「スーミエ、朝だよ。ほら、もう朝ごはん食べに行って出かけるよ」

昨日、少しばかり飲み慣れないカクテルを飲んだスーミエはまだ、ベッドの中で気持ちよく眠っていました。

「ကောင်းပြီ、အိပ်ချင်နေတုန်းပဲ (うーん、まだ眠いよ)」

「スーミエ、もうすっかり朝だよ。今日もすごく天気が良くて気持ちいいから」

僕はホテルの古びた木枠の窓を開けました。するとそこへ裸同然のスーミエがやってきて一緒に階下のストリートの様子を見に来ました。

今日は土曜日でスーミエの大学も休講。そんな巡り合わせもあって、一日、スーミエがヤンゴンを案内してくれると言います。でも、そのスーミエそのものもあまりヤンゴンのいろいろなところに行ったことはなく、どちらかと言うと知ったかぶりだったのかもしれません(笑)。

まあ、けなげな人柄、さらには一生懸命なので、それだけで十分でしたが。

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「ရေချိုးပါ (シャワー浴びてくるね)」

シャワーをスーミエが浴びて簡単なおめかしが済むと、僕らはまずは朝食を食べにいくことにしました。服は昨日のちょっとやぼったい格好のままですが、そんなことは彼女はまったく気にしていません。

スーミエはいつも基本的に屋台や露店で食べているので、当然ながらミャンマーローカル食に詳しく、やや腹痛も心配だなあと心の中で思ったのですが、スーミエが楽しそうに案内して教えてくれる姿を見るととても遠慮はできませんでした。注文はスーミエにすべておまかせ。めちゃくちゃ安くて1500チャットほど(約120円)。味はやや微妙でမုန့်ဟင်းခါး(モヒンガー)というミャンマーでは一般的な麺料理ですが、スープがコクがあっておいしい。ところが!

「ဟင်းချိုကထူပြီးရန်ကုန်မှာကအရသာမရှိဘူး (スープがドロドロでヤンゴンのはあんまりおいしくないんだよね)」

 モヒンガーはミャンマーの代表的な朝食でだいたいの屋台にはあります。冷麺のような細い感じの麺とそれに各地方で異なると言われるスープを加えてあとはトッピングするものをチョイス。
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スーミエが言うには北の地方ではもっとあっさりした川魚(ナマズらしい?)スープで澄んだ味だと笑いながら言います。これにလက်ဖက်ရည်(ラペイエ)というミャンマーのミルクティ(チャイ)を飲むというのがミャンマーの一般的な朝食とのこと。ラペイエは甘い味付けを調節できるとのことで、このあたりはみんなスーミエにおまかせ。

 ラペイエはミャンマーで最も飲まれるミルクティ。濃い紅茶に練乳を入れますが、その割合が段階的にあって注文は簡単ではありません。ラペイエは甘さの違いで5種類あり、甘くない方から、「チャーセイッ」「ポーセイッ」「ポンフマー」「マコッ」「チョーセイッ」で、紅茶にプラスするコンデンスミルクとエバーミルクの量で作り分けます。
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 ホテルのあるダウンタウンに出ている朝食屋台。適当にスーミエが注文してくれましたが、ミャンマーの食文化の知識があり、言葉がある程度できないと、モヒンガーのトッピングが難しいです。
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彼女は小学生ぐらいの子供にミャンマー文化を教えるようにかいがいしく説明してくれるので、翻訳アプリがなくても何となく彼女の言ってることがわかりだしました。朝食を食べ終わるとスーミエが早速、今日の予定を話し出しました。

「ဆူးလေဘုရားကနေသွားမယ် (じゃあ、スーレーパゴダから行くよ!)」

ホテルからスーレーパゴダが近いことは知っていましたが、歩いていくと昨日ダウンタウンに来たときには気づかなかったのですが、すごく大きな公園が目の前に広がりだしました。

「မဟာဗန္ဓုလပန်းခြံ (ここはマハバンドゥーラ公園)」

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「မြို့တော်ခန်းမနှင့်တရားရုံးများကိုစုရုံးထားသည့်ရန်ကုန်မြို့၏ဗဟိုဖြစ်သည်။ (ここはヤンゴンの中心地で市庁舎や裁判所が集まっている所だよ)」

{ဆူးလေဘုရားနှင့်အတူရန်ကုန်သည်အကျော်ကြားဆုံးပန်းခြံဖြစ်သည် (スーレーパゴダとともにヤンゴンでは一番有名なところ所の一つなんだ」

スーミエは歩きながら、周りにあるヨーロッパ調の立派な建物を指差して教えてくれました。

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「ချိုးဤမျှလောက်များစွာသောရှိပါတယ် (すごーい、いっぱい鳩がいる!)」

スーミエは鳩の大群に近づくと足で驚かせて鳩がびっくりして飛び立つのを楽しみだしました。でも、餌を食べる鳩はなかなか飛んで逃げません。

「ဒီခို fluffy ဖြစ်ကြသည် (この鳩たちふてぶてしいよね)」

「မချစ်ပါဘူး (可愛くないなあ)」

ふてぶてしいのはどっちかと思いましたが、まあ、昨日のエンペラーで一人寂しそうにしていたスーミエとは別人のようで、子供っぽいスーミエを見ているだけで僕も楽しくなりました。

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公園から道路を渡ってスーレーパゴダの入口へ。ロータリーということもあって車がどんどん来るのですが、スーミエは気にせず車の間を縫ってどんどん道路を渡っていきます。

「スーミエ、危ないだろう。」

思わず英語で声を出してしまったのですが、英語がよくわからないのか、無視しているのか、おかまいなし。

「အဲဒါအဆင်ပြေပါတယ် (大丈夫だよ)」

「သငျသညျမကျေနပ်မှုမဟုတ်လျှင်, ရန်ကုန်ထာဝရလမ်းကိုဖြတ်ကူးလို့မရပါဘူး (強気でいかないといつまでもヤンゴンは道路を渡れないよ)」

確かにヤンゴンは信号が少なく、車も日本のように歩行者優先ではないので、なかなか止まってくれません。道路の向こうのスーレーパゴダで手をこまねいているスーミエに習って僕も走る車の間を縫うようにして何とかスーレーパゴダの入口にたどり着きました。

 スーレーパゴダは円形でロータリーの中心に建っています。そのためスーレーパゴダに渡るにはちょっとしたコツが要りますね。
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スーレーパゴダの入口で拝観料をスーミエの分と2人分払おうとしたら、スーミエが険しい顔で怒り出しました。最初は何を怒っているのか、まったくわかりませんでしたが、その理由がだんだんとわかってきました。

 スーレーパゴダは早朝6時から入場できます。料金は4000チャット(300円ぐらい)。月収平均が20万〜30万チャットと言われるヤンゴン市民にとって決して安くはありませんが、参拝にかける費用は皆、すごく自然に払うところがあります。本当に信心深い人が多いです。
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「မင်းဘာလို့အဲဒီလိုလုပ်တာလဲ? (どうしてそういうことをするの?)」

「သင်မပေးဆပ်ပါကသင်၏ဆန္ဒပြည့်စုံမည်မဟုတ်ပါ (自分で払わなきゃ、願い事が叶わないでしょう)」

だんだんと翻訳音声アプリを使わなくてもスーミエの表情と仕草で何を言いたいのかわかるようになってきました。確かにその通り。

スーミエはバックの中から財布を取り出し、クシャクシャになっているお札を手でしっかりと伸ばしてから拝観料を払うと僕の手をひいてスタスタと昇降口に行き、靴を脱ぎ始めました。さらに赤いロンジーをバックから取り出して身につけると階段をどんどん上がって仏像の前へ。仏像の前にはすでに朝早くから祈りを捧げにきている方々がいて、スーミエも座るとともに頭を何度も下げて祈りを捧げ始めました。

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仏像はこの円形のスーレーパゴダの多くの所にあって、その都度スーミエは丁寧に跪いて祈りを捧げていました。本当にミャンマー人は敬虔な仏教徒であり、生活の中に宗教が根付いている、そんな印象が更に濃くなりました。マンダレーやバガンでもその思いは強かったのですが、人間的なつながりのあるスーミエの祈る姿とその表情には心を打つものがありました。

「မင်းဘုရားသခင်ကိုသိလား? (ねえ、ナッ神ってしってる?)」

「うん、知ってるよ。バガンのポッパ山でたくさん会ってきた」

「သေးငယ်တဲ့ဆန္ဒကိုအကောင်အထည်ဖော်ဖို့ဘုရားသခင်ဆုတောင်းပါတယ်။ (ナッ神は小さな願い事をいっぱい叶えてくれる神様なんだよ)」

スーミエは参拝道具を売っている店の前に飾られていたナッ神の像を見ながら僕に説明をしてくれました。ナッ神はいろいろな表情やタイプがあって、スーレーパゴダの神様はポッパ山とは顔つきも違い、大きいこともあって、より願いを叶えてくれそうなオーラが感じられました。

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「နောက် Jue Dagon ဘုရားသို့သွားပါ (さあ、次はシュエダゴンパゴダに行くよ)」

スーミエの顔が嬉しそうに輝き出しました。ヤンゴン全体のパゴダとも言うべきシュエダゴンパゴダはミャンマー人の心の拠り所、そしてスーミエ自身がそのことを一番よくわかっていました。

「スーミエ、いったい何を願ったの?」

「လျှို့ဝှက်ချက် (秘密)」

「သင်သင်ကြားလျှင်အကျိုးသက်ရောက်မှုပျောက်ကွယ်သွားလိမ့်မည် (教えたら効果がなくなるんだ)」

「ဒါပေမယ့်နည်းနည်းသင်ပေးပါ (でもね、少しだけ教えてあげる)」

「ဒါဟာသဘာဝပါပဲ, ဒါပေမယ့်မိသားစု၏ပျော်ရွှင်မှုကို (当たり前だけど家族の幸せでしょ)」

「ပြီးတော့ရန်ကုန်မှာသူငယ်ချင်းမရှိသေးဘူး (それと私はまだ、ヤンゴンに友達がいないから)」

「ဒါဟာငါနံနက်ကနေပျော်စရာနေ့ကပထမ ဦး ဆုံးအကြိမ်ပါပဲ (こんなに朝から楽しい日は初めてなんだ)」

「ဒါကြောင့်ဒီနေ့ဟာထာဝရတည်တံ့လိမ့်မယ်လို့မျှော်လင့်ပါတယ် (だから、こんな日が永遠に続きますようにってね)」

「うん、僕もスーミエに出会ってラッキーと思ってるよ。ずっと一緒にいたいと思っているんだ」

Together Forever

  Rick Astleyの大ヒット曲。名曲ですね。ヤンゴンでひょんなことから出会ったスーミエ。ヤンゴンで彼女とすごした日々は長くはありませんが、ずっと一緒にいたいと思うことがよくありました。どちらかと言うとおとなしい感じの子でしたが、とても誠実で真摯な生き方を好む子でした。事情があってエンペラーにはいましたが、少なくとも薄っぺらな感じの子では絶対にありませんでした。


“If there’s anything you need, all you have to do is say”
欲しいものがあれば 君は言ってくれさえすればいいのさ

“You know you satisfy everything in me, we shouldn’t waste a single day”
君は僕の全てを満たしてくれたんだ 一日だって無駄にしちゃいけないよ

“If they ever get you down, there’s always something I can do”
たとえ落ち込むようなことがあっても 僕に出来ることはあるはず

“Because I wouldn’t ever want to see you frown”
君の苦しむ顔なんか絶対に見たくないんだよ

“I’ll always do what’s best for you”
常に君のことを想って尽くすのさ

翻訳:https://aanii.net/togetherforever-rickastley/

スーレーパゴダを出て、僕らはマハバンドゥーラ公園の脇にあるYBSのバス停がずらりと並ぶ所から黄金のパゴダ、シュエダゴンパゴダへ向かいます。スーミエがまだ行ったことがないというこの大パゴダで彼女はいったい何を祈るのでしょうか。

「スーミエ、ちょっと待ってよ」

スーミエはスーレーパゴダの長い階段を足早にスタスタと降りていってしまいました。

ジュエダゴンパゴダへ。

光り輝く黄金の大パゴダにスーミエの気持ちはすでに向かっていました。

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