さて土曜日。相変わらずの元気な声で昼の1時頃に芊芊から電話がありました。やはり、經紀公司から機車(バイク)を借りたので、出かけるからという連絡。いつも基本的に一方的なのですが、彼女が連れて行ってくれるところは確かになかなか面白く、台湾のいろいろな側面を知ることができるので、いつも私も楽しみにしていました。

待ち合わせの士林站近くの中正路と中山北路の交差点にある麥當勞に行ってコーヒーを飲んでいると、また、いつもながらの軽装で芊芊が入ってきました。本当にいつも転んだらどうするんだと訊くのですが、私は絶対に転ばないから大丈夫とあっさり答えられてしまい、この台中娘は極めて楽天的です。

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さて、今日は一体どこへ彼女は行くつもりなのだろうか?

「芊芊、你帶我在那裡?」 (チェンチェン、僕をどこへ連れて行くの?)

「内湖」 (ネイフーだよ)

彼女は私にこの前のように安全帽を渡すと猛スピードで機車を発進させました。内湖というとよく行く美麗華周辺を連想しましたが、あっさり通り過ぎて奥の方へどんどん走っていきます。まわりは結構自然豊かで、どんどん山の中に入って行きます。芊芊がどこに行こうとしているのか私はさっぱりわかりませんでした。

「到了」 (到着したよ)

彼女が私を連れてきたのは「147漆弾主題楽園」。看板を見ると運動休輭農場(スポーツレジャーファーム)と書いてあります。どうやらワイルドガールの彼女の選択はまた、スポーツ系の遊びでした。
147漆彈主題樂園

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芊芊が教えてくれましたが、この「漆彈大戰」は台湾では極めてメジャーな遊びで、私はこの日まで、その存在すら知りませんでした。カラーペイント弾をチームに別れて打ち合うといういわば「戦争ごっこ」で協會もあり、趣味のサークルも多く、学校や警察などでもチームがあったりします。特に台湾は徴兵があることもあって、高中から大学にかけての学生に人気がありますが、大学や公司30名ぐらいの団体で場所を借り切ってやるのが一般的です。もちろん、少人数でもできて、その場合はどこかの団体に入れてくれます。私たち以外にもアベックが2組ほどいて、組み入れてもらっていました。下の写真のようなアベックの來客は結構多いです。

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この日、私たちは大学生30人ぐらいの団体に混ぜてもらいました。人見知りしない芊芊はここでも実力を発揮、もともと台湾人は非常にフレンドシップで親切な人が若者でも多いのですが、あっという間に私も彼らと親しくなりました。意外なのは女の子が結構多いこと。大学生の半分近くが、女の子でびっくりしました。

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これは歌手のBY2も体験したというニュース。がんばってますね。
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さて、まずは迷彩服に着替え、安全帽とフェイスガード、手袋を装着しますが、これが、また暑い!しかし、すべての装身具の身につけ方などはインストラクターがいてていねいに教えてくれますから、迷うことありません。しかし、完全装備なので、結構大変です。

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そして、その後はインストラクターが講習してくれますから、銃の操作や作戦を習い、チームごとに作戦を練ります。いろいろなタイプの戦場があって、空いているところなら、自由に自分たちがやりたいタイプの場所を選ぶことができます。
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エアライフルとカラーペイント彈は下の画像のような感じです。
彈丸色は緑色以外に黄色や赤色などがあり、チームごとに使用する色が決まっていました。また、迷彩服にはリボンのような、たすきのようなものを腕につけて、同じチームは同じ色を使用します。命中すると中のペイントが割れて服に付きますし、結構、衝撃もあります。強く命中すると少し痛いぐらいの時があって、至近距離で柔らかい体の部分に当たるとちょっとした赤い痣ができたりもします。彈丸数によって価格が違いますが、入れてもらう大学生の団体にあわせて標準的な200発にしたと思います。

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そして、いよいよ対戦になります。リーダーの指示に従って、手でどこに敵チームがいるか、どこに移動して攻撃するかの合図に基づいて行動します。もちろん、芊芊はノリノリ。やる気満々です。このワイルドガールは私にエアガンを向けてバーンとか言ってふざけっぱなしです。芊芊と私は同じチーム。すっかりお姉さん気取りで私をリードして、戦闘の直前にもいつも話しかけたりしてきます。

もう、集中できないじゃないか、芊芊。

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では、どんな感じかを実際の動画でご覧になってみてください。これは「358」という別の内湖にある漆彈場ですが、基本的にまったくやることは同じです。なかなか迫力があって楽しいですし、本当にワクワクします。そのためいつしか、かなり、必死にやってしまいます。戦闘が始まるとチームに迷惑をかけられないという気持ちも出てきて、かなり真剣にやるので白熱しますよ。それに当たると痛いので、確かに全力を尽くすようにならざるを得ません。



命中すると下の画像のような赤い痣ができることがあります。すぐに直るので気にすることはありませんが、終った後に「ああ命中していたんだ」と気がつくような感じですね。

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勝ち負けは実際にはよくわからないのですが、2種類のタイプの戦場でやりました。いろいろなプランがあって1日中、500発ぐらいの彈丸数で遊びつくすプランもあります。だいたいは烤肉(バーベーキュー)がセットになっていて、私たちもこのプランを選択しました。芊芊は休学しているとはいえ、大学生なので学生割引があり、2人で4時間ぐらいすごして合計1000元ぐらいです。

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終了後はシャワーも浴びることもできて、その後はみんなで烤肉。私たちも一緒にプレーした大学生たちに入れてもらってみんなでワイワイガヤガヤでした。ここに来るまではまったく知り合いでなかった彼ら彼女らとすっかり打ち解けてしまい、本当に楽しい時をすごすことができました。

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ここは漆彈以外にもアーチェリーをしたり、ロープでちょっとしたアスレチックができたり、すごく楽しめます。また、クワガタなどもよくいて、私をここへ連れてきた台中育ちのワイルドガールは歩いているヒラタクワガタなどをすぐに発見、採集していました。すごく広くて総合的な休輭中心になっていて、私たちも午後2時頃から夜の7時頃まで、すごくエキサイティングかつリラックスできる時間をすごすことができました。

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帰る頃にはもう、かなり暗くなっていましたが、心地よい疲れと気持ちよい夜風があって、楽しい一時でした。また、多くの台湾人の学生さんたちと交流できたこともすごく楽しかったですね。

帰り際、芊芊がバイクの後ろに乗った私に聞いてきました。

「今天、你開心嗎?」  

「開心!」

芊芊の魅力はあくまでもナチュラルで、そしてちょっと落ち着きがありませんが、そのアクティブな性格です。
何にでも興味を示し、人を楽しませ、そして自分もとことん楽しむ彼女の生き方そのものが、ちょっと仕事で疲れた私にいつも元気を与えてくれました。

士林について私はバイクから降り、彼女と別れました。
さっそうとまた、バイクに乗って帰る芊芊。
夜の街に消える彼女の後ろ姿は今でも目に焼き付いています。

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 バイクに載る女の子たちの画像はイメージです。芊芊ではありません。