震洲とともに包廂に入るといつものように小爺がやってきて飲み物は何かと聞き、いつも通り台湾啤酒を頼みました。すると震洲は「等等一些在包廂 (包廂でちょっと待ってて)と行って包廂から出て行ってしましました。私はまた、しばらくすると行政が空枱の女の子を10人ぐらい連れて入ってくるかなと思っていました。

しかし、10分ぐらいしても 行政も 空枱も入ってきません。あれ?どうしたんだろう。入った時は公關の子は結構いたし、まだ時間も10時を回ったところだから、空枱の子たちはいるはずなのにと考えていたその時、無造作に震洲が入ってきました。しかし・・・・・。

「來來來」と彼は包廂の外に向かって手招きをしています。すると小柄な可愛い公關が入ってきました。よく憶えていますがもじもじしたような、緊張したような、そしてちょっと口元は微笑んでいるような表情でした。震洲は私の隣に彼女を座らせ、また、筆談混じりで話し始めました。

「今天她是第一次來的。真的新妹。新進公關避免自己跟單一客人在包廂。因為不懂得應對的情況下。較會吃虧的是自己。所以像我帶的妹妹没經驗都先上三個客人以上。比較有秭妹可以互相照應。新妹需請行政人員固定每半個小時巡視包廂一次。了解上枱情況。也避們在包廂不跟客人進去厠所。這様是我們的規定。不過如果她上枱三個客人以上的話、應該有危険一點。因為兇的公關也有。不過你有信用。我也相信你。你是特別的。剛剛已經我跟她的經紀人協商了。因為她相信我所以她了解的。新妹是我們的聖誕節禮物的。你給她溫柔一點點」

(今日、彼女は初めてここにやって来た。新しく入る女の子は自分とたった一人で来ている客と一緒に包廂にいることを避けることができる。なぜならば自分がいろいろなことがわからない状況の中では損をすることが多いからだ。だから私がつれてきたこのような子はまったく経験がないのですべて3人以上で来ている客につかせることにしている。そうすれはベテランの子がお互いに世話をすることができるからだ。新しい子は店の行政が必ず30分に1度は巡視しなければいけない。どのように接客しているかを理解しておかねばならない。また、包廂の中のトイレに客と一緒に入らないこともできる。このようなことが私たちのルールだ。しかし、彼女が3人以上の客についたとしても危険はやはり少しある。なぜならば意地悪をしていじめる子もいるからだ。しかし、あなたは信用が有る。私もあなたを信じている。さっきすでに彼女のマネージャーに相談してきた。彼女は了解したよ。なぜなら彼女は僕を信頼してくれているからね。この新人の子は私たちからのクリスマスプレゼントだ。あなたも彼女に少しだけ優しさをあげなよ)

この時はいくらかわからない言葉があったのが正直な所です。特に「經紀人」という人の役割がよくわかりませんでした(後ほどブログの中で説明していきます)。しかし、彼の話していることの90%は理解できました。人の能力とはすごいもので、火事場の馬鹿力というか、この時は実質的に初めての中国語オンリーの世界だったので、中国語がこんなにもできるのかというぐらい集中していたこともあります。

確かに今まで行った制服店でのいろいろな疑問がここでも解けました。あんなにたくさんいるはずの公關は日々入れ替えが多少あるはずなのに、以前の制服店・美麗殿では入ったばかりの新人の子についたことはまったくありませんでした。蓉兒と仲の良い悦悦も新人とは言え、初めて逢ったのは美麗殿に入ってから2週間後ぐらいの時でした。

確かに密室の包廂では誰もすぐに助けてくれる人はいません。女の子をしこたま酔わせて強姦したり、トイレに連れ込んで外から見えないようにしてあこぎなことをやろうとする客も実は後を絶たず、その時にどのようにそのような状況や危険を回避するかは極めて重要なことです。だから、できる限り複数の子と一緒に包廂にいることはとても大切で、もし、一緒にいる子が危険な目に遭いそうになった時に助けを呼んだり、防いだりできますし、客も他の女の子や自分の知り合いが同じ包廂にいれば、なかなかあこぎなことはしにくいでしょう。だから新人の子は1對1(1人の小姐が1人の客を接遇することを酒店ではこのように言います。これも重要なキーワードです)を避けられるように規定を設けているのです。

酒店は従って ベテランの子でも「1對1」を絶対にしない子も結構います。私は今2人の子を同時に包廂にいさせることが多いのですが、それは女の子にとっても安心感があるからです。もし1對1ならば、いつか、この客がSやFといった性的サービスを無理強いしてくるかもしれないという極度の緊張感の中で接客しなければいけないから、心が解放できず、のびのびとすごせないからです。

ですから基本的に貞操観念の強い子は 「1對1」は何回か通って客と信頼感が相互にできてからする場合が多いです。初めてや2回目ぐらいだと 「1對1」 をしない子も多いです。最初から「1對1」で来てくれる子はある程度、客を躱せる接客技術があるか、SやFなどを小費をもらってこっそり自分のビジネスをやっている子がほとんどです。あとは幹部や行政、經紀人などに「良い客」と信頼があって紹介される場合でしょうか。

後ほどエピソードで紹介しますが、私が一番呼んだ戀戀という子は基本的に絶対 「1對1」をせず、ほんの一握りの自分が信頼している客としかしません。彼女がよく言っていましたが、「客は嘘つきが多く、最終的にはいかに早い時期に安くセックスするかしか目的がないバカが大部分」だということでした。危険な目にあったことも多いと言っていましたが、私も彼女の言うことは当っていると思っています。

しかし、多人数で来ている客の包廂に複数の小姐といても、新人の若い可愛い子は妬みもあって、ベテランの正職公關や領枱からいじめられます。若い可愛い子たちは「兇」という言葉をよく連発します。これは「意地が悪いとか、怖いとかいじめる」といったような表現が詰まっているような形容詞で、私が最初に懇意になった蓉兒も入れ替えの時に去る小姐ににらみつけられることが結構あって妬みをかっていました。ですから「她是兇的!」とよく言っていました。

また、酒店に行くととすぐに気づきますが、包廂には小窓があり、時々、行政が覗いています。それと包廂には鏡がやたら多くて、実はこれも覗き窓から見えないような死角がないようにするためのものです。見ず知らずの客と包廂という密室で接客するという危険が伴う酒店では、すべての女の子が「安全」ということを一番、重視しています。だからこの小さな覗き窓は彼女たちにとっては恥ずかしい接客中の姿を見られるというリスクもありますが、時には危険があった時に外の行政たちがとっさに救いに入って客を制止できる頼みの綱にもなっています。

ただし、今の私のように女の子や行政と信頼があれば、ほとんど覗かれません。たまに覗かれるとそこから光が入るのですぐにわかりますが、彼女たちも現金なもので「不可以偸看!」(盗み見するな !)とか言っていますね(笑)。

さて、震洲に連れられてきた子は、とても可愛い18才になったばかりの子でした。少しオドオドしながら私の横に座り、そして自分のコップにも啤酒を入れ、乾杯をした後に話し始めました。

彼女の名は寶貝。

震洲が連れてきたこの小柄で可愛い子との出逢いこそが、その後、私がこれから酒店で多くの夜の世界の住人と心の交流をもつきっかけになろうとはこの時は思いもよりませんでした。

 画像は聖誕節活動(クリスマスイベント)のコスプレを身につけ、大廳で来客を待つ大量の制服店の公關の子たちです。このように空枱の公關が大廳で待つクラブは少なく、これが2009年にピークを迎えたこのクラブの売り物でした。領枱ではなく、実際につく公關の子が出迎えるというドキドキ感は他のクラブにはあまりありませんでした。

 なお、ブログの記事に関係ある画像を貼っていきますが、絶対に撮影は禁止ですので、ご注意ください。これらの写真は酒店のスタッフや幹部が撮影し、私に提供してくれている特別なものばかりです。また、画像の無断使用や流用については絶対に禁止です。ご理解をよろしくお願いします。  

大廳の公關