いろいろなことがうまくいかないこと。きっと誰もが思い当たることです。

昨日、仕事が終わって深夜に帰宅、このところの激務でさすがにすぐに眠ろうと思った矢先、簡訊がAppで届きました。誰かと思って見ると圓圓。今年の夏から秋にかけて仕事で何度も台北を往復していた時に出逢った子でした。すぐに聊天(チャット)になったのですが、何と2時間40分もの間の最長聊天になりました。実はそれには理由があります。 

私が彼女と出逢ったのは、当時彼女は18歳になったばかりで、誕生日の翌日でした。つまり、本当に18歳になってすぐに酒店にやってきました。圓圓は幼少の頃に両親が離婚、國小、國中は母方の奶奶(中国語で祖母のこと)と一緒に暮らしていました。しかし、奶奶が亡くなり、彼女は高中になってから、長い間一緒に暮らしていなかった媽媽(母親)に引き取られ、一緒に暮らすことになりました。しかし、当然ながら、長い間、生活を共にしていなかった母親とうまくいかないことは自明の理でした。彼女は学校生活も乱れ、そして、高中を退学してしまったのです。 家には帰らず、媽媽も彼女を見放し、一切のこずかいも与えなかったと言います。彼女はまだ、18歳未満だったこともあり、一小時80元の時給で夜市でTシャツや帽子を売るという打工しかつくことができませんでした。

しかし、そんな彼女も17歳になり、学校を出ていないことが台湾の社会では大きなリスクをもつことが痛いほどわかった彼女は再び学校に通い始めます。従って、今は18歳であるにもかかわらず、高中進修学校の2年級です。以前もブログで紹介しましたが、酒店の高中生は、そのほとんどが進修学校(定時制のような補習校)で本来の高中とは異なります。従って、上課は朝8時から12時までの午前中のみ、午後からは働くことも可能でした。しかし、時給はやはり一小時90元。彼女は17歳の時に18歳になった瞬間に酒店で働くことを友達から紹介された娯楽公司の經紀人と約束して8万元を借りたのでした。

私が彼女と出会ったのは去年の8月の下旬。在住ではなく、仕事で往復するような形で台北に行く形になった私は大廳で酒店の行政をはじめとするスタッフや様子を見に来ている經紀人と旧交を温めるようなことが多く、その日も2時間ほど酒店で懐かしい戀戀と逢い、彼女が下班したので私も帰ろうとしたところ、「好久没看到!」(しばらく会っていなかったよね)と言うことで、 帰り際の大廳で知り合いにつかまってしまい、 少し、話し込むことになってしまいました。すると一人の背の高い子が控台(打卡などの上班の手続き)をしに大廳にやってきました。彼女を見た知り合いの經紀人(ブログで書いたVickyではありません)が私に言いました。

「她在我的公司。不過我不是她的經紀人。別人的。剛剛來的。今天是第一天。如果你可以的話、你點她比較好」
(彼女はうちの公司の在籍さ。ただ、僕は彼女の經紀人ではないよ。別人だ。彼女はさっき来たところ。今日が一日目なんだ。もしできるなら、彼女を指名してくれないか)

彼女の手を引いて、經紀人が私のところに連れてきました。その表情はとてもオドオドしていて、目もなんとなく暗く無表情でした。確かに美人で、スタイルは抜群。しかし、本当に暗い目をしているのが、とても気になりました。茶髪で化粧もギャルのような派手な感じなのですが、よく制服店にいるような弾けるような感じがありません。しかし、親しかった經紀人が空枱に入れたくなかったような態度は見え見えでしたし、彼女が壊人の客人でやりたい放題されるのも可哀想な気持ちも手伝って、一度去った包廂に再び戻ることにしました。しかし、時間は12時頃で一番、酒店が込む時間になっていたため、大廳で包廂待ちすることになりました。

この時間になると少なくとも30分、平均的に1時間は包廂が空くのを待たねばいけません。しかし、実は方法があって、女の子をすぐに「點枱(指名)」してしまうと優先的に包廂を廻してもらえます。酒店の料金体系は複雑そうで実は単純、女の子を横に座らせた瞬間に料金が発生します。多くの客人は包廂に入って回ってくる多くの公關の子を並べて見て選びたいため、大廳で 「點枱」する客人は多くはありません。しかし、基本的に私は空枱で回ってくる公關はよほど運が良くないと数はいても本当に良い子は、ほとんどいないことを知っているため、幹部の紹介によることが今は多く、そのため、よく、大廳で點枱します。

大廳で多くの包廂待ちの客に秘密にしたい子の顔を見られしまうリスクはありますが、先着順が極めて重要な酒店では、とにかく少しでも早く女の子を決めることが重要ですから、包廂を空くのを待っていたら、良い子は最初か次に入った包廂あたりでまちがいなく他の客人にとられてしまいます。従って、私はよく、大廳で女の子を座らせています。しかし、その瞬間から料金は発生しますから、行政たちは、一刻も早く包廂を準備するため、待ち順位が1位に繰り上がります。初めて逢った圓圓を點枱したこの日もご多分に漏れず、混んでいたにもかかわらず、10分程度で私と圓圓は包廂に案内されました。

圓圓は本当に表情が硬く、10分たったら秀舞をすることぐらいしか、よくわかっていませんでした。その秀舞も必死でやっている感じがあって、顔がひきつっているというか、そんな感じがしました。ちょっとこのままでは雰囲気もほぐれないなと思った私は、小Cという大直にある大学の2年級の子を點枱することにしました。実はこの日、酒店に行く前の9時半頃、民生東路近くのテーブルがあるセブンイレブンでWIFIをつないでいたところ、彼女がたまたま飲料を買いに入ってきて、ばったりと逢っていました。

彼女は胸の大きなグラマー美女で、やはり懇意にしている子です。彼女には酒店に行ったら呼ぶからと伝えていました。この日は私は戀戀というとても可愛がっている気まぐれ娘を呼ぶ約束を簡訊でしていました。そして小Cも點したのですが、他の客人に加點(指名返し)されてしまい、呼べていませんでした。彼女が最初の客人に呼ばれてそろそろ3時間ぐらい経っていましたから、そろそろ帰り、彼女が下枱する時間が近いと思っていました。予想通り、行政に小Cの預點(下枱したらすぐに連れてきてもらう點枱のこと)を頼んでから、15分ぐらいして、すぐに包廂に姿を現しました。

小Cはおっとりした子で雰囲気もなごみますし、しなだれ系の子なので、初めて上枱した圓圓もリラックスし出しました。小Cは胸がEカップは余裕であるのですが、実は圓圓は背が高く、素晴らしいスタイルでとてもスリムですから、ちょっとポッチャリ系の小Cよりも胸が大きく見えるような感じでした。圓圓はもともと美人なのですが、逢った時は表情がかたく、少し冷たいような印象がありましたが、本当は明るい子で笑顔も可愛い子でした。その時は、誕生日の翌日ということもあり、2時間ほど私と小Cとすごして下班となりました。彼女は、最初の上枱でおだやかにすごせたこともあり、最後に電話番号を私の小機に入力していました。

その後、台北に行く機会がある度に彼女を呼んでいました。彼女の事情を知ったのはしばらく経ってからなのですが、彼女は一刻も早く、經紀人からバンス(前金)として借りた8万元を返すことに必死でした。そのため、学校があっても毎日、午後6時から午前2時までPTではなく、正職として週5日の上班を選択していました。ただ、いつも私に言っていたのは、この仕事は好きではない、一刻も早くやめたいということでした。

また、彼女はその派手な顔つきとは裏腹に男性経験は一度もなく、客人との出場も絶対にしませんでした。どちらかというと愛想がないところもあって、若くて可愛いのですが、ボディサービスは悪い方でしたし、出場もせず、1對1も私以外の客人とは一切しなかったので、あんまり人気はありませんでした。従って、だいたい點枱すれば、他の包廂にいてもすぐにやってきました。彼女が言うには何度も逢いに来てくれて點枱を繰り返ししてくれるのは私だけだとか言っていました。

夜、制服店に来る客人が好むのは、とにかくボディサービスがよく、ノリの良い子です。彼女は心をなかなか開かないので、本当はノリの良い活発な子なのですが、初対面の客に対してはあまり楽しめるという子ではなかったように思います。18歳になったばかりなのに、どこか醒めていてハツラツさがないような感じもありました。また、自分が、もともとお金を何とかするために18歳の誕生日の翌日から働き出した経緯からも、一刻も早くやめたかったのが本心でしたから、どうしてもそのような気持ちが接客に表れてしまったのではないかと私は予想しています。実際、彼女は10月にはもうやめてしまいました。經紀人への借金をすべて返し、当面のお小遣いや生活費がストックできた時点でスパッとやめてしまったのです。

彼女が酒店で得たお金で買ったのは、一番欲しかった「i-phone」でした。彼女は当然Facebookももっていて、無名小站にブログとアルバムももっています。アップされている写真は合計500枚以上、いつも免費のTaipei-FreeでWIFIをつなぎ、電話代がかからないLINEやAppで連絡をとっています。従って、最低料金のみで中華電信と契約しているようで、気軽に簡訊を私にも時折、送ってきていました。

その彼女に問題が発生しました。ストックしていたお金がもう尽きかけているのです。そこで、昨日の簡訊になりました。内容は仕事を紹介して欲しいということでした。酒店の仕事はもう絶対にしたくないという決意が強く、何でもやると言います。ただ、勉強は苦手で日本語はもちろん、英語や会計に必要な数学も苦手です。本人は自分が美人で背が高く、スタイルが良いことはとても自慢に思っていますから、ショーガールやキャンペーンガールのような仕事がしたいようなのです。台湾では電脳展や車展などを始め、数多くのイベントが派手に行われますが、必ずと言っていいほど、各社のブースなどにビキニや大胆な恰好をしたレースクイーンのようなキャンペーンガールがいて跳舞をしたりするのが一般的です。どうもそのような仕事で身を立てていきたいようなのです。

私はあまり、自分のことを具体的に酒店で話すことは絶対にしないのですが、薄々は話すことがあります。彼女は私が日本企業の駐在員であることは知っていましたから、なんとかそのような機会を紹介してくれないかというのです。そのため、細かな部分の話し合いを聊天で長時間にわたりすることになりました。

今日、台湾企業の関係者に連絡したところ、いくつかの担当者が彼女の写真を見て興味を示し、これから面試などが整えられるはずです。私は今、台湾に常駐していないので、あとは彼女のやる気と才覚しだいかなと思っています。

彼女とは、よくデュエットしましたが、その中の一曲に圓圓がお気に入りの「寛恕」という曲があります。「寛恕」とは日本語でも同じ意味ですが、日本語ではまず使われません。その意味は「心が広くて思いやりのあること。また、「そのさまとか過ちなどをとがめだてしないで許すこと」と広辞苑などには出ています。 

歌詞の中のサビの部分に「努力學習寛恕」という言葉があります。

圓圓は私が台湾の駐在が終わった後に知り合った子であることもあって私下(プライベートのこと)で逢ったことは一度もありません。ただ、彼女が大好きな 「i-phone」 を通して時折、簡訊のやりとりをし続けていた子で、何かあると相談事をしてきました。彼女の無名小站のアルバムにある大量の写真には制服姿で友達と屈託なくすごす彼女の楽しそうな笑顔があります。 彼女がお金を經紀人に借りざるを得なく、そして、本当に不本意であった酒店にわずか2ヶ月勤めたことに対する彼女への私の気持ちはこの「寛恕」そのものです。

きっとわかってくれる日が来るかな?

まだ、本当に若い彼女は、これから自らの力で自分の未来を切り開いていかないといけません。
彼女とのAppとでのやりとりはずっと残してありますが、彼女自身がどう感じ、どう思っているかの本当のところは私にはわかりません。しかし、少しばかり後押ししてあげることで、決して生い立ちが恵まれていない彼女がその美貌を武器にして生きるための術を得るならば、私のできる範囲で力になってあげようかなとも思っています。

 画像は圓圓の無名小站のアルバムの中の写真です。正面の写真はすべてモザイクを入れてあります。シルエットなどの雰囲気がわかり、顔がはっきりわからないものを掲載していますが、流用や他のサイトへの転用などは絶対におやめいただくようにご理解をお願いします。

 圓圓のKTVでの友達たちとのパーティーの時の画像です。

圓圓2

 大好きな愛用のi-phoneを見る圓圓です。写真の真ん中あたりにアルバムのアドレスを
彼女が入れていて、そのためモザイクで修正してあります。

圓圓1

 自宅での全身姿です。i-phoneでちょうど顔が隠れているものを選んであります。

1887382908

1887382907