すっかり早起きになった私と芊芊は民宿で早餐。値段の割にはお得で味もよく量も十分でした。ただ、この民宿は芊芊が言うにはとても人気があって、前もって預訂しておかないと飛び込みでは泊れないことが多いとのこと。また、元燈會が開かれる元宵節のピークシーズンは相当前から預訂しておかないととれないし、料金も3000元ぐらいになってしまうという話でした。私たちは夏の暑い時期(あまり、昼間台湾人は出かけません)で平日だったこともあり、お得な価格で泊まることができました。

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さて、芊芊は今日に限ってあっさりと早餐の時に行く所をばらしてしまいました。当たり前かもしれませんが、「鹿港老街を中心とした鹿港の中山路周辺を散策するから」と言います。芊芊が言うには暑くない午前中に行くのがコツで、開いていない店は結構多いものの、観光客も少なく、空いていて気持ちがいいとの話でした。この時期、鹿港は暑いので、夕方のたそがれ時から夜にかけてが一番、混み合う時間とのことで、早速、芊芊の建議(中国語でアドバイスのこと)に従って、私たちは民宿をチェックアウトし、再び、昨日行った中山路のあたりへと向いました。

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 これは鹿港民俗文物館でもらえる觀光導覧圖。いろいろな地圖が鹿港にはありますが、これが一番わかりやすいと思います。もし、行かれるならば参考にしてみてください。クリックすると別ウィンドウで拡大します。 
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鹿港は基本的に狭い街なのですが、歩くと結構な広さがあって、どう回るかが重要と芊芊は言っており、台湾人らしくない彼女の綿密な一面が伺えました。二人で民宿の早餐を食べながら打ち合わせたコースは次の通り。

 模乳巷はとても本当に狭くて、人が対面から来ると大変だし、人が多くなると順番待ちのような状況が発生するので、ここを9時前の早い時間に一番に行く。
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 その後、南地区にある文武廟にある文開書院・文昌祠・武廟は非常に赴きのある歴史建造物なのでここを周り、台湾の古い歴史的建造物を見学する。
鹿港文武廟─三級古蹟
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 近くの龍山寺は由緒ある寺院なので、ここで拜拜をして幸福を願う。
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 鹿港民俗文物館は鹿港の文化や生活にかかわる展示物が多く、建物も雰囲気があるのでここを見学する。
這不是總統府.鹿港民俗文物館
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 近くの進士として活躍した丁氏大宅を訪ねる。
鹿港 丁家大宅 (進士第)
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 中山路を渡り、九曲巷へ行き、十宜樓の栄枯盛衰を感じながら北方向に向かって散策する。
九曲巷/十宜樓
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 鹿港老街である埔頭、瑤林、大有、後車巷あたりを散策して、店も開いている時間になっていると思われるのでここで吃飯をする。
鹿港老街
 クリックすると別ウィンドウで拡大します。 
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 帰りは南行きの観光三輪車に乗って、午後1時頃に鹿港國小近くの駐車場に戻る。
鹿港觀光三輪車
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 台湾人の方による鹿港旅行記ブログや写真集(美しい編集ばかりで素晴らしいです!)
旅行、生活、美食、夜跑~鹿港小鎮~ 台湾女性のきれいな画像多い旅行記
Vanessa的夢想世界~彰化鹿港~台湾女性の美しい原風景の鹿港旅行記
古味鹿港~素朴で何気ない鹿港の美しい風景ばかりの写真集。
彰化 鹿港 老街古厝~鹿港の巷を中心とした美しい画像満載のブログ 

 お勧め鹿港の日本語ガイド(有名な台北ナビが一番詳しくてお勧めです!)
台北ナビ・鹿港(2006年版)~とてもわかりやすくお勧めの日本語ガイド
台北ナビ・鹿港(再訪版)~細かなガイドもあり、台湾理解が進む日本語ガイド。

うーん、計画は完璧。芊芊も術後、約1週間でしたが、出血もなくすごぶる好調。芊芊はすごく体力というか運動能力が全般に優れていて、いつもテクテクと早足でよく歩くし、あまりへこたれないという特徴がありました。芊芊の立てた予定は、なかなか忙しいのですが、聡明な彼女のこと、きっとうまく回れるだろうという期待感がありました。天気もちょっと曇り気味でさんさんと太陽が輝くような状況でなかったことも好都合でした。

芊芊は國小や國中の時に台中からこの鹿港に校外学習で何回か来たことがあって、土地勘もあり、案内にも自信をもっていました。自分自身が鹿港へ来るのは随分、久しぶりだったので、昔、見た建物や路地をもう一度、見てみたいという気持ちもあったようでした。それと芊芊はちょっと自慢気に自分の知識を披露することが好きだったこともありました。酒店小姐は可愛くか美人で唱って踊れればいいという要求は芊芊にとっては自分の価値を見いだせるものではなかったのかもしれません。聡明さや知的好奇心を評価されることが彼女のアイデンティティだったし、私が台湾のことをあまり知らない日本人だったことも教えたがりの彼女の気持ちをくすぐるものがあったように思います。

それと芊芊とこの日、実際に鹿港古蹟を芊芊とまわりながら思ったのは、実は芊芊が事前に多分、鹿港の古蹟についていつのまにかとても予習していたこと。先週、私の家に短期居候を決めて、やって来たと思ったら、汽車の駕駛執照を取ることを私に勧めて旅行に行こうと言い出しました。最初は、芊芊はとても台北で孤独だったこともあり、旅行にも友人とは行けなかっただろうから、彼女の術後のケアもあってつきあうかなというぐらいの気持ちでした。

しかし、それはとても大きな間違いだったことに気がつきました。

なぜならば、今回の旅は芊芊はかつて行ったことがあった場所が多かったし、新鮮味は少なかったからです。芊芊はそうではなくて、日本人で台湾のことをよく知らないけど、すごく台湾社会に入り、好奇心をもって接していた私にいろいろな台湾を見せてくれようとしていたことをこの日、とても強く感じたからです。台湾にやってくる日本人は台北はもとより、新竹、台中や台南、高雄に行くことや花蓮を訪ねることが多いように思います。しかし、台湾にとって歴史的な意義がある鹿港を訪ねる人は決して多くはなく、この地をわざわざ選んでいました。さらに芊芊は表面的な台湾ではなく、いろいろな場面で深い意味のある台湾の歴史や文化、慣習を教えてくれようとしてくれていました。私が思う以上に芊芊の「真的思念」はもっと懐が深いものだったのです。

もちろん、ここ数週間でいろいろなことがあった芊芊が自分をまた見つめ直す機会にする「自分探しの旅」の意味合いもありました。故郷の台中に近く、自分がかつて行った所や行こうと思っていた所を年月を隔てて訪れることは彼女自身が自分の今までを振り返ることにつながっていたのも当然ながらあったのですが。

ここまで順調に芊芊が計画した通りに鹿港の街をまわり、吃飯を老街で軽くした後、車を駐めた駐車場に近い站に向かう觀光三輪車に乗りながら芊芊に訊きました。 

「芊芊、昨天你説過今天的旅遊是特別、不過、我覺得我們來過鹿港的有名的古蹟 。為什麼特別的?」

(チェンチェン、昨日、今日の旅行は特別だからと行ったけど、僕が思うに鹿港の有名な古蹟に来たよね。これがどうして特別なの?)

私が思うに早朝の午前中にまわった鹿港の古蹟は一般的な鹿港の觀光コースでした。確かに人は少なくて、鹿港のノスタルジックな風景や芊芊の説明は私に感慨を与え、新たな台湾の側面を理解するのに十分でした。しかしながら、どうしても彼女が昨日言っていた「特別」の意味がわかりませんでした。

しかし、芊芊はニコニコしているだけで何も答えません。思わず苦笑いしながら芊芊に言いました。

「你常常没有回答的!」 (チェンチェンはいつも答えてくれないんだから!)

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