「我擔心AYU一點」 (私、ちょっとAYUが心配なんだよね)

実は芊芊は台北に来てから長く家を空けたことはなく、旅行も行ったことがありませんでした。旅行に行く前に私たちは猫のAYUを近くの寵物生活館の動物飯店(ペットホテル)に預けてきました。芊芊は最初、旅行に一緒に連れて行こうとしたのですが、犬ならともかく、猫の行動はかなり突飛で首輪をつけたりするのもなじみませんから、芊芊を説得して置いてきた経緯がありました。子猫の時から面倒を見ていて、初めてAYUに一人暮らしさせるので、ちょっと心配になった様子でした。

しかし、芊芊がAYUのことを思い出し、心配するようになってきたので、私は少し安心しました。台中に入ってから芊芊の気持ちは明らかにいつもとは異なる様相があり、それは当然と言えば当然ですが、やっと、本来の芊芊に戻ってきたように感じたからです。

「應該OK的。我相信那個寵物生活館的老闆」 (多分大丈夫だよ。僕はあのペット店の店長信じてるから)

芊芊はちょっと心配そうな顔をしましたが、まあ、1週間も空けるわけではないので、気を取り直してウン、ウンと頷いていました。

さて、芊芊と夜の台中を走り、彼女の案内でついた所は台中で最もお洒落と芊芊が言う「精明一路」でした。まだ夜の10時を少し回ったころでしたので、多くの店が開いていて、表のヨーロッパのカフェ調になっている雰囲気の所に多くの若い人たちが思い思いにおしゃべりしながらドリンクを飲んだりしていました。

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精明一街は洋風のお洒落なブティックやレストラン、カフェが統一された景観で店が並んでいます。台中の中でも特にスノッブな男女が集まるところとして知られていますが、物価は高いので一般庶民や家族連れの街という感じはありません。それとそんなに長い路ではなく、計画的に作られた商圏なので、限られたスペースといった感じです。

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中壢で軽く食事をしてきたこともあって、私と芊芊は入口近くにある春水堂で軽めの點心と冷飲の珍珠奶茶を頼み、外に持ち出して夜風に吹かれながら食べ始めました。春水堂は台湾の各地にあるチェーン店ですが、雰囲気はお洒落で味も悪くなく、お勧めのお店のひとつです。

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しかし、芊芊は自分がここを案内したにもかかわらず、ちょっと落ち着きません。彼女が気にしていたのは、まわりに自分の高中時代の知り合いが偶然いないかどうかでした。周りの客層は確かに若いアベックが多く、芊芊と同じような雰囲気の子がたくさんいます。しかし、彼女の風貌も高中時代よりは少し派手になっていたし、髪もエクステをつけ、完全に茶髪でしたから、もし、知り合いがいたとしてもきっと芊芊だとは気づかなかったのかもしれません。

さて、春水堂は夜の11:30までやっているので、ついつい芊芊とゆっくりしてしまいました。芊芊の台中の時のとりとめもない話はなかなか面白く、すっかり元気になった彼女は、自分の知っているいろいろな台中の話をしてくれました。私たちの旅はおおまかに予定を決めていただけで泊まるホテルも予約していませんでしたから、ちょっと予定を変更して明日は台中附近を散策することになりました。芊芊が目を輝かせて、「台中のことならまかせて」といった感じの即席ガイドになっていましたから、芊芊がお勧めのスポットをいろいろと話してくれて、計画を立てるといった感じだったでしょうか。

さて、今日はあわただしい一日だったこともあって(思ってみれば今日の午後に駕駛執照を取得したばかりでした)、ちょっと疲れてきました。そこで、芊芊が案内する汽車旅館(モーテル)に向かうことになりました。台中は汽車旅館が豊富で施設は豪華絢爛。房間には露天風呂やジャグジー、プール、サウナなどが設備されていることも珍しくありません。台湾の汽車旅館は行ったことがある人はわかりますが、本当に驚きの充実設備で、台北でも桃園や板橋、中和、永和などの周辺に行けば同様の汽車旅館があります。しかし、台北の場合は周辺部に散っていて都心部ではWE GOなどあまり数は多くはありません。しかし、台中は事情が違って、本当に多くの汽車旅館が市内に数多くあって過当競争とも言えるぐらいです。
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汽車旅館はラブホテルとはちょっとちがっていて、台湾では家族連れや仲間内のパーティー(大人数で泊まる)などによく使われます。台中の場合、だいたい豪華な汽車旅館は泊まりだと1万元前後が定価。高いです。しかし、そこは台湾、実は平日の場合、インターネットや電話予約して交渉するとあっという間に4000~5000元ぐらいの割引価格になってしまいます。

芊芊はこのあたりの交渉事情にも詳しく、さっそく、めぼしいいくつかの汽車旅館を網路で検索し、予約を入れることにしました。驚くべき事は台湾のWIFI環境で、芊芊は自分のノートパソコンを旅行に持ってきていましたが、中華電信のWIFIに接続して、春水堂附近のオープンカフェ席からアクセスしていました。台湾のカフェやマックではノートパソコンでインターネット接続している人をたくさん見かけますが、それは多分、日本より遙かにWIFI事情が良いからだと思います。

さて、この時に私たちが候補にしたのは次の3つの汽車旅館。名前も覚えやすく、今でもあの時に検索した汽車旅館はよく憶えていて、この後、私は台中や台南、高雄に行くたびに狭いビジネス型シティホテルよりもこれらの汽車旅館に泊まるようになってしまいました。快適さのレベルがちがいます。値段はいずれも4500元ぐらいでした。芊芊が行っていたようにWE GOもびっくり。あまりの豪華絢爛さと広さに頭がクラクラきます。

 夏都 夏都精品汽車旅館
夏都


 杜拜風情時尚旅館 杜拜風情時尚旅館
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 水月雅緻休輭旅館 水月雅緻休輭旅館
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房間は平日ならばどこも満室ということはまずなく、汽車旅館の数は本当に多いですから、これらの汽車旅館と同じようなレベルの所は他にもたくさんあります。だいたい房間に広い温水プールかジャグジーがついていることが多く、驚かされます。

私たちが結局予約したのは「夏都」。第1候補だった水月は房間が少なく満室でした。

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台中という街は台中車站から中港路を中心に放射線状に大きな道が広がっている感じになっていて、碁盤の目になっている台北とは異なり、ちょっと方向感覚が取りづらいところがあります。大雅路・公園路という道は賑やかな通りで繁華街もこの周辺には多いのですが、この大雅路を昇って北方向に行ったところにこの汽車旅館はあります。だいたい台中車站から車で20分ぐらいでしょうか。外はコンクリートむき出しのちょっと古くさい建物なのですが、中に入るとびっくり!です。







さっそく、房間に入ると芊芊の部屋探検が始まり、いろいろなものを見つけては私に見せて話しかけてきます。基本的におしゃべりで行動的な娘ですから、このような所に来るとすぐに落ち着きがなくなります。しかし、芊芊と私が一番驚いたのはジャグジーというか温水プールというか、これが広いこと。

術後の芊芊は浴槽に入ることを3日間、醫生から禁止されていていたため、今日まで浴槽につかることはありませんでした。手術をしたのが先週の星期三(水曜日)。星期四(木曜日)は萬華に行き元気にしていましたが、暑い夏の中、歩いたりしていたにもかかわらず、彼女はこのところずっとシャワーを浴びるだけでしたから大興奮。あっというまにパッパッと脱いで裸になってザブンと飛び込んでしまいました。

「來來! 很舒服!」 (おいでおいで、すごく気持ちいいよ!)

天真爛漫な芊芊の弾けるような笑顔がそこにはありました。

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