廣州街は商店が多い路なのですが、夕方から夜にかけて多くの小吃屋台が出て、大賑わいになります。東西に走る廣州街と南北に走る華西街(華西街歡光夜市の入口)が交わるあたりを中心に十字方向に夜市が広がる感じになります。 華西歡光夜市は台湾の夜市には珍しいアーケード街ですが、廣州路はいかにも台湾という雰囲気になりますから、ローカルな夜市を味わいたいなら、廣州街の方がいいかもしれません。下のリンクは廣州街夜市の様子がきれいな画像でアップされていてよくその雰囲気がわかります。
萬華夜市

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 画像は夜の廣州街夜市の様子です。士林夜市よりもさらに価格も安く、昔懐かしい雰囲気が漂います。
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華西街歡光夜市は蛇を食べさせる店がいくつかあることで有名で、私も何度か来たことがあります。台北で最も怪しい夜市などと観光ガイドによく紹介されていますから、日本人観光客の方もよく訪れる夜市の一つです。廣州街や桂林路とぶつかる入口にはきれいな牌坊(門)があります。アーケード街は普通、歩行者専用と思うでしょうが、そこは台湾、バイクが時々走って来ることがあって、驚かされます。気をつけていないと危ないです。

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この夜市は意外と空いていて、圧倒的に廣州街夜市の方が人が多いです。どちらかというと夜市の雰囲気というよりは商店街の感じで、そんなに活気があるような雰囲気はありません。ただ、蛇料理店の前はいつも人が集まっていて、マイクを使ってオジサンやオバサンが蛇の解体などをショー仕立てで見せていますから、やはり、ついつい足を止めてしまいます。カメラやビデオでの撮影禁止と店の前には看板が出ているのですが、あまりお咎めはないので、外国人観光客などがこっそり撮影をしていますね。こちらのHPは蛇の種類や料理が詳しく解説してあり、よく蛇料理のことが理解できます。私は一度も食べたり、生き血を飲んだりしたことはないのですが、勇気があって精力を付けたい方はいいのではないでしょうか。
華西街餐「蛇」天堂

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それとこの夜市は紅燈區が近くにあった経緯から、蛇や鼈(スッポン)、鱷魚(ワニ)を食べさせる店が多いのも精力をつけるためですが、ゲテモノ精力剤系の料理店だけでなく、それ以外にも極めて怪しい店が多くて、いわゆる「情趣精品店(大人のオモチャ)」や「精力剤の店」、「性病(写真があります)の予防?や対応の藥店」、「A片店(アダルトDVD店)」などが普通に紛れ込んでいて、確かに健全ではありません。

 画像は華西街にある情趣精品店。子供が歩く通りでも堂々と問題なく店は営業しています。
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 動画は廣州街から桂林路までの華西街歡光夜市の様子です。雰囲気がとてもよくわかります。
 

この夜市は若い女の子グループやカップルはそのためか、あまりおらず、ほとんどがオジサンか家族連れという変った夜市です。士林夜市などは衣料関係やアクセサリー関係の店が多いため、若い世代の台湾人が圧倒的に多いのですが、こちらはちょっとうらぶれた斜陽の雰囲気が漂っています。

さらに桂林路を越えて、貴陽街までは、さらに人も減り、ちょっと閑散とした雰囲気もあります。実は本当の花街・遊郭(公娼寮)はかつてこのあたりにあって、今は本当に寂れた感じになっていて、昔の公娼寮跡がたくさんあります。阿公店が集まっている廣州街より南側のあたりではなく、このあたりがかつての面影をより多く残しているところです。本当に狭い小路が左右にあって、ちょっと紛れ込むとタイムスリップしたような錯覚を憶えます。

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廣州路から桂林路までの間に華西街40巷という細い横道があります。この先に有名な古山園旅社というホテルがあり、当時は私娼の子と遊ぶ目的のためのホテルだったのですが、電影のロケで使用されたこともあって、今はどちらかというと懐古趣味あふれるホテルとして観光名所になっています。この路はとてもわかりにくくて、華西街を歩いていくと左側にとても細い40巷の入口があります。

 画像は古山園旅社の入口にあたる華西街40巷の入口です。よく注意していないと見落としてしまいます。
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この40巷は「摸乳巷」という別名があります。この「摸乳巷」という名前は台湾では彰化の鹿港にある摸乳巷が最も有名ですれちがう時に胸がふれるという意味の細い道という意味です。台湾にはたくさんの「摸乳巷」があります。昔ながらの風情があり、なかなかの雰囲気があります。

 画像は萬華ではなく、「鹿港の摸乳巷」です。観光名所になっていて、多くの人が訪れます。私も行ったことがありますが、本当に細くて、太った人では入れません。台湾の老街にはこのような路が結構あります。日本にはなかなかない情景なので、かつての台湾を知るためにこのような老街は一度行かれることをお勧めします。

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艋舺にはこのような路が本当に多くて、多分、普通の観光で来られた方などは華西街歡光夜市も桂林街までぐらいしか行かないことが多く、その先のかつての花街があったあたりの細い路地などを入ることはあまりないと思います。しかし、これらの暗巷はちょっと独特の雰囲気があり、いかにも「昔の台湾」という感じがあって結構、心が動かされます。基本的に萬華の細い暗巷である横道は危ないところもあって、迷い込まない方がいいのですが、阿公店が集まっている三水街あたりよりはこのあたりの方が若干、治安が良いように思います。

 画像は華西街40巷(摸乳巷)の様子です。この先に古山園旅社があります。鹿港ほどの狭さではありませんが、やはりかなり細くて暗巷であり、野良猫が歩いているような路です。
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現在は電影「艋舺」のヒットの影響もあって、訪れる方が増え、摸乳巷に写真パネルなども掲示してあって、多くの文化人や写真家などが来ているようです。撮影も多いようで、昔の台湾の花街の退廃的な雰囲気を表現するのに絶好のロケーションになっています。また、このあたりのホテルはすべて、布団は自分で敷くという方式が昔はあって(多分、男女の行為のあとの布団をとりかえるという必要があったのでしょう)、特殊な布団のたたみ方も文化・風俗的な伝統技術として有名になりました。

 画像は40巷を行ったところにある古山園旅社です。本当に昔のままで、現在ももちろん営業中。泊まることができますが、経営者が芸術家の方に替って懐古趣味を前面に出して成功、現在は電影のヒットの影響もあって、とても人気があるようで撮影や台湾人観光客が多く、あんまり落ち着けないかもしれません。 
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紅燈區がなくなり、公娼寮がなくなった後、多くの性工作人と呼ばれる女性たちは私娼となり私娼寮で客をひくか、流鶯(中国語のスラングで外娼のこと) として夜の街に立つ女性が多くなりました。また、萬華に雨後の筍のように増えた阿公店などに勤めるなどしてその生業を続けてきた女性も多いです。

しかし、これらの女性たちは2011年11月の社會秩序維護法の成立以後、さらに社会的に地下にもぐったと言われています。1000元~1500元前後の価格で性を売ってきた彼女たちは高齢化し、現在ではさらに数も少なくなっています。替りに大陸妹や越南妹などの外国籍の女が多く入り込み、治安の悪化を招いている一因にもなっています。
萬華-人肉市場大洗牌-大陸妹打跑老流鶯







三重・基隆などの私娼寮も2005年から2010年にかけて大規模な掃黄と撤去が相次ぎ、桃園や中壢にごくわずかの私娼寮が残るだけになっています。彼女たちは一体、どこへ行き、そして、台湾社会はこれからこの問題に対してどう向き合っていくのか。
從公娼到工娼—向妓\女權運動者致敬

性風區

萬華の夜の雰囲気は、五木の街とは異なる昔ながらの台湾の姿を思い起こさせ、そして、人がいる限りなくならない「性」という命題についての奥深さについて考えさせられます。華西街にはその原点が現存しており、単なる夜市として一面を見るのではなく、その成立の背景を見ることによって台湾社会の影の歴史を知ることができるように思います。

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 萬華に残るかつての花街・公娼寮の跡です。華西街の北の貴陽街あたりの方が、かつては紅燈區の中心でした。現在は阿公店の集まる南側や龍山寺周辺に私娼が多く、このあたり歴史的遺産といった趣きになっています。
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また、下のHPは萬華の公娼寮跡を撮影した画像が趣き深く撮影されていますので、ぜひ、ご覧いただくと当時の様子がよくわかります。
萬華拍攝情景~寶科里娼寮
風華退盡.艋舺

 萬華に紅燈區があった頃の様子です。現存する写真はとても少なくて貴重な当時の写真です。
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2001年,公娼走入歷史,性產業轉移到萬華一帶,歸綏街的老街屋牆上長滿的雜草,2006年被指定為市定古蹟的文萌樓保留了當年公娼的營業空間,或許我們可以比較正面的態度來看性產業,讓人了解這一段傷心的過往。今日雖然已經沒有公娼,但是性產業我想永遠會存在的。每次經過這棟房子前,潮濕的霉味傳出,2006年,曾經是公娼的官秀琴落海自殺的過往,都讓我深思。

看到隔壁還在生產製作麵條的小型工廠,是不是在都市更新後這些人的生活就可以解決?女性的身體來做為營利的工具、女性身體的自主權等問題,我們的立法院是否有跟上社會的現實面?還有國際的潮流如何?在文萌樓指定為古蹟後一切也都不能解決吧?

現在、萬華や台北近隣をはじめ、急速に全国規模で2010年頃から私娼寮が撤去されたことにより流鶯として客をひく、高齢な女性がさらに多くなりました。性病などの保健衛生面や黒道の控制などを含め、社会的な治安の問題が大きく生じてきていると言われています。また、彼女たちは以前は「公娼」だった時代があり、それが「私娼」に変ってきていました。以前の「公娼」は国が認めた公の仕事だったため、公娼制度が約10年前に撤廃された後、彼女たちの生活をある程度、守るために私娼寮に公的機関は必要悪として目をつぶってきたと言われています。しかし、さらに約10年が経過、50歳前後になった彼女たちはついには私娼寮も社会的に葬られ、流鶯になり、生活を立ていくしかないと言われています。そこには末期的な断末魔のような状況があり、台湾社会の負の歴史のツケの大きさを感じてしまうのは私だけでしょうか。

 萬華周辺の流鶯の様子です。写真からもわかるように、皆、高齢で性病などの衛生対策も不十分と言われています。大陸妹や越南妹などの東南亜妹が若いため、阿公店や餐廳では勝負ができず、流鶯は台湾人の50歳前後の女性ばかりです。年輕台妹が、この辺にいることは100%ありません。 
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 最近まであった基隆市三坑火車站近くの龍安街(鐵路街)・私娼寮の様子。現在では掃黄もあって、ほとんどの私娼寮が撤去、または閉鎖しています。時代とともに社会の考え方も変りました。女性の人権を考えた時、劣悪な狭い暗蔵の中で、性的な工作のみを30分前後でする状況は明らかに今の時代では台湾社会の世論は受け入れないでしょう。
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基隆市の龍安街周辺には現在も小吃店が林立していて、萬華の阿公店と同じような服務をしていると言われています。社會秩序維護法成立以後の実態は不明。ますます地下に潜り、様相はわからなくなりました。しかい、以前に比べ、危険度は上がっていると思います。最近の2012年にはこのような報道もありました。
讓警方好生為難︰台灣患癌截肢女被查獲裸身陪客喝酒

基隆市龍安街一帶小吃店的拉客情形時有所聞,但現在卻傳出有一間名叫美多的小吃店,拉客手段太過 蠻橫,專挑路過的老翁,強拉進店裡限制行動,即使客人連一杯水也沒喝,仍要支付「基本消費」。有 些被害人甚至因為沒錢,被扒光衣服抵債,最後裸奔逃出小吃店。
基隆市龍安街上的監視器,拍到一名男子一絲不掛的在大街上狂奔,這名可憐的男子是被強拉進一間小 吃店消費的受害者之一。外傳會強迫客人的小吃店,是一間掛著七彩旗、鐵捲門緊閉的美多小吃店。
這間小吃店會鎖定路過的老翁,再將他們強拉到店內,就算老翁們連一杯水也沒喝到,依舊要付200 0到3000元不等的基本消費,其中下場最慘的就像監視器上的這名男子,因為付不出錢,全身被扒 光,赤裸裸的在街上狂奔。
基隆市文安里里長李隆進表示,「小吃店的拉客情形很嚴重,到了夜裡整條店家的招牌亮起,還不時會 傳出音樂或爭吵聲,讓為人父母者都很擔心,怕會影響孩子。」
現在受害人直接找上警方報案,就是不想日後在行經龍安街時,還必須膽顫心驚 、忐忑不安。當地居民也希望轄區派出所能派出員警加強巡邏,以遏止這股不良風氣。(新聞來源:東 森新聞記者呂國寶、黃曼昕)

 
基隆市の龍安街周辺に乱立する小吃店です。服務はいろいろとあるのでしょうが、実態はわかりません。  
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こちらは雲林の私娼寮の現状。いずれもかつての歴史という遺産的な扱いが年々、強くなってきています。
昔日私娼寮今落寞 臺鄉民吁社會拿掉假道學面具

高雄の鳳山、台中、台南、宜蘭や苗栗、嘉義、平鎮などの地方都市においても2010年頃から掃黄が続いており、私が台湾にいた頃は結構、現存していたのですが、今はもう姿を台湾全土から消しつつあります。
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 台中市精武路にあった私娼寮のかつての様子。現在はほぼ壊滅しています。
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 彰化縣花壇鄉平和街のかつてあった「透明な窓」で有名だった私娼寮。かなり最近まで現存していましたが、ついに2011年夏から秋にかけて撤去され、ほぼ壊滅しました。
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私娼寮大門改透明 花壇鄉「櫥窗女郎」當街攬客(2011/07/13 15:30)  

 台南市新營區にあった私娼寮「應菜窟」。やはり、2011年11月~12月にほぼ壊滅しました。
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 苗栗の私娼寮跡。暗く劣悪な環境で性工作をし続けなければならなかったのが実感できます。
苗栗紅燈區
200米紅毛土路暗藏14家私娼寮
突擊私娼寮拒開門! 警以榔頭敲鐵門無懼私娼寮衛生堪慮 嫖客仍喜魚水合歡樂
公權力展鐵腕 強制拆除私娼違建
「警」迫盯「雞」奏效 私娼改打游擊
扯!屏東內埔整條私娼寮 可用肉菜換肉體
屏東榮家旁 私娼寮猖獗
私娼寮緊鄰學校 家長盼改善林園警分局連破兩民宅化身銷魂窟

萬華においてもつい先日の2012年6月に次のような事件があり、私娼問題が地下に潜り、事件化することがこれからも次々に出てくるでしょう。
黑幫入侵私娼寮 掌控流鶯
削皮肉錢「撕開不流血嗎」

華西街。

それは台湾で最も古い夜市ですが、そこには人と人が交錯する多くの歴史があり、今は近代化する台湾の中で人々がこの国の様々な過去の遺物を見つめ直す、そして、それを未だ引き摺る人たちもたくさんいる街だといつも私はここへ来る度、思っています。
關於萬華三水街的紅燈巷

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 こちらの画像は紅燈區の替りと言われている現在の三水街のあたり。白黒の写真も最近のものです。かなり高齢な台湾女性が客を待ち、長い年月、このような仕事に携わっていることがうかがえます。
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