台湾の旧正月はひと時代前の日本の正月を思い出させます。

この1月2日に大学の仲間との新年会を新宿でやったのですが、どこの店をやっていて、飲み屋も人でいっぱい、全く普通の日とかわりませんでした。街も人があふれていて、こんなにみんなどこに行くんだろうというのが久しぶりの日本の正月の印象でした。

台湾の旧正月は、大晦日から約1週間ぐらいは街が本当に静かで人がいなくなります。特に首都・台北は南部や東部から出てきている台湾人が多いため、皆、旧正月休みを利用して故郷に帰ることが多く、静かなひとときですね。

ただ、困るのは店があまりにもやっていなくて、銀行もやっていませんから便利な現代日本の生活に慣れていると頼るのはコンビニと24Hのマックぐらいのもんでした。最初の年に大晦日に夕食を食べに出たらどこも店がやっていなくて、結局、近所のマックのだだっ広い地下でたった一人だけでわびしくマックを食べていたのを憶えています。客も一組ぐらいしかいなくて、従業員もおらず、驚きました。 

さて旧正月の新年明け一週間の期間、酒店はやっているかというと、実は年中無休でやっています。しかし、この時期は多分、私が思うにもっとも行っても意味がない時期です。まず、料金が特別料金でとても高くなります。これは領枱や公關の子たちの大部分が故郷に帰ったりするために休みをとりたがり、上班の子がいないことが原因です。酒店を経営する公司は旧正月期間とは言え、一定の客は来ますから、女の子たちの給料を高くしています。普通彼女たちの給料は1節(10分)110~160元なのですが、これが200元~250元ぐらいになります。そのため、金儲けに執着している小姐が結構残っており、普段は200人近くいる子たちも50人前後になりますから、客に選ばれる確率がグーンと上がり、一部の子にとっては稼ぎ時なのです。

客の料金もそのために跳ね上がっていて、だいたい倍額以上です。当時使っていた震洲も旧正月期間は1節500元でしたから、1時間で3000元でした。旧年の尾牙やまわりの親族に配る紅包(お年玉のこと)で客も金欠状態ですから、酒店に行ってもそれほどは賑わっていません。

震洲も基本的には休みと言っていて、彼も親元は高雄だったので、2~3日、南部に行ってくると言っていました。そのため、私は旧正月期間の1週間は比較的のんびりとすごしていました。旧正月明けの2月中旬の火曜日、震洲から簡訊がいきなり来ました。見ると、あの12月24日に出逢った寶貝が今日約1ヶ月半ぶりに上班してくるというのです。実は、私は懇意にしていた蓉兒と悦悦が下檔したこともあり、ちょっと酒店に行く気が薄れていました。しかし、あの可愛い寶貝が上班にするならば、絶対行こうと思いました。

「我決定過去酒店帶你」(僕は震洲と一緒に行くことを決めたからね)という返信をし、夜の7時30分に林森北路と長春路の交差点から少し南に行った所にある漢堡王(バーガーキング)で待ち合わせました。旧年の尾牙攻勢が終わったこともあり、接待や飲み会も入っておらず、仕事が終わった後に駆けつけるとすでに彼はコーヒーを飲みながら待っていました。

震洲は「今天、寶貝到八點。所以我們馬上過去比較好(今日、寶貝は8時に来るから、私たちもすぐに行った方がいいよ)と言って私はコーヒーを注文することもなく、彼のバイクに乗りました。実はこの漢堡王から酒店は歩いても5分ぐらいなのですが、彼がバイクが心配だということで、バイクで行きました。2分後に到着し、入口でカウンターを出すのを準備していた体格の良い黒服の男に自分の名を告げ、大樓の通路をどんどん入っていきました。通常酒店の晩場(夜の部)は8時から始まり、基本的には朝の6時までです。しかし、朝6時に入る客にも2時間は保証しますから実質的には朝の8時までが晩場となり、酒店のスタッフは普通夕方の7時40分頃から準備に入ります。 

エレベータに乗って、3階で降りるとまだ、大廳はガラーンとしていて領枱も公關もまったくいません。こんな早い時間に来たことは今までなかったので本当に公關たちがいるのかなとちょっと心配になりましたが、とにかく震洲と一緒に包廂に入りました。

領枱や公關が来るのは実は10時がピークで正職の子は10時から朝6時までの8時間勤務のシフトが圧倒的に多いです。しかし、寶貝のようなPT妹は朝まで無理させないことが多く、8時から2時までの6時間勤務ぐらいが多いのが実際です。なぜならば10時以降に来る客は少し酒にも酔っていて、数多くの女の子を見て挑選(女の子を選ぶこと。挑という言葉はつり上げるという意味があって、やはり酒店独特の言葉です)するということを楽しむことやボディサービスの良い子を探しにくるため、このような客に彼女たちをつけたくないからです。

実は早い時間に来る客は多くの子から選ぶというよりもお目当ての子に会いに来るため、早めに包廂に入り、自分の優先順位をあげて確実にお目当ての子を包廂に呼ぶことができるようにしています。だからPT妹がやめないように客を選ばなくてはいけない立場の行政も余裕がある早めの時間に彼女たちを上班させて、来客がピークになる11時前後にはPT妹がすでに良客について上枱している状態にしておきたいという思惑があります。

従ってポンのようなスケベ客を引っ張ってくる幹部やエッチ目的で来る客は彼女たちの存在も当然知らないし、姿を見ることもないのです。彼女たちが11時頃に最初の客から下枱したとしてもその頃にこのような性格の良い子たちは良客やその存在を知っている一部の幹部に預點(予約指名)されていることがほとんどで、空枱には加わらず、下枱して控枱した後、行政や幹部がすぐにつかまえて手を引っ張って直接良客のいる包廂に連れて行きます。実は100人以上の大量の女の子がいますから客はそちらに目が行っていますが、良い子たちはこのようにうまく隠されていて、彼女たちも仕事を続けていくことができる仕組みがうまく作られているのが本当の所です。

さて、包廂に入ってしばらく待っていると8時10分頃、震洲が寶貝の手を引いて彼女とともに包廂にやってきました。そして、彼女はあのとても可愛いらしい笑顔を私に会った途端に見せました。

すると寶貝はいきなり「好久不見!」(久しぶり!)と言っていきなり、抱きついてきました。それは迷子になった小さな子どもがお父さんを見つけたようなそんな感じでした。私も彼女に再び会えたことがうれしくて、思わず強く抱きしめてしましました。

しかし、この夜、寶貝とともに思いもしなかったことに遭遇し、そして、私自身が本格的にこの台北の夜世界に足を踏み入れることになる長い夜になるとは思ってもいませんでした。

 画像は包廂の中でそろってお座りする公關の子達です。この制服酒店はウェストを紐などでしめた馬甲服という 乗馬する時に着るようなキャミソール風のコスプレをしています。各制服酒店ごとに特徴があってなかなか興味深い感じです。 

 なお、ブログの記事に関係ある画像を貼っていきますが、絶対に撮影は禁止ですので、ご注意ください。これらの写真は酒店のスタッフや幹部が撮影し、私に提供してくれている特別なものばかりです。また、画像の無断使用や流用については絶対に禁止です。ご理解をよろしくお願いします。    

在包廂4人組公關