ドルが100円を超してからの展開は、あまりにも経済状況の展開が激しく、日本に帰ってきてから最も厳しい日々となりました。5月23日の午後、株価の超下落と為替の下落は1143円安という13年ぶりの大下落、さらに24日も500円近い下落と一気に大暴落となりました。

 5月23日(木)
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 5月24日(金)
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原因の発端は22日のFRBのバーナンキ議長の22日の議会での証言とそれに続く質疑応答にあると言われています。いわゆるアメリカの出口政策である規制緩和の早期終了の示唆なのですが、一般的にはドル高円安になるのが普通。確かに23日の午前中には今までのトレンドと同様、一本調子で日系平均は16000円近くまで上がり続けていました。

「If we see continued improvement and we have confidence that that's going to be sustained then we could in the next few meetings ... take a step down in our pace of purchases. If we do that it would not mean that we are automatically aiming towards a complete wind down. Rather we would be looking beyond that to see how the economy evolves and we could either raise or lower our pace of purchases going forward.」

バーナンキ議長の発言は、アメリカの株価の上昇においてもミニバブルが発生していますが、
株価は経済ファンダメンタルズと一致していないことをやんわりと否定したともとれるのですが、それが多くの思惑を逆に生んだのかもしれません。

さらに長期金利が上がる可能性が強まったことも大きな影響を及ぼしました。22日、日銀総裁の黒田氏は「景気回復や物価上昇の期待が大きく上がると金利が上がることはある」とも述べました。実際ジワジワと長期金利の上昇が進みつつある現状はアベノミスクの危うさ、日銀の異次元緩和のリスクを生み出していたとも言えます。23日はさらに中国の経済指標の数値が大きく後退というさらに追い打ちをかけるような展開が重なり、一気に投資家の利益確定が進むという様相を呈してしまいました。

日銀:政策決定会合 長期金利の制御に苦慮 国債購入の頻度増加も
長期金利に簡単に上昇してもらっては困る理由


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長期金利1%は許容範囲だが、上昇傾向が顕著になることは避けるべき=井上公明党幹事長

思えば1年前、ユーロは欧州危機に面し、94円に低迷、ドルも75円という超円高でした。11月頃から一気に自民党によるアベノミスク期待が先行、一本調子でほぼ外貨と株価が押し目もなく上昇。さらに黒田体制に変わった日銀の異次元緩和により、急上昇という金融政策に強い影響を受け、実質的な
経済ファンダメンタルズとはかけ離れているという印象を与えながら、市場は大きく膨らんでいました。

しかし、1ドルが100円という節目を超えるかどうかというところで2度、はねかえされ、オプションが薄くなったところで、ファンド勢による力業での意表を突かれての100円突破し104円近くまで急上昇をしており、105円の壁が意識され、ユーロも135円の壁が見えてきたところでした。

朝日新聞は株価のこの大下落について、一面の編集委員の論文で「アベノミクスの危うさ露呈」と見出しをとり、「株価上昇を景気好転と勘違いすべきだではない」「市場にお金を永遠に投資し続け株価を上げることはできない。この政策にひそむ危うさはそこにある」と断じています。毎日新聞も社説で「株価上昇や景気回復を、日銀が供給するお金の量を増やすことで実現しようとする考えは安易すぎる」と批判しました。

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翌日の24日も戻したものの、すぐに反落、波乱の週末となり、経済情勢のあまりの乱高下についていくのがやっとの状態でした。その後、今週に入り、日本政府や日銀筋の「日本経済は順調に回復、現在は一時的調整」発言や日本経済新聞などの「アベノミスク小休止」論調もも相次ぎ、ミニバブルの崩壊を抑えたこともあって、再び、週の頭には14000円~14500円のもみあい状態が続ていますが、アメリカ経済指標の強い数字と欧州の若年層失業率の悪化とさらなる緩和期待などのせめぎ合い状態が続き、反発と下落という乱高下を繰り返しています。

この週頭にはドル101円越えがなかなか厳しかったものの昨日はあっさり102円を回復して上昇、しかし、今日は再び今現在101円を割り込み、1ドル100円を割る調整場面も再び、視野に入れなければならない状態になってきました。ユーロも同様130円を一時割る場面がありましたが、その後持ち直して132円まで上昇したものの、再び今現在、130円を割るかという状況になってきています。底堅く100円は維持するという見方が根強いものの、昨日の強かったアメリカ経済指標を受けても今日は下落してドル売りが強まっており、再び週末にかけてアメリカなどの大手ファンドが投機的な仕掛けをする可能性も否めません。

東証レビュー29日・日経朝刊

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やはり、「波乱の5月」でした。5月のGW開けは要注意という国際為替関連のジンクスがありますが、急上昇、急落という乱高下が待っていました。今、まったく先が読めなくなってきています。オプション契約をこの後、どう設定していけばいいか、これだけ短期間の間に為替が上下動し、株価も上下動して連動するとなると設備投資や価格、為替差益も大きな契約ではどう長期的な視点で組んでいくかが大きな焦点になってきます。

三井住友信託銀行 調査月報 2013 年6 月号

時論 ~ バブルに対する健全な警戒感と猜疑心

4 月4 日に実施された「量的・質的金融緩和策」から2 ヶ月弱経過した。この間、リフレ派・反リフレ派間で、「物価上昇2%は達成できるか」「ハイパーインフレを誘発しないか」「日銀による財政ファイナンスと見なされないか」など、その効果とリスクについて活発な論争が行われているが、アベノミクス第三の矢である成長戦略が成否や功罪のカギを握るという点では、ほぼ一致しているようだ。
 
向こう1 年間を展望すると、世界経済は米国が牽引する形で成長率は上向き、日本経済も輸出と公共投資に主導され、企業収益の増加を背景に設備投資にも多少は動意が現れ、景気は回復基調を辿るだろう。物価は上向こうが、消費税増税分を除くとまだ上昇率2%には達せず、さらに日銀の大規模な国債買入によって国債市場の流動性が低下し、日銀は緩和策の出口を探りにくくなった(日銀が出口を探る動きを見せれば、買い手不在から国債価格の急落懸念があるため)点も勘案すると、異次元と言われる金融緩和は続いているだろう。

政策当局や各経済主体がどう立ち振る舞うかが、量的・質的金融緩和策のパフォーマンスや後世の評価を左右するのではないか。
 
と言うのも、上記の経済金融状況は、バブル-ここでは①株価や不動産価格がファンダメンタルズから大きく乖離して上昇する「資産バブル」、②金融市場においてリスク・リターンのバランスを失したミスプライシングが横行したり、経済主体のレバレッジが加速する「信用バブル」を指す-を生む素地となるというのが、近年の経験の示すところである。
 
世界に目を転じると、米国ではジャンク債市場が過熱気味となり、オランダやデンマークの家計可処分所得の債務比率は過去最高レベルまで上昇しており、ポーランド・南アフリカ・ロシア等の各10 年国債利回りは過去最低水準まで低下するなど、先進国揃っての金融緩和策を背景に、“バブル”とまでいかなくとも“フロス”的状況が散見され始めている。日本がこうした動きと無縁でいられる保証はなく、何よりもバブルはいつかは崩壊し、その規模次第では将来に甚大な傷跡を残す。
 
質的・量的金融緩和策の効果を最大限引き出し、かつその副作用やリスクをミニマイズし、成長戦略を真に実のあるものにするためにも、バブルへの健全な警戒心と猜疑心を、今一度呼び覚ますべきではなかろうか。


サンケイ

乱高下が続く東京株式市場について、市場関係者の間では、今後1カ月で日経平均株価がさらに1千円超下落する可能性を指摘する声が出ている。株価上昇の勢いが完全に止まるという見方はほとんどないが、昨年11月中旬以来、一本調子で上がってきた株式市場は、大きな曲がり角を迎えている。
 
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸投資情報部長は「ヘッジファンドが大口の売りを出した」と指摘する。もともと、日本株の大幅上昇を支えていたのは海外投資家。昨秋からの買い越し額は9兆円を超えており、これまでの投資による利益の一部を確定する動きが出ているようだ。藤戸氏は「当面、株価の変動性の高さは続くだろう」とみる。

日経平均株価は今後1カ月で、1万3000~1万3500円まで下がる可能性が指摘されている。しかし、あくまで「相場が急上昇するときに起きるべき調整」(マネックス証券のチーフ・ストラテジスト)との見方が強く、「ミニバブル」崩壊のように上昇局面が完全に終わるという予測はほとんどない。
 
fxforum_usd

厳しい日々が続きます。ブログも先週末から今週に頭にかけては書けるなかなか余裕がなく、メッセージをいただいた方々にもご返信が滞っており、心痛い限りです。しかし、私たちは国際的な舞台で勝負を続けていかねばいけません。先行きが見せない世界経済を何とか読み、各国の思惑を感じながら。

これからの日本。本当にどうなっていくのでしょう。

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