林間棧橋から茂興站に戻った私たちはちょっと時間があったのですが、蹦蹦車站は単線のため、先頭にある蒸気機関車が行き止まり部分の小轉盤でターンするのが、なかなか見所になっていて、私たちもちょうど太平山荘から来た列車が返回するところを早速見に行くことにしました。

「太平山蹦蹦車小轉盤是應該世界最小的」 (太平山のトロッコの回転台は多分、世界最小なんだよ)

 確かに軽やかに車両を回転させていきます。手慣れていて、ものの2~3分ぐらいでしょうか。
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そして茂興站に戻った私たちは再び蹦蹦車に乗って、大平山蹦蹦車站へと戻りました。車站の横にある「雲海咖啡館」でちょっと休憩。すごく、その名前の通り、景色が素晴らしく、山の斜面から下界を見下ろすような感じになっています。かつての日本統治時代の営林署の建物をそのまま使っていますから、雰囲気は木造で極めてレトロ、昭和時代にタイムスリップしたような感じになります。また、2階部分にあたる蹦蹦車の線路の横に開放型のオープンカフェがあって、これも多分かつての月台を利用していたものと思われます。

 手前のレトロな木造建築がそのまま雲海咖啡館になっています。
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 オープンカフェ部分は線路のすぐ脇。月台を利用して作られています。
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芊芊と朝から結構歩いたこともあって、少しゆっくりとおいしい珈琲(中文では咖啡)を飲みました。やや疲れていたこともあって、まったり。いつも落ち着きがない芊芊も幸せそうな顔をして大好きな珈琲を飲んでいました。 その後は、おいしい高山茶を飲みながら、これからの計画を芊芊と話し合いました。

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【宜蘭】太平山莊、雲海--館 @ 粉紅吉娃娃 -- ・客邦 PIXNET --

 雲海咖啡館からの美しい景色。月台の反対側は山を見下ろす感じで視界が広がります。
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「 紅葉步道終點的鎮安宮、是檜木打造的一座小廟宇。原為太平山林場時代的日本神社、祀奉天照大神。民國三十四年、變更為鎮安宮、改祀鄭成功、 大概有「收復台灣」的歷史寓意。而剛才走上來的中央石階路、就是昔日的神社參道了。雖然改朝換代、太平山經營不變、林務局率由舊章、承緒前朝遺業。鎮安宮後方的大片山林。 雖然號稱為原始森林公園、但其實已無巨木高樹、而是砍伐後的新造林及自然演生的二代檜木」

(紅葉歩道の終点は鎮安宮という名前の檜で作られた小さな廟があるんだ。 元々は太平山が林業地だった時代の日本の神社だったんだよね。祀られていたのは天照大神だよ。だけど民国34年ー1936年に鎮安宮となって鄭成功が祀られたんだ。おおよそ、それは台湾を取り戻すというような歴史的な意味合いが強かったの。実はさっき上がってきた中央の石段は昔の日本神社の参道ってわけ。日本が引き上げて台湾政府が実権をもっても太平山の経営の方法は変わらなくて、林務局も古いままのスタイルを引き継ぐことにしたんだ。鎮安宮の後方には大きな山林があるよ。だけどね、原始森林公園って呼ばれているものの、実際には巨木はもうないの。ほとんど伐採された後に植林された木々と自然に生えてきた二代目の檜木が森をつくっているんだ)

 中央石段を中心とした太平山荘の導覧図。
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私たちは雲海咖啡館を出て、再び「紅葉歩道」へ。ここから石段を登っていくと左側には「文史館」という当時の太平山林業地における日本統治時代の歴史的な足跡を展示する建物があり、芊芊とともに入ってみました。台湾で私は芊芊の導きによって、多くのちょっとマイナーな日本統治時代のいろいろな歴史的遺産を訪ねましたが、いずれも台湾人の方々が一時期の光復時代の抗日運動を乗り越えて、今は日本統治時代の歴史を後世に残そうと整備していただいていることに心を打たれました。この太平山文史館もそのような意味合いのある施設で、当時の営林施設をそのまま使い、台湾の中の日本が再現されています。

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文史館を後にし、私たちはかつて日本神社だった鎮安宮に到着しました。石段は全部で418段。昔の神社への参道は、その終点こそ姿を変えましたが、大正・昭和の時代からそのままの姿で残っていました。

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さらに私たちは原始森林歩道へ。大回りすると1.2km、小回りだと0.8kmということで私たちは小回りのルートを選択しました。芊芊が言うとおり、細くてまだ、大木とは言えない檜木が多く、原始森林という名前負けしているかなと感じました。さっきの茂興懷舊步道の方がはるかに原始林や多くの朽ちた巨木がそのまま苔むして残っています。植林された樹木が多いので致し方ないかもしれません。

 苔が多くて、すべりやすい歩道です。登りはいいのですが、下りは転びやすく、要注意。
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 細くて高い樹木が多く、植生も豊かとは言えないかもしれません。杉や檜など林業に向く木々がほとんどです。
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さらにこの原始森林歩道の奥には鐵杉林歩道が続くのですが、時間の関係で断念。鐵杉林の方が伐採された後の放置された期間が長く、かなり美しく味わいのある木々もあるようです。

 鐵杉林歩道。原始林歩道のさらに先にあって、1時間ぐらいはかかるため、行くのを断念しました。
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私たちは再び、ぐるりと原始森林公園歩道を巡り、中央石段に戻り、太平山荘服務站へと帰ってきました。

芊芊とともに今日の午前中は日本統治時代の太平山林業地の足跡を巡る旅でした。鬱蒼とした密林、昔の姿そのままの壊れかけている線路。そして観光資源として整備され、多くの観光客を楽しませてくれている蹦蹦車。伐採や運材という普段、私たちがあまり知ることがない産業の歴史や台湾での発展の過程を知ることができました。

 太平山林業の歴史。ちょっと堅い内容ですが、ぜひご覧ください。この太平山にかかわる日本の果たした役割や、その足跡がよくわかります。


木材故事~三星區の紹介HPより。よくその歴史がわかります。

また、この時は行きませんでしたが、平地線の羅東林鐵の復興もさかんで、三星から天送埤までもかなり整備されてきており、多くの台湾人の方々が訪れ、かつての日本統治時代の見直しが進んでいます。



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「芊芊、我們餓肚了!」 (チェンチェン、お腹が減ってきたね!)

「嗯、我們走了、很多的距離哦!」 (うん、私たち、すごくたくさんの距離を歩いたからね)

「下午、我們放鬆吧!我們去鳩之澤溫泉區吧!」

(午後はリラックスするからね! 鳩之澤温泉に行くよ!)

私たちは早朝上がってきた太平林道を下って、鳩之澤へ。きっと気持ちいいだろうな。これから行く鳩之澤は本格的な温泉と聞いていたので、ご飯を食べてからゆっくりできる楽しみもありました。

いつもながら、機車をとばす芊芊。この娘と知り合えて本当に良かった。
日本人が忘れがちな台湾のかつての原風景を訪ねる旅は深い記憶と大きな感慨を残し、まだまだ続いていきます。

 太平山・原始森林公園の門戸。かつては本当に原始林だったのでしょう。
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