僕は心から嬉しかった。涙が本当は出そうだった。恥ずかしかったから、こわばった顔で我慢したけど。
彼女はそっと手をさしのべてくれた。それは僕の心の琴線にふれる温かい手だった。



僕がとても信頼していた子から裏切りを受けた後、毎日のように励まし続けてくれた子にある粋なはからいがあって、別ルートで逢うことができました。彼女は 心から満面の笑みを浮かべて迎えてくれた。夜世界にありがちな偽りの笑顔ではなく、その目はやさしく微笑んでいました。そして、彼女を抱きしめました。体だけではなく、彼女のやさしい気持ちを。

夜世界のつながりは最後は金のつながりなのだと思うことはよくあります。ビジネスの手段として彼女たちは偽りの笑顔を浮かべ、甘えるふりをする。そんな子はたくさんいます。自分に利益がなくなり、さらなる太客が現れれば、あっという間に今まで馴染みだった人を切り捨てていくことは騙し騙されが当たり前のこの世界では、ごく普通のことかもしれません。それは私たち客だってきっと同じ。より魅力的な子が現れれば、夜遊びの世界ではそちらに乗り換えていく人の方が圧倒的に多いように思います。だって「夜遊び」ですから。

僕は自分の独特の考えがあって、夜世界で出会った子たちは特定の誰がいい・・・・・というような執着や固執は実はあまり、ありません。知り合ってつながりをもって、かかわった子たちとはみんな、良いつながりを続けていきたいと思っています。お気に入りの子というよりは、お気に入りの子たちという感覚でしょうか。逆にそれが夜の世界に生きる子たちにとっては、一人の客と色恋沙汰に深くならない、こじれた関係にならないと思ってるところもあって、台湾でも日本でもそのことは逆に彼女たちに安心感を与えていたように感じます。

台湾にいた時、よく一緒に酒店に行く駐在員の仲間たちがいて、ある時、こんな会話をしたことがありました。 

「僕は自分のタイプの子を見つけて、その子を抱きにいくけど、もぐさんは多くの子と仲良くしてますよね」

「うん。僕は一人の子にはあまり深入りせず、彼女と言うよりは、彼女たちという感じかもしれない」

「いつも見ていると普通の人と少しちがったところ、ありますよね」

「そうかな？」

「うん。僕から見れば、あえて言うなら、もぐさんが求めてるものは　”つながり”　ですかね、そんな感じ」

「それは間違っていないかもしれないなあ」

確かに僕は夜世界に生きる彼女たちとのつながりを大切にしているところがあります。美人で可愛い子やスタイルのいい子はもちろん好きですが、それよりも彼女たちとともに心を共有するというか、いろいろなかかわりをもつということができる子たちを大切にしたいと考えるところがあります。だから、台湾の時に出会った彼女たちとのいろいろな物語をこのようなブログで紹介できるのですが・・・。

前回のブログをアップした後、ちょっとエッチな台湾の夜遊び指南みたいな内容ではないのですが、多くの方から次々とメッセージやコメントをいただきました。拍手もあっという間に増えていて４０拍手以上になっていて驚きました。情報的なちょっとエッチな内容の時はアクセスがアップするのは網路では当たり前ですが、今回はこのような内容なのにアクセスが多く、４００名前後の方々がブログを訪問してくれました。彼ら、彼女らがどこの誰かはまったくわかりません。しかし、どれほど心の励みになったことか。心から感謝しています。


今回、裏切られた、とても信頼して可愛がっていた子にはいろいろなことを話していました。しかし、それがかえって裏目に出てしまいました。彼女はその信頼を逆手にとったのでしょうか、あらぬ嫌疑をかけ、いろいろなことを店に訴えたような噂を耳にしました。私が人を見る目がなかったのかもしれませんが、今回のことでいろいろなことも見えてきました。私はその店で１０名ほどの子とＬＩＮＥで連絡をとったり、その子が出勤している時に指名したりして懇意にしていましたが、店を出入り禁止にされたことを正直に多くの子に連絡したのですが、その時の反応は実に様々でした。

もう店に来られないなら用がないと思ったのでしょうか、ＬＩＮＥをすぐにブロックした子たちがいました。ＬＩＮＥのＩＤを変えて退室してしまった子もいました。本心がわかりました。しかし、自分とはもうかかわりがなくなるかもしれない、そんな状況になっても一番、励まして私を支えてくれた子をはじめ、ただのおじさんにしか過ぎない私を切り捨てることをせず、次々と温かい言葉を返してくれた子たちも５人いました。

どれほど彼女たちの気持ちが嬉しかったことか。

金の切れ目は縁の切れ目と言います。夜の世界は利益がなければ、つながりを絶つということが特に多い中、彼女たちは言葉のちがいこそあれ、きっとこれから多くの利益は期待できないのがわかっているにもかかわらず、通勤の電車の中から、深夜の寝静まった時間のベットの中から、表現のちがいはあっても温かい言葉を贈り続けてくれました。

あまり、このブログを書いていることは直接の知り合いには教えないのですが、彼女たちにはこのブログのことを伝えました。そして、すぐに長文の言葉やとても数多いコメントやメッセージを送ってくれました。それはとても心に響くものでした。



「高いお金を普通の人が稼ぐのには大変なこと。給料を貰ってそこから生活費携帯代とか色々...それで貯めたお金できてくれてるのかもしれない」
それと実はこのブログのことは僕が裏切られた子も知っています。だから、彼女は今、まったく僕とのつながりを絶ってしまたけど、もしかしたら見てくれるかもしれないという思いもあって書いています。今、彼女はどんな気持ちでいるのか知る由もありませんが、もし、見てくれているのならば、「人を信じる」ということの重みを騙し騙されが当たり前の虚飾の世界でも確かに感じることができる意味を知ってもらいたいと思っています。少なくとも彼女は幸せな時間をくれたし、今でも彼女のことを憎むことはできません。だからこそです。

事件があったのは１月１１日。１が３つ揃う日のことでした。あれから１１日。助けてくれた子たちのおかげで、僕も気持ちの整理がやっとできました。だから、彼女にもそろそろ、わかって欲しいかな。人のつながりとは何か、仮にそのつながりを絶つとしてもそのやり方はいきなり手のひらを返すような方法ではなく、少なくとも真摯であって欲しいことを。

中国語で「やさしい」ということを「溫柔」と言います。温和で柔らかい心という語源でしょうか。そして「思いやる」ということは「體諒」。體は体、諒は真実、まことという意味ですが、体や心が嘘偽りのないという語源なのでしょう。

「你們是溫柔、而且你們會體諒」　（あなたたちはやさしい、その上に思いやりがある）

かつて僕が酒店で奇跡と思うような出会いを通し、いろいろなことにかかわりながら彼女たちによく使った言葉です。

台湾にも心優しい子たちがたくさんいた。
日本にも思いやりのある子たちがたくさんいた。

不思議なことにあれだけ、可愛がっていたあの子の顔がよく思い出せません。気持ちとともに記憶も薄れていくのかもしれません。でも、苦しい状況の中でも、つながりを絶たずにかかわり続けてくれた彼女たちのことは忘れることはありません。これから、あまり会えなくても、もし、会う機会がなかったとしても心に生き続けます。

Just Like Starting Over..............。
もう一度、やり直そう、信頼できる彼女たちと。きっと日本の夜世界にも信頼できるつながりがあると信じて。






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