寶貝のバラードを気持ちよさそうに聴いていた可人は気持ちが少し戻ったのでしょう。いろいろと話しかけてきました。きっといろいろな事を彼女は話したかったんでしょうが、最初の上枱でそのような気持ちは剥ぎ取られ、心が剥きだしになっていたように感じました。もう、接客するとか、お客を楽しませるとか、そのような感じはまったくなくて、安心できる寶貝の所に来たせいか、とにかく自然体でした。とにかくよく話してきます。私も一般的な制服酒店の服務など、もうとっくにどうでも良くなっていました。

しかし、少し元気になってきた可人を寶貝は見逃しませんでした。今思うと、それは寶貝なりのやさしさなのでしょう。とにかく、彼女は可人が気持ちを切り替えて元気になるように仕向けました。寶貝は可人に明るく陽気に「可人、可人」と秀舞が終わった後の格好になるようにニコニコしながら制服を大げさに引っ張り始めました。可人は「害羞的、害羞的、不可以、寶貝!(恥ずかしいからやめて、パオペー)と大騒ぎしてキャーキャー言い出し始めました。寶貝は可人の気持ちを明るくするためにきっと彼女はいつものようにそんなことを思いついたのかもしれません。二人のその様子はとても仲の良い姉妹がじゃれあっているような、そんな感じでした。

結局、可人は寶貝に制服を引っ張られて、寶貝と同じ格好になってしまいました。寶貝と可人は身材(スタイルのこと)が本当にそっくりで、2人ともやや小柄でスレンダー、もし顔を見なければどちらがどっちかわからないぐらい似ていました。しかし、性格はあっけらかんとしている寶貝と恥ずかしがり屋の可人といった感じで私も二人の様子を見ているだけでも私は面白くて、時々、寶貝に「你也説跟可人!」(あなたも可人に言ってよ!)と言われ、よく相槌を打ったのを憶えています。

そして、すっかりKTVの控機(リモコン)操作に熟練した寶貝は可人の手を引っ張り、KTVの大きな画面の前に恥ずかしそうにしている可人を連れて行きました。そして、私にも寶貝が「來、來!」(おいでよ、おいでよ)と言って大きな声でニコニコしながら手招きしました。寶貝は確かに気まぐれなわがまま娘みたいなところもありますが、実は心のやさしい子で、いつもみんなが楽しくなるような雰囲気をつくれる子でした。そんな寶貝のペースに私も元気のなかった可人もどんどんはまっていきました。

この時に寶貝と可人が唱った歌を私は鮮明に覚えています。それは2人の18才の少女が、すごく心から楽しそうに歌い踊り、あの悲しくて黒い涙を流していた可人も唱いながら元気いっぱいになったからです。歌詞も今思えば、彼女たちにピッタリの歌でした。しばらくの間、私は自分の小機(携帯電話のこと)の着メロにしていたぐらいです。

それは芭比(バービー)という2人組が歌う「使勁搖」というダンスミュージックです。

彼女たちは 大芭(大櫻桃)の愛称がある純純と小芭(大櫻桃)の愛称がある君君が組む2人組女性ユニットなのですが、 もともと台南出身の台語の歌を歌う歌手としてデビューした彼女たちが羅百吉という男性DJヒットメーカーと組んで 2007年頃から 大ブレイクを始めていました。そのきっかけとなった曲で、今では制服酒店で女の子2人が踊って歌う定番の曲になっています。

 

歌い出した寶貝と可人は息もぴったり、2人とも唱歌も跳舞もすごくうまくてノリノリになってきました。この歌のサビの部分「紅桃姊姊快一起搖、黑桃妹妹快一起搖 ・・・・」(ハートの姉とスペードの妹が一緒にすぐ揺れるよ)と言うところがあるのですが、寶貝が「紅桃姊姊」、可人が「黑桃妹妹」という感じで、二人が腰を揺らしながらマイクを持って踊りながら歌う姿は、今でも鮮明に思い出せるほど、可愛かったです。

以前の制服酒店ではやはり19才の蓉兒と18才の悦悦を一緒に包廂に呼んでしましたが、キャリアのあった蓉兒と入り立ての悦悦はやや対等ではなく、また酒店でたまたま私が呼んで出逢って気が合ったという関係でしたから、お互いにやや遠慮がありました。どちらかというと蓉兒が私と入って日が浅い悦悦をリードするというか、いろいろなことを積極的に動いて教えるという雰囲気でしたから、寶貝と可人のような心からお互いの気持ちを裸にできるというフランクな関係はありませんでした。

歌い終わって時計を見るともう2時近くで、彼女たちの下枱、下班の時刻になっていました。私は、彼女たちに「現在、大概 兩點。今天、我結束了。你們下班的、辛苦了!」(今、もう2時だから、今日はもう終わりだね、2人とも仕事もこれで終わりだよ、ご苦労さん)と言いました。そして小機で幹部の震洲に簡訊を打って、行政に寶貝と可人を迎えに来てもらうようにしようと思いました。

しかし、その時、私の簡訊を打っている手がいきなりつかまれました。私は小機の画面を見ていたのでまった気がつきませんでした。そして、私の簡訊を打つのを止めた手の先を見るとなんと1時間ほど前まで泣いていた可人でした。そして彼女は笑いながら言ったのです。

「不可以回家! 因為我們很開心、所以我們陪你繼續好玩哦 !」
(家に帰ることはダメだよ!私たちは今とってもハッピーだから、もっともっと一緒にいて遊び続けるよ!)

もう一人の可愛い笑顔のわがまま娘の誕生に私は苦笑いするしかなく、答えました。
「我也很開心。OK的!」

 画像は包廂でデュエットして盛り上がる公關です。この文中に出てくる寶貝と可人ではありません。
制服酒店にはセクシャルサービス目当てで来る日本人も多いですが、それ目当てでは実はそれなりに楽しいといった程度です。2人以上の公關を呼んで(2~4人のグループ客で行くか、1人で行っても2人の気の合う子同士を呼ぶ)、集団でキャーキャーワイワイやって、女の子も楽しい上枱をさせてあげることが大切です。良いお客で彼女たちの心に包廂を去りたくないという思いが芽生えれば、自然と服務なんか良くなります。今、私は秀舞なんかもしませんし、一般的な流れなどまったく関係なく彼女たちの状況見て楽しんでいます。

 なお、ブログの記事に関係ある画像を貼っていきますが、絶対に撮影は禁止ですので、ご注意ください。これらの写真は酒店のスタッフや幹部が撮影し、私に提供してくれている特別なものばかりです。また、画像の無断使用や流用については絶対に禁止です。ご理解をよろしくお願いします。  

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