「今天、我真的很開心!其實我有好的考慮。我一個人住及生活。XX先生也一個人住、所以一起住比較好、只一個星期之間。因為我不要上班、有放假。你也一様的。但有問題一點。我養著可愛的貓貓。你不喜歡嗎?」

(今日は本当にハッピー。実は私にはいい考えがあるんだよ。私は一人で住んで生活しているし、XXさんも一人で住んでいるから私と一緒に住むのはどう?たった一週間だけど。なぜなら私は勤めがないし、休みだからね。XXさんも同じだし。但し、ちょっと問題があるんだ。私は可愛い猫を飼っているんだけど、猫は嫌い?)

芊芊の提案は驚くべきことでした。彼女には私が3房間の比較的広い家に住んでいることを話していましたが、彼女が一週間、酒店を術後の安静のために休んでいる間、私の家で一緒に暮らすというのです。ただ、彼女は猫を飼っていて、その猫も一緒に連れていかねばならないことを気にしていました。

おいおい芊芊、猫よりも問題は人間の芊芊だろう?と思いましたが、芊芊はそのあたりはまったく無頓着で猫のことばかり気にしています。

芊芊が今、住んでいる商務會館は彼女の經紀人が用意しているところで、上班しない限りは来られることもないし、空けておいても特段の問題は確かにありません。さらに芊芊は經紀公司から機車(バイク)を休みの間、借りることにしているとも話しました。今日は昨日手術したばかりだったので、腹に振動がくるため、乗るのを自重していたようですが、今日、一日様子を見たところ、まったく体には問題がないので、明日からは機動力もあるからねと付け加えました。

芊芊には手術の時に出した同意書ですべて本名や住所なども知られていましたから、私もこの話に乗ることにしました。但し、誤解がないように書いておきますが、術後は最初の月経を見るまで性生活は禁忌となっているため、そのようなことは最初からないということは基本的な前提でした。ただ、酒店で彼女の上枱の時には芊芊も自分のすべては見せていますから、まったく抵抗がなかったと思います。

「可以」 (いいよ)

芊芊に私は返答しました。彼女は「你、貓貓、OK嗎?」と相変わらず、猫のことを気にしています。私は別に動物は嫌いではないし、犬とちがって散歩も必要がないので、家の中で放し飼いしておけばいいかなと思っていました。芊芊の猫は見たことは無かったのですが、彼女が言うには小さくて可愛いらしいので、芊芊同様、結構、愛嬌があるかもしれないとも想像していました。実際、酒店に上班している時も芊芊は家を空けている時間が長く、猫は放置状態になっていることが多かったようですが、それでも支障がなかったようでした。

三元號で吃飯を終えて、芊芊の顔はウキウキするというような表現がぴったりな顔つきになっていました。彼女は日本好きなこともあって、多分、疑似日本生活みたいなことを期待しているようでしたし、何よりも孤独から解放されることがうれしくてたまらないようでした。いつも酒店では面白おかしく客人と過ごしているように見えますが、明け方、早餐を食べて一人家に帰り、猫を抱きしめて眠るという日々を送る芊芊にとっては誰かと一緒に暮らすということはとてもうれしかったのでしょう。元々、彼女は大学に来るため、貧しかった家を両親の反対を押し切って家出同然で飛び出していましたが、家族のことは嫌いではなく、意地もあって帰るに帰れなくなっていただけでした。

「我馬上想過去你的家裡。我想看看一點的。因為我需要準備好了」

(私、すぐにXXさんの家に行って、ちょっと家の様子を見たいな。だって準備をよくしなきゃいけないでしょ)

芊芊はすぐにでも立ち上がって、三元號を出ようというそぶりをさかんにしました。彼女は思い立ったらすぐに行動するようなところがあって、このような時は急に子供っぽくなります。私も彼女の勢いに苦笑いするしかなく、重慶北路に出て、タクシーをひろいました。

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三元號を出て、芊芊と共に私の家へ向かいました。タクシーの中で芊芊は今日は房間を見て、明日、機車で猫とともに準備してやってくると話しました。それと芊芊は生活にかかる費用は自分で払うと何度も繰り返しました。別に大した金額を支払うことはまったくないし、水道や電気は芊芊がいようがいまいが関係なく使うので、遠慮することはないのですが、彼女自身はすごくこだわりがあって、ききません。どうも、お金を節約したいから、甘えたいからというように私に思われることがとても厭なようでした。

それと芊芊は大学も休学しており、暑假も大学の友人たちとはまったく生活のペースがあわず、故郷の台中にも家を飛び出した手前、帰ることができませんでした。ですから、急に一週間も連続で酒店の上班をしないとなると時間を持て余してしまうし、もし、術後に体調が急変して悪くなったら近くにいる誰かに助けて欲しいという気持ちももっていました。だから、芊芊としては愛人のような感覚はまったくなく、どちらかというと家族や友人と暮らすような感覚に近かったと思います。

さて台北の住宅事情ですが、家賃は日本に比べ、実はそんなに安くはありません。私が住んでいたのは「3房2廳2衛1陽台」。つまり3部屋と2つの応接(だいたいダイニングキッチンとリビング)、2カ所のトイレ(2つともシャワーかバスがある場合もあるが、1つしかバスがないこともある)、ベランダというつくりで、とても一般的なものです。住む場所にもよるのですが、私が住んでいたのは比較的高級と呼ばれる地域で、月の家賃が管理費を含めて4萬5千元ほど。だいたいこの広さならば古さと設備とも関係しますが安ければ2萬元程度、高いと8萬元ぐらいまであります。しかし、一人で住むには十分で、時折、日本から家族が様子を見に来たり、友人が来て泊まっていったりしますが、バスも2つあったので、気分を変えるために2つを交互に使うような感じでした。ひとつは私がメインで寝ていた房間からダイレクトでつながる位置にバス・トイレがありましたら、こちらをメインに使うことが多かったです。

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家について房間を見た芊芊は大喜び。ベットの上に正座してころがったりして、本当に子供のようになってしまいました。自分で空いた房間を自分の部屋と相談もなく、勝手に決めてました。まあ、使っていないから問題ありません。

「明天早上、我再來帶貓貓的! 我已經不寂寞了」

(明日の朝、猫を連れてもう一度来るよ! 私はもう、寂しくないんだよね)

芊芊の笑顔を見ると私も元気になります。明日からどういう生活が始まるのか?猫もやって来るし。
私も少しばかり、たった一週間ですが、芊芊とすごす日々が楽しみになってきました。

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