (家は窓もまともな机もないし、パソコンは持っていないから、大学からエンペラーに行く途中、夕方、ここでよく勉強しているんだよ)」

「မနေ့ကငါ့ဖုန်းနံပါတ်ကိုပေးလိုက်တယ်၊ ဒါပေမယ့်ငါဖုန်းငွေမပေးနိုင်တဲ့အချိန်တွေရှိတယ်။ (昨日、電話番号を渡したけど電話代が払えないときもあるかもしれないから)」

「ဒါကြောင့်မင်းကရန်ကုန်ကိုပြန်လာပြီးမင်းကိုမလာနိုင်ရင်ဒီကိုလာပြီးငါ့ကိုရှာပါ။ (だから、またヤンゴンに来て私に連絡がつかなかったら、ここに来て私を探して)

どうしてスーミエが道を変えて寄り道したかがわかりました。彼女の家はとても狭く、寝るだけのような部屋だから、あまり勉強ができないと言っていました。このヤンゴン図書館はちょうど彼女の大学からエンペラーに向う途中にあって、とても使い勝手もいいとのこと。エンペラーを出た時、彼女が大きなバックを持っていた理由もわかりました。彼女は勉強道具や大学の教科書、簡単な着替えや日用品を持っていて、更にもしエンペラーで持ち帰られたらということも想定していたためでした。

休日の早朝というあってこともあって30分ほどで僕たちはヤンゴン国際空港に到着しました。

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スーミエと一緒にタクシーを降りて空港のロビーへ。

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「နောက်တစ်ခါရန်ကုန်ကိုဘယ်တော့လာမှာလဲ။ (ねえ、今度はいつヤンゴンに来るの?)」

「まだ、わからないなあ。今回ミャンマーに来たのはタイのビザランを兼ねての旅行で、今ミャンマーはノービザで入れるようになったからどんな国か興味があって来たから、正直言うと一時的な滞在なんだ」

「ဒါအမှန်ပဲ (そうなんだ)」

「スーミエ、だからエンペラー出るときに話したように、しばらくミャンマーには来られないから、今、持っているあるだけのチャットを君に渡すよ。空港はクレジットカード使えるから問題ないし。でもいろいろ使ったら30000チャットぐらいになってしまって」

「သင်လုပ်ချင်သလောက်လုပ်နိုင်သည် (そんなのはいくらでもいいよ)」

「ငါ (私は・・・・・・)」

「ငါဘာပဲဖြစ်ဖြစ်ထွက်ဖြစ်ခြင်းအတွက်ပဲကျေးဇူးတင်တယ် (私はとにかく出られたことだけで感謝しているから)」

僕は自分が持っているすべてのチャットを彼女に手渡しました。彼女がいつもするようにクシャクシャに少しなっている細かいお金のお札もきれいに伸ばしながら。

When Will I See You Again ?



Precious moments
大切な瞬間

When will I see you again
When will we share precious moments
いつ会えるの?  あなたともう一度
いつ2人は分かち合えるの? 大切な瞬間を 

Will I have to wait forever?
Will I have to suffe?r
And cry the whole night trough?
私は待ち続けるしかないの?  永遠に
耐えるしかないの?  泣きながら夜を徹して

When will I see you again?
When will our hearts beat together?
いつ会えるの?  あなたともう一度
いつ2人の胸の鼓動は重なるの?

Are we in love or just friends?
Is this my beginning or is this the end?
私たちは恋人? それともただの友達?
これは私の始まり? それとも終わりなの?

When will I see you again?
いつ会えるの? あなたともう一度

僕はスーミエがとても愛おしく感じ、空港のロビーに多くの人がいたにもかかわらず思わずスーミエを抱きしめました。僕はただの年配の旅人で、彼女の恋人でも友達でもなく、一瞬のきらめく時間を共にすごしただけ。強いて言えば少しの間、支えあう関係を共有しただけ。夜の世界で出会ったとは言え、このような切ない瞬間もあることを台湾のときのように再び味わうとは。

「スーミエ、大学をちゃんと卒業するんだよ」

「ဟုတ်တယ် (うん)」

「ငါသိတယ်。ဟုတ်ပါတယ် (そんなことわかっているよ、当たり前のことだもん)」

「ကျေးဇူးပြု၍ ကျွန်ုပ်၏မွေးရပ်မြေလာမည့်မြန်မာပြည်သို့လာရောက်ကြည့်ရှုပါ (今度ミャンマーに来るときは私の故郷に行ってみて)」

၎င်းသည်အနီးအနားအင်းလေးကန်ရှိညောင်ရွှေဟုခေါ်သောမြို့ငယ်လေးတစ်မြို့ဖြစ်သည်။ (インレー湖が近くにあってニャウンシュエという小さな街」

「အရမ်းရိုးရှင်းပြီးလှတယ် (すごく素朴できれいなんだ)」

「အဲဒါကအရမ်းကောင်းတဲ့နေရာပဲ၊ (とてもいいところだから、きっと気に入ってくれるよ)」

スーミエはスマホの中に入れてあるインレー湖の写真や故郷のニャウンシュエの街の様子、そしてまだ小学生ぐらいの弟や妹の写真などを見せてくれました。彼女の家族に対する思いや故郷を愛する気持ちが一生懸命写真を見せて説明する彼女から伝わってきました。

「うん、またミャンマーに来たら必ず行くよ。こんなに人がやさしくて素朴な国だから、もう一度必ず来たいと思っているんだ。また、スーミエ、一緒に裸足でパゴダを歩こう」

 今回は行くことが出来なかったインレー湖。周辺はミャンマーの素朴な風景が広がり、ぜひ、今度は行ってみたい所ですね。
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「インレー湖」で見た絶景

そんな話をしているとき、僕はまだチャットに両替しなかった予備用の米ドルが400ドルと少しあったことを思い出しました。バンコクのスーパーリッチでタイバーツを1000米ドル替えようと思っていて、実際には30000バーツ両替したら900ドルちょっとでした。マンダレーの空港で500ドル両替してチャットに交換しましたが、ミャンマーはことのほか物価が安く、実際には最初に交換した500ドル分のチャットですべて賄うことができたからです。

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「スーミエ、ちょっと手を出してごらん」

僕は別の財布にいれていた400ドルを取り出してスーミエの手をとり彼女の手に紙幣を置きました。

「အီး '' (えーっ)」

「မဟုတ်ဘူ、ကတိက ၀ တ်တွေနဲ့စကားပြောတာ၊ ဒါဆိုမတိုင်မီကငွေကလုံလောက်တယ် (約束はあるだけのチャットだから、さっきのお金で十分だから)」

「ここへ来る帰り際に図書館を見ただろ。僕はあそこで一生懸命勉強しているスーミエを思い浮かべたんだ。田舎でがんばって勉強してヤンゴンの有名大学に受かって、故郷の家族の期待も大きいだろうけどがんばってほしいなと思ったんだ」

「スーミエとは、この3日間、共にすごしたけどすごく一生懸命で真面目、ごまかすことなんかしない子だった。夜のお店で会う子たちというのは、少なからずいい加減なところや嘘が多いけど、スーミエは全くそんなことは一度も感じなかったよ。だから、もし僕がまたヤンゴンに戻れなかったとしてもスーミエにはがんばって、幸せな人生を歩んで欲しいんだ」

「ဒါပေမယ့်အများကြီး (でも、こんなにたくさん・・・・・)」

「ဒေါ်လာ ၄၀၀ ခန့်သည်စကားပြော ၆၀၀၀၀၀ ဖြစ်သည် (400ドルって50~60万チャットぐらいだよ)」

「うん、いいんだ。僕はミャンマーにいた1週間でだいたい1000ドルぐらいあれば大丈夫かなって思っていたんだ。でもミャンマーはすごく暮らしやすくて、自分でバイク乗ったり、YBSでスーミエと出かけたりしてオプショナルツアーも行かなかった。食事もミャンマーローカル食が多くて安かったからあんまり使わなかったんだよ。ヤンゴンで足りなくなったらまた400ドルをチャットに両替しようと思ってたから。だから900ドルはミャンマーで使おうと思っていたから、予定通りってこと」

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下を向いたまま黙って歩いていたスーミエは出発の入口まで来ると、空港で結構な人がいるにも関わらず、あたりはばからずしゃくりあげるように泣き出してしまいました。

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僕はすごくポリシーがあって、一緒に行動したブロ友のRMSさんやKさんなどは知っていますが、夜社会でいろいろな事情があって働いていても気持ちの正直な子、誠実に生きてる子は助けてあげたいという気持ちがあります。もちろん、したたかな夜の女性に騙されることもよくあるけど、騙すより騙された方が悔しいけど人としてはいいと思っています。台北で信頼していた子・晴晴に騙されて全財産を盗まれたときにすぐに駆け付けてくれて、何も言わずに助けてくれた幹部や女の子たちがいて、その思いはすごく強いものがあります。

実はバンコクのKさんは知っていますが、この後パタヤでやはり少し騙されて失意に沈んでいたときにある女の子が助けてくれました。きっと自分も誠実に接していれば、夜社会で事情があって働いている彼女たちも真摯な姿勢で接してくれると甘いかもしれませんが思っています。

スーミエが僕なんかの年配な男性に恋愛感情なんかもつわけはありません。そんな勘違いを僕もしようはずがありません。でも、決して金だけが二人のつながりでもありません。スーミエは多くのお金をもらおうとは決してしていなかったし、期待も全くしていなかったと思います。

ただ、あの夜、彼女は大都会のヤンゴンで日々の生活に追われ、生きていく方向を失いかけていました。このヤンゴンが「終わりのない物語」の新たな出発点であることの答えを必死で見出そうとしていて、その時に僕はタイミングよく出会っただけだと思っています。

その答えを最後に僕に見せたヤンゴン図書館で彼女は再確認したかったんじゃないかな。「私はヤンゴンに大学で学びに来たんだ」と。

「ကျေးဇူးတင်ပါတယ် (ありがとう)」

「ကျေးဇူးအများကြီးတင်ပါတယ် (本当にありがとう)」

絞り出すような声でスーミエは何度も何度も僕に語り掛けました。

" Bye Bye "

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彼女は英語で最後に僕に言うと振り向かず足早に去っていきました。僕もイミグレーションをくぐるために Departure の入口へ。その時、

” Thank You ! ” 、" Thank You ! " 、" Thank You ! ” というスーミエの声が何度も。

振り返るとスーミエがまるで無邪気な子供のように一生懸命手を振ってくれていました。
僕はスーミエのだんだん遠くなる姿を見るのがとても切なかったのを今でもよく覚えています。

彼女のこれからの人生が幸せであることを願い、そして彼女の求めていた答えを探し出す手伝いが少しできたことを胸に刻みながら、僕はヤンゴンから再びバンコクへ飛び立ちました。

さようならスーミエ、さようならヤンゴン。

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When Will I See You Again ?

 この思いは僕も同じ。すっかりマダムになった2013年のThe Three Degrees 。その声は年輪も刻んでいつまでも「天使のささやき」ですね。スーミエと今度会える日が来るかどうかわかりません。でも命あれば、もう一度成長した彼女と会いたいなと心から思います。年月を経てもいつまでも記憶に残ることってありますよね。


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