いきなり手錠を掛けられた私は面食らってしまいました。おもちゃの手錠とはいえ、ちゃんと鍵がかかるのです。まあ、お遊びと思いましたが、女の子の肩に手もかけられないし、腰や太ももに手をやることもできません。

女の子はニコニコ笑っています。ただ、「はずしてちょうだい」という中国語は当然、わからなくて、せっかく筆談のために用意したメモ帳やボールペンも使うことができません。弱ってしまいました。

彼女は困っている私を見て面白がっています。しばらくすると彼女は「你是日本人嗎?(あなたは日本人なの?)」と聞いていました。そして「好玩嗎?你不可以摸摸把!(面白い遊びでしょう?あなたはおさわりができないでしょう!)」と行ってきました。今は「
摸摸(おさわりの意味)」という言葉は当然わかりますが、当時はわかりませんでした。この 摸摸」が台式制服酒店のメインの遊びですから、酒店ではとてもやはりよく使う言葉です。

彼女は手錠の鍵を5分ほどではずしてくれて、そして最初に行った店と同じように包廂を暗くして大音響のダンスミュージックとともに女の子の秀舞が始まりました。 ほぼ、最初の酒店と流れが同じでした。秀舞が終わるとそのままの格好で彼女は私の横にまた座りました。

しかし、ボディランゲージが中心だった最初の酒店とは異なり、秀舞が終わると女の子は積極的に言葉があまりわからない私を楽しませようとしてくれました。まずは、陶器製の大きなお椀を出し、その中にサイコロが4個入っています。ほほう、これは日本のチンチロリンみたいなもんだろうなと思いました。日式のスナックでも台湾人が来て小姐たちとサイコロを振って遊んでいるのをよく見かけましたが、自分はやったことがありませんでした。ただ日本のチンチロリンはサイコロが3個なのにこれは4個入っています。

きょとんとしている私に彼女は一生懸命メモ帳に例を書き、実際にやってみながらジェスチャーを交えてルールを教えてくれました。ルールは簡単でこれが私が初めて覚えた「玩遊戯(ワンヨーシー):ちょっとしたゲームのこと)」でした。「玩遊戯」は酒店では実に一般的な遊びでいろいろな種類があります。負けた人がグラスにつがれたビールや酒を一気飲みするのが、台湾人の酒店での一般的なやりかたです。

ですから負けた女の子は、負ける度に酒を一気飲みしなければならず、それを客が帰った後に、またシラフの新しい客と包廂を替わるごとにしなければいけないので、実はすごく女の子にとっては大変です。そして、この「玩遊戯」が私と女の子たちの交流を深めるきっかけに実はなるものでした。この時はそんなことは知るよしもありませんでした。

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彼女が教えてくれたのは、最もわかりやすく簡単な「玩遊戯」で「施八豆玩」と言いますが、サイコロが4つでやるとしたらまずこれですから、名前など知らなくてもまったく問題はないです。簡単にルールを説明しておきます。

< 施八豆玩法 >

まずサイコロを4つ用意してお椀の中などに振ります。4つのサイコロの内2つが同じ目が出たら、残りの2つの目を合計します。つまり、3・3・5・6ならば11點です。次に女の子が振って2・2・4・5ならば9點で11點の勝ちというわけです。同じ目が3つそろう場合、例えば3・3・3・5のような場合はやり直し、また、1・5・6・4のように4個の目がバラバラの場合もやり直しです。5・5・5・5のように4つの目がそろった場合は文句なしの勝ちで、これに勝てるのは6・6・6・6と大きな目を4つ揃えた場合のみですから、まあ、確率的にはまずないです。中国語の解説もつけておきます。

< 施八豆玩法(很簡單) > 

四顆豆子,把他骰進去了以後看他的數字,分成兩部分,一部分是兩顆骰子數字相同不用去看數字大小,另一部分是看兩顆骰子數子不同去相加起來,然後比數字的大小 

舉例1:(同照片)成立時的骰子的樣子,假設骰子的數字分別為2253。則數字相同兩個骰字2的不看,看另外兩顆的數字相加。則是5+3等於8 

舉例2:(同照片)成立時的骰子的樣子,假設骰子的數字分別為4423。則數字相同兩個骰字4的不看,看另外兩顆的數字相加。則是2+3等於5 

以舉例1跟舉例2比起來,就等於是舉例1的分數8較高,則贏了舉例2這樣

ルールを理解した私は彼女と30分ぐらいはこ「玩遊戯」を楽しみました。ただ、負けるたびにグラスに注がれたビールを一気飲みしないと女の子がもっていた動物のしっぽみたいな柔らかい棍棒(ミニスカポリスですからね)で頭をたたかれ、「加油!加油!」と言われ、しこたまビールを飲むことになってしまいました。

 制服店ではよくテーマを決めてコスプレ(角色)の制服を着ています。制服は女の子自身が実は買わねばならず、配給ではありません。うまく女の子が働かないといけない仕組みを公司(酒店を経営している会社)は作っていて、制服も女の子に買わせる価格は3000元~4000元ぐらいします。だから、制服代の分はただ働きみたいなもので、給料から引かれる仕組みです。実際には1着500元前後ですから、制服店がしょっちゅう制服を替えるのは客の目先を変えることよりもこちらの意味あいが大きいのかもしれません。画像は当時、農安街にあった制服酒店・美麗殿のプロモ用写真です。ミニスカポリスとイミテーションの軍服の制服を着た女の子たちです。

 なお、ブログの記事に関係ある画像を貼っていきますが、絶対に撮影は禁止ですので、ご注意ください。これらの写真は酒店のスタッフや幹部が撮影し、私に提供してくれている特別なものばかりです。
また、画像の無断使用や流用については絶対に禁止です。ご理解をよろしくお願いします。

美麗殿 ミニスカポリス