7月初旬。私は中山北路を見下ろしながら國賓大飯店の前のMr.Brownに一人いました。その日は仕事も早く終わったのですが、夕方頃に經紀人のVickyから簡訊があって、一緒にコーヒーでも飲もうという誘いがあったため、彼女を待っていました。遅刻は台湾人のお約束ごとなので、あんまり気にはしてはいませんが、7時に約束したVickyが30分近く経ってもなかなか姿を現しません。彼女はどちらかというと真面目な台湾人なので、比較的時間には正確なので、こんなことは珍しいことでした。きっと加菲のことで進展でもあったのかなと思いながら、煙草をくゆらせていると、室内と室外を区切る透明なガラスドアがあいて彼女が姿を現しました。

しかし、彼女は1人ではありませんでした。18歳ぐらいの若い女の子2人を連れています。キャミソールにショートパンツをはいた茶髪の2人の子で、2人も可愛い子でした。

「對不起、一點晩到了。其實今天我等等新妹。她們是都女生、大學一年級、同窓的。目前已經暑假開始、所以她們希望上班在酒店。我覺得你是好人、而且你知道酒店的工作。今天要面試跟她們、一起吧!」

(ごねんね、ちょっと遅れちゃった。実は今日は彼女たちを待っていたんだ。彼女たちは学生で大学1年生の同級生なんだよ。現在、もう夏休みが始まっていて、彼女たちは酒店で働きたいと言うんだ。私はXXさんはいい人だと思っているし、その上、酒店の仕事内容のこともわかっている。今日は一緒に面接しましょう!)

私は突然の状況に驚く時間さえなく、いきなりの展開になってしまいました。Vickyは私のいろいろな酒店の仕組みや上班するときの女の子たちの心の状態などを教えてくれたのですが、また、新たな場面を設定してくれました。開會の様子を見せてくれたり、特別に女の子を紹介してくれたりもしたのですが、その度に私は「へーえ」という感じで感嘆することも多く、彼女はそんな私を見て、どんどんいろいろなことを積極的に教えてくれることが多かったです。

彼女たちは桃園に行く途中にある泰山という所にあるXX技術学院の子たちでした。初めて聞くちょっとマイナーな学校でしたが、台湾にはとても多くの私立の科技大学と技術学院があって、入試レベルもそんなに難しくない学校も多く、酒店で知り合った子たちの学生妹は多くはこのような類の学校に在学していました。彼女たちはVickyから私が何者かを紹介されていましたが、知らない間に詳しく私のことをすでに話していたようで、彼女たちは人見知りすることもまったくなく、すぐに「你好!」と言って自己紹介してくれました。

基本的にVickyが酒店の仕事の紹介をしていくのですが、彼女たちの希望は禮服店だったにもかかわらず、Vickyは制服店の仕事を勧めていました。確かに制服店はよく訳がわからないうちに勤めているような子が多く、とにかく数を揃えることが必要なことがありますから、まずは制服店に入れるのが經紀人の常套手段です。

制服店は秀舞のあと不回穿ですから、女の子も抵抗感があるのですが、禮服店は大框されてSがないと客がつかないことや酒が飲めて会話もうまく客扱いが慣れていないとまったく選ばれないことなどを話すとだいたいの子が制服店に勤めることに気持ちが傾くと言われています。

事実、禮服店は日式のクラブとやや似ていて、客人も一夜の相手を捜しに来る傾向が強いので、それよりは包廂で面白おかしくすごす制服店の方がある意味、気楽なことも事実です。制服店の場合は女の子も客人を拒否することができますが、禮服店の場合は包廂ではまず、拒否するような要素が発生しないため、大框されて出場してから、女の子と客人の世界になるため、かけひきにたけていないと厳しいとも言えます。

また、Vickyは必ず、制服店の服務内容を詳しく語ることはなく、最初は「こんなに儲るんだ」という1節120元~130元もらえるという話を繰り返し、一月でうまくいけば5~10萬元ぐらいの収入になることを繰り返し話していきますから、やはり女の子たちもすぐにその気になっちゃいますね。その時も「恩、恩」(うん、うん)と頷きながら、だんだんと2人の子が前向きになっていく様子がとてもよくわかりました。

Vickyがいつも使っている説明のカードのようなものがあって、それを少し紹介します。基本的に服務のことは詳しく書かれておらず、給料と態度のことを多く書いているのが特徴です。いわゆるもうかる話とビジネスに向き合う態度がほとんどであり、女の子の意欲をそがないようにして話を勧めていくつくりになっています。このあたりの話の展開は、うまく人間の心理を応用しながらの形になっています。

1 これは台中にある誰でも知っている酒店「金錢豹」の小姐が多くの金を稼ぎ、金持ちになったという話。
千萬

2 經紀人が女の子の立場にたった紹介や労働条件で契約しているという誠意ある仕事をしていることの紹介。
職務方針

3 酒店における基本的な身なりや態度などをまとめたもの。
容姿端麗

4 酒店における客人の接遇のコツについてまとめたもの。
話術
話術2

5 酒店における心がけと業績があがらない、不人気小姐は淘汰されることなどをまとめたもの。
説話

7 最後に紹介できる酒店の名前 制服店→禮服店→便服店という順にちゃんとなっています。
店名

面接の内容は極めて興味深く、だいたい1時間ぐらいだったと思いますが、すっかり彼女たちはやる気満々になっていました。私は相槌を打つ程度でしたが、彼女たちに安心感を少しは持たせられかもしれません。

彼女たちはVickyの話の後、すぐに契約書にサイン、捺印をしました。そして、彼女たちを今から制服店に連れていくということになり、私も一緒に行くことになりました。これから、どのような展開になるか、まったくわかりませんでしたが、乗りかかった船ですから、ここはとことん状況を見るかという気持ちになり、私とVicky,そして2人の女子大生は長春路を気持ちの良い夜風の中、歩き始めました。